はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨イーサリアム 「ProgPoW」の実装が仮決定|ASIC寡占の対策の重要性とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨イーサリアム、「ProgPoW」実装が仮決定
1月4日のイーサリアムコア開発者の会合にて、イーサリアムの「ProgPoW」実装が仮決定した。それはASIC対策として機能するアルゴリズムであり、GPUマイニングの持続性と非中央集権性の維持という点で重要なものとなることが注目。

イーサリアム開発者コミュニティは『ProgPoW』の実装に仮合意

待望の大型アップグレード【コンスタンチノープル】を今月1月16日(水)前後に控えた仮想通貨イーサリアムにおいて、開発者コミュニティは「ProgPow」の実装を仮決定したことが複数のメディアの報道により明らかになった。

これまで決定が見送られてきたコードのアップデートであったが、今週金曜日のイーサリアムコア開発者の会合で実装における暫定的合意に至った模様だ。

テスト等で問題が生じない限りは実装されるとされるが、その正確な時期については明らかになっておらず、次の1月18日の会合にて具体化される予定である

イーサリアム財団広報担当のHudson Jameson氏は、今回の仮決定について以下のように述べている。

我々は、ProgPowの実装を暫定的に決定したと言えるだろう。テストやその性質で大きな問題が生じない限りは実行する。ProgPowの実装をもって前進することとなる。

セキュリティ担当のトップMartin Holst Swende氏はProPoWの重要性について、このように語った。

Ethhashの欠点で不公平なマイニングターゲットとされているため、PoSになるべく早く移行させたほうがいいと考えている。そして、ProgPoWとは完全移行の安全の面にとって、極めて重要なプロセスである。

「ProgPoW」とは

「ProgPoW」とは、ASICマイニングの効率を下げ、GPUに優位性を与えるアルゴリズムである。

「ProgPoW」の実装は、ASIC対策を目的としたシステム変更ということになる。

以前からコミュニティ内で実装の必要性が議論されてきたものであるが、その背景には2018年にイーサリアムに特化したASICの開発が相次いだことがある。

イーサリアムにおけるPoWのアルゴリズムであるEthashには、元々ASIC耐性が備えられていたが、2018年にはそれに対応したASICの開発が盛んになった。

例えば、2018年4月にマイニングマシン製造最大手bitmain社が発表した「アントマイナーE3」がそれにあたる。

また、同年9月には、マイニングマシン製造ベンチャーのLinzhi社もEthashに対応したASICの発売予定を発表した。

そして、そのようなEthashに対応したASICの登場へのコミュニティの懸念は、「マイニングの寡占」による中央集権化である。

マイニングのみに特化したASICは、個人もしくは中小規模によるGPUマイナーを排除していくことが予想される。

また、個人でもASICの購入は可能であるがGPUと比較しても高価なため、個人によるマイニングへの参入障壁は高くなる。

その結果として、少数のマイニング業者による寡占状態が生み出される可能性が以前から指摘されてきている。

これまで、それの防止策として「ProgPoW」の必要性が協議されてきたが、この度開発チームらにより本格的に実装が合意に至った格好である。

開発コアチームでは、他のアップグレードを伴わない単独で行おうとし、このコードのアップグレードを今後2〜4ヶ月以内に実行する目処だという。

以下イーサリアム・ハードフォークのロードマップ

第1段階:Frontier

(2015年7月)

バグ修正、スマートコントラクト試験

第2段階:Homestead

(2016年2月)

マイニング難易度調整、トランザクション処理速度改善

第3段階:Metropolis

ByzantiumとConstantinopleの2部構成
3-1:Byzantium

(2017年10月):

Proof of WorkからProof of Stakeへの変更準備

3-2:Constantinople

(2019年1月予定)

データ保存のコストについてスマートコントラクト開発者有利にする変更、オフチェーンでの取引記録によりスケーリング問題を解決する等の変更等に加え、ASICマイナーによる寡占防止策なども今回の延期により盛り込まれる可能性がある。

第4段階:Serenity

(時期未定)

Proof of WorkからProof of Stakeへの変更完了

「コンスタンチノープル」への主要取引所の対応

1月14日〜1月18日の間に大型アップグレードを予定するイーサリアムに関して、主要仮想通貨取引所はそれへの対応を発表している。

最初にサポートを発表したのは、最大手取引所バイナンスで、注意点を以下のようになる。

  • アップグレードが始まる前に、イーサリアム(ETH)の入金に十分な時間を設ける
  • アップデートのプロセスなどはすべてBinance側が対応する
  • アクティベイション・ポイントは、#7,080,000ブロック
  • アップデート開始の推定日程は、2019年1月14日〜1月18日の間

CoinPost関連記事

世界最大級の仮想通貨取引所バイナンス、1月中旬に予定される「イーサリアムハードフォーク」のサポートを表明
世界No.1の仮想通貨取引所Binanceは、1月中旬に控えるイーサリアムの分岐を伴わないハードフォーク「コンスタンティノープル」に対応予定であることを発表した。注意点をまとめている。

同じトップ3の取引所Huobi(フォビ)も、昨日、公式ページにてアップグレードのサポートを公表した。

さらに、OKExも同様、今回の大型アップグレードの技術対応等を公式ページにて明示している。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者9,000名突破。

CoinPostの関連記事

仮想通貨イーサリアム、来月大型アップグレード実装 コア開発者会議で実行ブロックが決定
延期されていたイーサリアムの大型アップグレード【コンスタンティノープル】の実施予定日が明らかとなった。予定日は2019年1月16日水曜日、#7,080,000ブロックがアクティベイション・ポイントと決定。
Huobiレポート|Githubコミュニティでイーサリアムのコード更新が頻繁に(12/12〜12/19)
世界有数のHuobi研究所提供。1000BTC以上の大口取引は、前週1143回から1037回へと微減。Githubコミュニティでは、ETHのコード更新が頻繁に行われており、3週連続で大量の更新があった。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/26 金曜日
13:00
イオレ、仮想通貨レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約開始
東証グロース上場のイオレが暗号資産レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約を開始。年利8%〜、約1万円から利用可能。2026年1月下旬の正式リリースを予定し、事前登録者には4月まで13%の特別料率を適用する。
12:50
クシム、社名を「HODL 1」に変更 Web3・仮想通貨トレジャリー事業へ転換
東証スタンダード市場上場のクシムが社名を「HODL 1」に変更すると発表した。Web3・仮想通貨トレジャリー事業を中核とする企業へ転換。
12:25
国内衣料上場企業ANAP、15億円で109BTC追加購入
衣料品販売のANAPホールディングスが15億円で仮想通貨ビットコインを追加購入し、総保有量が1346BTCに達したと発表した。
11:37
中国環境省、環境管理にブロックチェーンなど先端技術を導入
中国生態環境部が12月25日、ブロックチェーン、AI、ビッグデータを環境管理に統合する方針を発表。全国炭素排出権取引市場ではデータ改ざん防止に既に活用。中国は仮想通貨を規制する一方、ブロックチェーン技術応用は国家レベルで積極推進。
10:36
パンテラ専門家の2026年仮想通貨12大予測 DAT企業統合や量子パニックなど
パンテラ・キャピタルのジェイ・ユー氏が2026年の仮想通貨業界12大予測を発表。AI技術の浸透、DAT企業の統合、トークン化ゴールドのRWA主役化、ステーブルコイン決済の拡大、量子コンピューターによるBTC懸念など、注目のトレンドを解説。
10:02
2025年仮想通貨デリバティブ市場レポート、取引高1300兆円突破=コイングラス
コイングラスが2025年の仮想通貨デリバティブ市場に関するレポートを公開。ETFやDAT企業などへの機関投資家による投資が加速したと分析している。
06:55
トラストウォレットで9億円以上不正出金、数百人のユーザーが被害か=報告
オンチェーン探偵のザックXBT氏が、トラストウォレットの複数ユーザーから資金の不正流出報告があったと明らかにした。クローム拡張機能のアップデート後に発生し最低でも600万ドル以上が盗まれたと推定。
06:40
金融庁、仮想通貨の担当部署を「課」に昇格へ
金融庁は、2026年7月の次期事務年度に仮想通貨の担当部署を「課」に昇格させる方針を固めたことがわかった。金融サービス変革への対応能力を強化する。
05:45
ロシアの主要証券取引所、2026年の規制発効で仮想通貨取引提供開始へ
ロシアのモスクワ証券取引所とサンクトペテルブルク証券取引所が、2026年に予定される仮想通貨規制の発効後に仮想通貨取引の提供を開始する準備ができていると発表した。
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
18:00
アルトコインを保有する上場企業一覧|ETH・SOL・XRPなど主要銘柄別に分析
イーサリアム、ソラナ、リップル社開発のXRPなど、ビットコイン以外の仮想通貨をトレジャリー戦略で保有する上場企業が急増中。銘柄別一覧とともに投資効率や保有動向をわかりやすく分析。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧