BTC2020の半減期はこれまでと違うか
仮想通貨取引の著名アナリストWilly Wo氏は、2020年の半減期を迎えるビットコインの値動きはこれまでの半減期と異なり、過去のパターン(半減期へ向けた価格上昇)を繰り返さないとする見解を示した。
半減期とは
仮想通貨の「マイニング(採掘)」という仕組みを維持するために、マイナーがブロックを生成する度にマイナーに支払われるマイニング報酬が、半分になるイベントのこと。ビットコインではこのイベントは約4年に1度発生し、誕生当時の2009年は50BTCの報酬が支払われていたが、現在は2回の半減期を経て、当初の4分の1である12.5BTCが支払われている。
半減期に伴う供給量の減少から、価格上昇パターンが確認されている「半減期」。現在180日後に控えるBTC市場についても、複数のアナリストやトレーダーらが、上昇トレンドに影響するとの指摘を行なっている。
今回この半減期への影響が出ないと考えるWo氏は、短・中期的なビットコイントレンドを分析。「短期は弱気相場が続く可能性が高く、高いボラティリティを見込んでいる」として、半減期前の上昇相場には期待できない市場状況であるとコメント。
これまでと同様の半減期前の動きは繰り返さないと考えている理由としては、マイニング業者による売り圧をトレンドの注目点として取り挙げた。
今年のビットコインは、下半期にかけて14000ドルから7500ドルまで下落しており、下げトレンドが継続。下落要因には、中小マイナーらが再び厳しい状況に追い込まれていることを挙げた。昨年の同時期にも、BTC6000ドルから3000ドル台に急落した際、マイナーもパニック売りが大きな要因として挙げられていた。
7月からの下落トレンドは、2020年半減期と過去半減期の最大な違いになると説明。過去半減期では半減期までの6ヶ月ほど前より上昇トレンドを形成したが、「下落トレンドに加え、マイナーも売却を続けているため、現在の状況は以前とはまったく異なる」として、ファンダメンタルズ要因としての半減期を市場が受け入れられる状況ではないと指摘した。
昨年末のケースでは、中小マイナーがビットコインを売り尽くしたのちに相場は底値をつき、上昇に転じたが、現在は売り圧力が未だ解消されていないと補足した。
過去2回の半減期前の上昇パターンのチャート
マイニング大手ビットメインの共同設立者兼CEOであるJihan Wu氏も19年10月に同様の見解を示している。
BTCの弱気市場から強気市場のサイクルが長期化しており、「半減期と弱気・強気のサイクルが必ずしも一致するものではない」として、半減期で価格が大きく上昇する地合いではないと指摘している。