- テザー資金問題、新たな関連文書が公開
- 仮想通貨市場において人気を博している代表的なステーブルコインのテザーを裏付ける資金問題に関連する、バハマ中央銀行の報告書が公開。 未だにテザー社が先月提携を結んだとされたDeltec銀行に事業の資金を移動していない可能性も指摘された。
バハマ中央銀行、テザー社担保銀行に関与する報告書を発表
今年11月からテザー(USDT)の担保金を保管するDelTec銀行を管轄下に置くバハマ中央銀行から11月分の報告書が21日に発表された。
テザー社は11月初旬からバハマ諸島のDeltec銀行と提携し、同銀行はテザー社の資金およそ18億ドル(約2060億円)を保証する文書を公開していた。
今回、バハマ中央銀行が発表した文書は、「(バハマ諸島)の経済活動、および経済監視活動に関する詳細を開示すべく、報告書を毎月公開する」もので、Deltec銀行も中銀の傘下にある為、注目に値する。
報告書の内容と分析
どう報告書の内容を分析し発表した海外仮想通貨メディアCryptoSlateは、バハマ中央銀行の文書を元に独自の調査を決行し、以下の指標を要因にテザーの裏付け資金の保証に対する疑念を示した。
マネーサプライ
外貨準備高
外貨取引
銀行総預金
以前コインポストでも報道した通り、テザー社は7月から11月の間にかけてこれまで利用していたNoble銀行から新銀行バハマのDeltec銀行に 資金を移動したとされているが、今回公開されたバハマ中央銀行の書類では、その資金の移動が確認できない事が問題視されている。
上記の図はマネーサプライを表す図で、2018年M2は147万ドルしか増えていないことを示している。
またテザー社の資金がバハマの法定通貨バハマドルではなくまだ米ドルであったと仮定した場合、外貨準備高が見るべき指標となる。
しかし、外貨準備高を見てみても資金は2017年の14億ドルから12億ドルに減っている為、ここでもテザー社の18億ドル相当の金額が確認できていないと見られる。
外貨取引のチャートを参照した場合も、残高が8764万ドルしかない為、18億ドルの追加流入した資金は確認できない。
最後に銀行のバハマドルの総預金額を確認したところ、こちらも残高が498万ドルにしか達していないことを示している。
また、仮に市中銀行としてカテゴリされていたとしても資金はテザー社の18億ドルに昇る額には到底至らない額(約4000万ドルの売り上げ、1800万ドルの購入)しか確認されていない。
この文書で示された結果ではテザーの移動資金を示すデータが見られていないことが問題視された形だ。これらを理由に、テザーの資金裏付けが完全にあるかは依然疑問視すべき状況であると一部海外仮想通貨メディアは報じている。
先週もブルームバーグから発表があったが、裏付け資金の存在を保証する法的に正式な調査は未だ行われていないのが現状だ。
なおバハマ銀行は既に同様の報告書を2月4日、3月4日、4月1日に公開する方針を示している。時価総額10位の座を保ち続け、ビットコイン建取引の3割を占めるとされるステーブルコインUSDTを発行するテザー社の裏付け資金問題は以前から問題視されているが、今後この中央銀行の報告書で何かしらの動きが見られるかもしれない。
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