はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

直近数ヶ月のビットコイン高騰に「人民元」の急落の影響|中国投資家の動向は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインは米中貿易戦争の安全資産か
先日まとまりかけていた米中通商交渉が事実上決裂し、直近2週間で人民元が対ドルで2%下落した状況下で、中国投資家の動向も注目されている。ビットコイン市場の影響を分析する専門家の見解は。

ビットコインは中国マネーの避難先に

激化する米中貿易戦争が、両国経済に対してどのような悪影響を及ぼすかは未知数の部分もあるが、仮想通貨市場にはその争いを避難する投資家が流入してきているとの指摘もある。

トレード・ウォーの現状について

先日、米トランプ大統領は5月10日より、「中国から2000億ドル(約22兆2000億円)相当の輸入品に対する関税率を現行の10%から25%に引き上げるほか、課税対象外となっている3250億ドルの中国製品についても『間もなく』同じ25%の関税を課す方針を考えている」と表明した。

一方で、中国は米国の強行的貿易政策に対し、米国からの600億ドル相当の輸入品に対する追加関税を最大25%に引き上げる方針を明示し、米政府に対する報復措置として6月1日から実施するという。中国は米国の方針に屈さない立場を取り、「米中貿易戦争」はエスカレートの様相を呈している。

ビットコイン高騰の相関性

ビットコインはここ一週間(11日〜17日)、およそ26%の上昇を記録している。仮想通貨業界における世界最大級の大型カンファレンス「Consensus」の開催期間(日本時間14日〜16日)もあったため、相場は盛り上がりを見せていた。「Consensus」の前後では、仮想通貨の実用性に関する様々な重要な発表があった。

例えば、仮想通貨取引所Geminiと提携している決済企業Flexaはスターバックスやホールフーズなどの人気店舗で仮想通貨による決済ができるアプリ「SPEDN」を発表したほか、世界有数のコンサル・会計事務所デロイトでは、今後イーサリアムブロックチェーンを利用した大型プロジェクトをローンチする計画をしていることを明かした。

このような状況にある中、一部の仮想通貨専門家は、ビットコイン価格の高騰の背景には、中国人民元の下落があったと見ている。よって中国の投資家たちは今後も人民元の下落が続くと予想し、手持ちの資金をドルやビットコインに交換している可能性が高いとしている。

なお、昨日Coinpostでも考察したように、coinlibのマネーフローを確認すると、ステーブルコインUSDTのほか、仮想通貨投資家の多い日本からの資金流入以上に、貿易戦争の交戦国の法定通貨である米ドルや中国元からビットコインへの流入が増加傾向にあることが確認できる。

出典:coinlib 拡大可

米中通商交渉は事実上決裂し、直近2週間で人民元が対ドルで2%下落した。中国の習近平国家主席は対抗戦略として人民元の通貨切り下げを行ない、中国製品の価格競争力を押し上げる可能性があると指摘されている。

中国の著名VC「DHVC」の出身で、米仮想通貨ファンドPrimitive Venturesの創業者のDovey Wan氏は、直近のビットコインの値上がりの原因を、人民元やドルのチャートを引き合いに出して分析。

米中の2国の法定通貨は価値を下げているが、ビットコインこそが米中貿易戦争の勝者だ。

また米フォーブス誌によると、米NYの仮想通貨のトレード企業XBTOのCEOを務めるPhilippe Bekhazi氏も見方を示した。

「香港のトレーダーから話を聞いたところ、現地ではステーブルコインの需要が急激に高まっている。背景には投資家らが中国や香港から、海外に資金を移転させようとしているなどがある。」とコメントした。

中国政府は、2017年後半より仮想通貨の取引などの業務を全面禁止する中、多くの中国トレーダーは主にVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を利用し海外の取引所で取引を行うか、もしくはOTCで売買している。具体的な取引高は正確に測れないが、4月はじめのビットコイン高騰時には、中国におけるOTC取引高が高く記録されていたことを1つのOTC取引所が明かしている。

香港ベースのビットコインOTC取引所「OSL」の最高責任者を務めるDave Chapman氏は、全仮想通貨の取引高の20%を中国が占めていると言及した。6月に予定されているG20サミットで、新たな進展があるのかどうか注目されている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧