- 大手メディアのブルームバーグがテザーの裏付け資金確認を報道
- 大手メディアのブルームバーグが仮想通貨市場の不安要素の一つであるテザーの裏付け資金について独自の調査を行い、4つの月において担保の米ドルと市場の流通量が一致していると報道した。
ブルームバーグがテザーの裏付け資金を確認できたと報道
時価総額7位で、ステーブルコインで一番取引量の多いテザー(USDT)の裏付け資金を巡る問題において、新たに ブルームバーグが過去約1年に渡って4つの月において18億ドルに相当する担保資金と市場に流通しているUSDTトークンと一致していると報道した。
なお、この確認作業はブルームバーグが独自に行ったものであり、正式な監査法人によるものではない。
2017年9月から、テザー社がプエルトリコ のノーブル銀行(Noble Bank)口座と、カナダのモントリオール銀行口座に、4億529万ドル分を保有している事実を示唆した文書を確認できたとブルームバークは報じている。なお、同月の終わりには、4億3500万のUSDTが流通していた。
またブルームバーグによると、今年7月の銀行口座明細書においても、市場で流通しているUSDTトークンの量とドル保有額が一致していることを示していると調査の結果を報じるなど、USDTの担保資産に関する報道は度々行われている。
テザー社の裏付け資金開示
価格が1USDT≒1USD(1つのUSDTトークンにつき、1米ドルが銀行で担保)で保証されているテザーは現在、共通の運営会社を持つ仮想通貨取引所Bitfinexでしか取り扱われていない。そのため、テザー社は、これまで保有資産の正式な監査のため監査法人Friedman LLPと監査契約をかわしたものの、その関係は監査を行うことなしに、理由の説明もなく、2017年1月に解消されたという経緯がある。
その後も、正式な監査が行われることはなく、今年6月に第三者による、USDTの米ドルによる裏付けに関する報告書を公表したものの、監査法人ではなく、ワシントンDCに拠点を置く弁護士事務所、Feeh Sporkin & Sullivan LLP によるものであったため、テザー社が約束した「正式な監査団体による調査結果の開示」はいまだに行われていない状況が続いている。
米政府からの市場操作疑惑も
また今年11月20日、ブルームバーグは、米国司法省が、昨年のビットコイン暴騰に関して、テザー社とBitfinexが市場操作に関与したのではとの疑惑から、捜査を開始したと報道した。
司法省の調査の焦点は、近年の仮想通貨の劇的な高騰、特に2017年12月のビットコインの価格高騰が、純粋に実際の需要によってもたらされたのか、それともステーブル通貨のテザーを利用した市場の仕掛け等の不正行為によって部分的に扇動されたのか、といった価格操作にあることを発表している。
これまで米国規制当局の動きとして、テザー社と親会社のBitfinexに対して米CFTC(商品先物取引委員会)は今年1月にも、テザーの裏付け資金と17年12月のビットコインの高騰がテザーによる市場操作の2点に対する疑惑から、2社に対して召喚状を送付していた経緯もあるため、年間を通して下落相場の要因として仮想通貨業界では問題視されていた。
今回の報道の重要性
今回のテザー社の裏付け資金に関する報道は仮想通貨市場の不安材料の一つとなっている問題に光を射すポジティブなニュースと言ってよいだろう。またビットコインを筆頭とした仮想通貨市場は直近2日間で久しぶりの上昇を記録しており、相場の上昇を押し上げる一つの要因にもなった可能性は十分に考えられる。
その反面、ブルームバーグは正式な監査法人ではないため、今回テザー社の担保資金と流通量が大方一致しているニュースが、CFTCや司法省といった米国の政府機関が続けている調査に影響を及ぼすとは言い難く、米政府のテザーに対する懸念は裏付け資金に関する疑問だけではなく、仮想通貨市場における市場操作の目的でテザーが利用されているかという問題自体が払拭されてはいない。
ブルームバーグのような大手メディアからテザーの証拠金を確認できたと報道したことは確かに市場におけるプラス材料と捉えられるが、米司法省の調査は未だに続行している為、完全にテザーへの不安が払拭された状況であるとは言い切れないため、引き続き警戒感は続くだろう。
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