イーサリアム、ブロック生成時間が大幅減
イーサリアムネットワークが「ムーア・グレイシャー」ハードフォークを終えて、ブロックの平均生成時間が減少した。当該ハードフォークで目的としていた「ディフィカルティボムの遅延」の結果が見られたことになる。
イーサリアムデータを提供するetherscan.ioのデータによると、1月1日に17.6秒かかっていたブロック生成時間が11月3日には13.4秒まで減少した。
仮想通貨イーサリアムは、「ムーア・グレイシャー」ハードフォークを実行ブロック9,200,000で行い、マイニングの難易度を意図的に上げるディフィカルティボムを400万ブロック:約2年間延期させるアップデートを行なっていた。
デフィカルティボムとは
「難易度爆弾(ディフィカルティ・ボム)」は、コンセンサスアルゴリズムをProof of WorkからProof of Stakeに変更するハードフォーク時に、マイナーが古いPoWのチェーンに残ってしまうことを防ぎ、PoWからPoSへのスムーズな移行を可能にすることを目的として導入された方策だ。
パブリックチェーンであることから、PoWチェーンにマイナーが残る懸念があるが、デフィカルティを上げ、報酬を得ることが難しくなる状況を意図的に作ることで、新チェーンへの移行をスムーズに行う。
これまで、このデフィカルティボムの仕組みが影響し、マイニングが難しくなり、チェーンが伸びなくなった状態の「アイスエイジ」が、複数回確認されており、1日あたりの報酬額などへの影響も見られていた。
これまで、このデフィカルティボムが影響して、マイニングの難易度が上昇、ブロックの生成時間は平均値15秒を上回る推移を記録していたことが確認されている。
今回のアップデート後の推移で、約30%の平均生成時間が低下したことで、1日あたりのブロック生成数は約3000ブロック、マイナーの報酬総量も比例して30%増加した。
イーサリアムの今後のアップデート予定としては、当初イスタンブール2と称され手数料の仕組みを変更する「ベルリン:EIP-2070」、コンセンサスアルゴリズムをPoW方式からPoS方式へと移行する「Ethereum 2.0」などが予定されている。
今回のデフィカルティボムの延期によって、次回「ベルリン:EIP-2070」でも影響の回避が可能になる。