はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

テザー(Tether・USDT)とは/米ドルと同価値を維持する仮想通貨

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

中央集権型ステーブルコイン、テザーを解説

Tether(テザー)とは、米ドル(USD)や日本円(JPY)等の法定通貨とほぼ連動した価値を持つ仮想通貨です。テザーのティッカーシンボルはUSDT(USD Tether)です。

殆どの場合1USDT≒1USDというほぼ等価の図式が崩れることはありません。その性質上、仮想通貨売買における基軸通貨の一つとして扱われていることもあります。

日本の交換業者では取り扱っていませんが、米国やグローバル企業を中心に、多くの取引所が取引ペアの基軸通貨としてUSDTを採用しており、USDTはステーブルコインの中では、長期に渡り時価総額1位を維持してきました。また、仮想通貨全体でも時価総額トップ10に入っています。

通貨コード USDT
公開日 2014年10月6日
コンセンサスメカニズム Proof of Reserves(SHA-256)
発行上限 なし
公式サイト Tether公式サイト
ブロックチェーンURL Tether(USDT) Blockchain Explorer
White paper Tether White paper

テザーの仕組み

テザーは、ビットコインのブロックチェーンを利用したトークン発行プラットフォームであるOmniのトークンの一種として発行されました。

ローンチ後はテザーを発行できるブロックチェーンの数を増やし、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)、トロン(TRX)、アルゴランド(ALGO)などのネットワークでも利用できるようになり、ユースケースを拡大しています。このように複数のブロックチェーンがサポートできるように早く意思決定や対応を行えることは、中央集権的に運営されていることのメリットであるとも言えます。

テザーは、運営母体であるTether Limitedが法定通貨の管理、そしてProof of Reserves(PoR)というシステムによって新規発行しています。

Tether Limitedに法定通貨を預けると同額のテザーが発行され、Tether Limitedから法定通貨を引き出す時にはテザーを入金すると引き出すことが出来、その入金したテザーは消失する、という仕組みです。

テザーはこのような仕組みで発行され、デジタル版のペッグ通貨(他の通貨と価値を連動させている通貨)を実現しているため、ビットコインの価格が下落した時の逃避先や利確として用いる投資家もいます。

また、価格が安定しているため投資対象にはなりにくいですが、取引所間を送金するために利用したり、DeFi(分散型金融)で流動性を提供して報酬を獲得したり、中央集権的なレンディングサービスで貸出を行って金利を稼いだりするという活用方法もあります。

中央集権型であるが故のリスクも

しかし、仮想通貨の中でも特に中央集権的であることから、中央集権者であるTether Limitedが破綻、もしくは不正をする可能性、または法定通貨を預けている銀行が破綻、ハッキングされる等の危険性があります。

例えば不正とは、裏付け資産がないのにテザーを発行してしまうことです。米ドルに連動したステーブルコインであるテザーは、ドルとの1:1の等価交換を保証していることが大前提ですが、過去には発行されているテザーの26%は裏付け資産がないと報じられたこともありました。このようなリスクは、テザーTの影響力が大きいこともあり、市場の懸念材料になります。こういった疑惑に加え、ビットコインの価格を操作をするために、テザーを発行したと以前に指摘されたこともありました。

またTether Limitedは、関連会社の仮想通貨交換所Bitfinexとともに、巨額の損失を隠ぺいした疑いで、裁判に発展したこともありました。中央集権であることは、こういった問題でテザーが価値を失うリスクもはらんでいます。最悪のケースでは、テザーを発行するために預けた法定通貨が戻ってこない可能性もあるかもしれません。

さらに、注意点としては法定通貨と完全に値段が連動している訳ではないため、仮想通貨全体の急落の影響等により一時的に価格差が大きくなることもあります。

テザーと似た仮想通貨で、USDCというステーブルコインもあり、こちらも米ドルと1:1になるように価値が維持されています。USDCは米大手仮想通貨取引所コインベースと決済事業などを行うサークル社の共同事業体「Centre」によって発行されています。テザーの方が早く普及が拡大しましたが、USDCも対応するブロックチェーンを増やすなどして、USDTを追随してきました。また、Centreは米NY州のビットライセンスを保有する事業者でもあるため、テザーよりも信頼度が高く、コンプライアンスの観点からも優れているという声もあります。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/28 金曜日
13:30
トム・リー率いるビットマイン、押し目買いで70億円相当のイーサリアムを追加購入
ビットマイン・イマージョンが27日、70億円相当のイーサリアムを追加購入した。これは同社の毎週の購入パターンと一致。先週まで保有するETHは363万枚を超え供給量の3%に到達。
13:10
途上国インフレが仮想通貨の促進要因に 今年のチェイナリシス「グローバル仮想通貨採用指標」
チェイナリシスの2025年仮想通貨採用指標でインドが首位に。各国でインフレがステーブルコインなど仮想通貨の需要を喚起している。日本はAPAC地域で最高成長率を記録した。
12:46
トム・リー氏、ビットコイン年末25万ドル予想を軟化 史上最高値更新は「可能性ある」
ビットマインのトム·リー会長が年末25万ドルという強気予想を初めて軟化。10月に200万口座が消滅した史上最大の清算イベント後、年末10万ドル突破は「非常に可能性が高い」と予想を下方修正したが、楽観的な見方は維持している。
11:35
欧州最大級の資産運用会社アムンディ、イーサリアム上で初のトークン化ファンドを運用開始
欧州最大級の資産運用会社アムンディが、マネーマーケットファンドの初のトークン化シェアをイーサリアムブロックチェーン上で開始した。24時間365日の運用が可能になり、投資家は従来型とトークン化の両方でファンドにアクセスできる。
11:26
Visa、中東欧・中東・アフリカでステーブルコイン決済を拡大 Aquanowと提携
決済大手Visaが27日、Aquanowと提携し中東欧・中東・アフリカ地域でステーブルコイン決済を拡大すると発表。USDCを活用し、コスト削減と決済時間短縮を実現。世界のステーブルコイン市場は5年で10倍に成長。
10:25
USDT発行のテザー、ウルグアイのBTCマイニング施設を閉鎖 高コストで採算合わず
ステーブルコインUSDT発行のテザー社がウルグアイでのBTCマイニング事業を停止した。電力コストが折り合わなかったことを理由としている。7月にはブラジルでの計画を発表していた。
09:45
ヴィタリック、計1億円超相当のETHをプライバシー領域のプロジェクトに寄付
仮想通貨イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏は、プライバシー機能を持つメッセージアプリSessionとSimpleXにそれぞれ6000万円相当のETHを寄付した。期待する点を説明している。
08:55
トランプ関連プロジェクトと提携のALT5シグマ、CEO解任 内部混乱が明らかに
ナスダック上場のALT5シグマが、トランプ前大統領の家族が支援するワールドリバティファイナンシャル(WLFI)との提携後、株価が80%下落し内部混乱に陥っている。CEOや複数の幹部が解任され、規制当局の調査やルワンダでのマネーロンダリング有罪判決も明らかになった。
07:40
ネイバーとアップビット親会社ドゥナム、AIとブロックチェーン融合で1兆円投資へ
ネイバーとアップビット運営のドゥナムが、AIとブロックチェーンを組み合わせた次世代金融インフラ構築に向け、今後5年間で1兆円超を投資する計画を発表した。韓国ウォン連動型ステーブルコイン発行も視野に入れている。
07:10
イーサリアム、ブロックのガスリミットを6000万ユニットに引き上げ
仮想通貨イーサリアムは、ブロックのガスリミットが6000万ユニットに引き上げられた。これにより、フサカアップグレードの前にトランザクション処理能力が向上した。
06:35
アップビットのハッキング後に一部のソラナ系銘柄で大幅なキムチプレミアム発生、Orcaは50%超の価格乖離
韓国のアップビットで27日にハッキングが発生し入出金が停止された後、ソラナ系トークンで大幅な価格乖離が発生した。オルカは国際価格と比較して51%のプレミアムを記録し、Meteoraも40%のプラス乖離を示している。
05:56
ビットワイズがアバランチETF申請を更新、最大70%のステーキング機能導入へ
ビットワイズが米証券取引委員会に提出したアバランチ現物ETFの申請書類を更新した。ティッカーはBAVAに変更され、保有AVAXの最大70%をステーキングできる仕組みを導入する。
05:40
ソラナミームコインBONKの現物ETP、スイス証券取引所に上場
ソラナミームコインBONKがスイスのSIX証券取引所で取引を開始した。ビットコイン・キャピタルが発行するETPにより、投資家は従来の証券口座を通じてBONKへのエクスポージャーを得られるようになった。
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧