コスモス(ATOM)など市場相関が低い銘柄も
大手仮想通貨取引所バイナンスは22日、2019年の各仮想通貨間の相関についての分析を発表した。イーサリアム(ETH)が他の銘柄ともっとも高い相関を示す一方、コスモス(ATOM)・チェーンリンク(LINK)・テゾス(XTZ)は他の銘柄との相関が低く、独立した価格推移を示していた。
なおビットコインの価格は、1BTC=3,000ドル台まで低下した2018年末からは86%上昇し、ドミナンスも52%から68%に回復している。
時価総額上位20位の銘柄の相関分析
相関係数は2つの変数の関係の強弱を-1から+1の範囲で示す指標で、一般に0.5以上または-0.5以下の場合、2つの変数の間には強い関係があるとされる。
相関係数が正の場合、2つの資産の値動きは同じ方向であることを示し、負の値の場合は逆の値動きをするので一方の資産を他方に対するヘッジとして使用しうるなど、相関係数の分析はポートフォリオ管理への洞察をもたらす。
*なお、相関係数の大小は何かしら関係があることを示すに過ぎず、決して因果関係を表すものではない。
上図では、相関係数が全て「正」となっているので、概ねこれらの通貨は同方向への値動きをしたことがわかる。
リターンの相関
最も他の銘柄との相関が強いのはイーサリアム(ETH)の0.69、小さいのは順にコスモス(ATOM)の0.31、チェーンリンク(LINK)の0.32、Tezos(XTZ)の0.4となっている。
時価総額上位20銘柄のリターンの相関 2019年1月1日〜2020年1月1日
青が濃いほどほど大きく(1に近い)、赤が濃いほど小さい(0に近い=相関がない)
このうち、コスモス(ATOM)の相関係数が小さい理由として、上場されてからの期間の短さが挙げられている。2019年の第1四半期の終わり頃に上場されたばかりであり、年間での相関係数は0.31だが第4四半期のみだと0.56となっており、上場されて時間が立つほど相関係数が上がっている。
また、バイナンスは同様の分析をこれまでにも四半期ごとに発表しており、これまでの調査も含めて一般的に以下のような傾向を発見したという。
- イーサリアムとビットコインは、PoWの仮想通貨であるモネロ(XMR)とビットコインキャッシュ(BCH)と強く相関する
- スマートコントラクトを備える仮想通貨は、そうでないものと比べて相互に高い相関を示す
- Binanceにリストされている資産同士は、Binanceにリストされていない暗号資産同士よりも高い相関を示す
最後に、今回の調査結果から弱気相場において各銘柄の相関が大きくなる可能性を提示している。
参考:Binance Research | 2019 – Annual Crypto-Correlations Review