リップル裁判、口頭弁論
仮想通貨XRPの有価証券問題を巡る裁判は米時間15日、口頭弁論を終えた。裁判官の決定書(書面による裁定)は後日、追って発表される予定だ。
仮想通貨業界に精通する弁護士Chervinskyは、今回の進捗を解説。
今後のプロセスとしては、裁判官は弁論内容を持ち帰り考慮する流れになり、決定書発表の日時については「数日か、数週かもしくは数ヶ月かかるかもしれない」と説明した。
当該裁判の議論の本質には、「XRPの有価証券性」の問題があるが、今回の口頭弁論の決定書の内容では主に、Ripple側が要求していた訴訟取り下げに係る内容が公表される予定だ。
今回の決定書次第で、より詳しい法的な内容へと発展するかが決定されることになる。
Here is today's minute order for the hearing on Ripple's motion to dismiss. It went for 56 minutes. As is typical, the judge "took the matter under submission," meaning she will issue a written ruling at some later date. It could be days, weeks, or months.https://t.co/Qcb5rFlMRc
— Jake Chervinsky (@jchervinsky) January 15, 2020
関連:裁判の経緯
Rippleの主張、CFTC会長の見解
2013年にリップル社が仮想通貨XRPを一般投資家へ販売したことは「米証券法」に違反するとして、XRPを購入した投資家が2018年に同社を提訴したことが、この訴訟問題の発端である。
一方、リップル社CEOのBrad Garlinghouse氏はこれまで「SECの仮想通貨ICOガイダンスは法律ではない。明らかにXRPは有価証券に該当せず、UKの規制当局も有価証券ではないと判断している」と主張した。
そして昨年9月、リップル社側は有価証券問題には直接触れず、原告側には訴訟を追行する「当事者適格」がないとして集団訴訟取り下げ要求を裁判所へ提出した。原告によるXRP購入時期が、XRPが初めて一般投資家へ販売された2013年から3年経過した後であったことから、証券法が定める発行者の「法定責任期間」から外れているとの主張だ。
先日、米商品先物取引委員会(CFTC)のTarbert会長は、SECがXRPを証券として分類する可能性もあることを示唆。ただし、状況は依然として明確でなく、XRPが商品(コモディティ)と判断した場合は、CFTCの管轄下に入るため、「何がどちらの管轄に入るのか、昨年より、SECと緊密に協議を重ねている」と慎重なスタンスを示した。
参考:裁判文書