はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ビットコイン取引の分析調査企業 5年で米政府の採用数が急拡大

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

犯罪捜査に役立つ仮想通貨取引データ分析

仮想通貨の不正検出やマネーロンダリング対策などのソフト開発及びサービスを提供する米ブロックチェーン調査企業チェイナリシス(Chainalysis)。 昨年10月には、世界最大規模の児童ポルノサイト「Welcome to Video」の捜査において、ビットコイン取引の分析調査の側面から米司法省に協力し、同サイトの摘発、閉鎖に繋げた功績を持つ。

この事件に象徴されるように、ビットコインなどの仮想通貨取引データから得られる情報は、犯罪捜査及び防止にますます重要な役割を果たすようになってきているようだ。 そして、その事実を裏付けるように、米国政府機関とチェイナリシスとの契約はこの5年間で急拡大している。

チェイナリシスと契約を結ぶ政府機関

米連邦政府によるチェイナリシス関連の調達記録82件を米仮想通貨メディアCoindeskが調査した調査データによると、同社が設立された2015年以降の政府支出状況で、次のような事実がわかった。

1.契約している政府機関

連邦捜査局(FBI)、麻薬取締局(DEA)、移民税関捜査局(ICE)

証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)

金融犯罪取締執行ネットワーク(FinCEN)

内国歳入局(IRS)

シークレットサービス(USSS)

運輸保安局(TSA)、空軍

2. 契約金額

5年間の累計:10,690,706ドル (約11億7300万円)

延長の可能性を見込むと1400万ドル超 (約15億3600万円)

3. 契約金額の多い機関トップ3

1位:内国歳入局(IRS):410万ドル (約4億5000万円)

2位:移民税関捜査局(ICE):260万ドル (約2億8500万円)

3位:連邦捜査局(FBI):240万ドル (約2億6300万円)

なお、FBIは昨年12月、「仮想通貨追跡ツール」に37万7500ドル(約4140万円)を支払い、2022年までに少なくとも362万8775ドル(約3億9800万円)を使うオプションがあるという。

政府との契約が拡大

チェイナリシスは、2015年にFBI向けに9000ドル(約99万円)のデータソフトウェア契約を結んだことから、政府との関係を徐々に築き上げていったようだ。

チェイナリシス共同設立者で最高戦略責任者のJonathan Levin氏は、各機関内でサイバー犯罪やマネーロンダリングに対処する専門チームとの仕事を行ったことが始まりだったが、その後、政府機関が取り扱う様々な犯罪や違法行為対策に対して、同社の提供するサービスの有用性の認識が深まるに連れ、同社の役割も拡大して行ったと述べている。

政府機関への訓練を提供しているハイテク犯罪専門家は、政府の各調査機関には、それぞれ仮想通貨と関わりをもつ専門的な特定分野があると説明。その一つが、IRSサイバー犯罪ユニット(CCU)で、チェイナリシスの主な契約先でもあり、4年間で「ケース支援と訓練」のために 330万ドル(約3億6200万円)以上を費やしたとのことだ。

チェイナリシスの顧客層:民間部門と公的部門の割合は半々

昨年4月には、三菱UFJグループなどから3600万ドル(約39億5000万円)の資金調達に成功しているチェイナリシスだが、同社によると140を超える企業と20の政府が、同社の製品を利用しているという。

同社が提供しているのは、仮想通貨捜査ツール「Reactor」、本人確認等のコンプライアンス及び取引監視ツール「KYT(Know Your Transaction)」とKryptosだ。

仮想通貨取引所Bitfinexはマネロン対策強化にKYTを導入、同取引所のAMLコンプライアンスの欠如解消に一役買っているようだ。 直近では、国内でもBITPointのシステムにReactorが導入されると報道された。 Reactorは、昨年7月に起きたBITPointからの不正流出の際に、100万以上の取引を介して盗まれた資金を特定したと言われている。

Levin氏によると、チェイナリシスの収益における民間と公的部門(国家機関や海外政府を含む)の割合は、およそ1:1とのことだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/25 火曜日
17:47
ギャラクシー・デジタル、ポリマーケットとカルシで流動性提供を検討=ブルームバーグ
仮想通貨投資大手ギャラクシー・デジタルが予測市場プラットフォームのポリマーケットとカルシでマーケットメイカーとして流動性提供を検討。既に小規模実験を開始しており、機関投資家の参入で市場の成熟が加速する可能性。
17:39
ビットコイン急落の背景は ETF・DAT・ステーブルコインの3大需要が逆転=NYDIGレポート
NYDIGは最新レポートでビットコイン急落の本質を明らかにした。ETF資金流出、DAT企業のプレミアム崩壊、ステーブルコイン供給減少という3大需要源の反転により、強気サイクルを支えた自己強化型ループが破綻したことが大きく影響している。
17:34
ソラナとXRPのETFが好調 資金フローの明暗が鮮明に
ビットコイン・イーサリアムETFが週次で大幅流出する一方、ソラナとXRPの現物ETFは資金流入を維持。20日連続流入のSOLや週次トップのXRPなど、資金フローの明暗を比較する。
17:05
CMEグループ、仮想通貨先物・オプション取引高が過去最高を更新
CMEグループが11月21日に暗号資産先物・オプション取引で過去最高の79万4,903件を記録。年初来の平均取引高は前年比132%増となり、機関投資家の参入拡大と市場成熟を示す。
15:38
SEC、Fuseエナジートークンを証券非該当と判断 実用型トークンに新たな道筋
SECが英Fuse Energyの実用型トークンを証券非該当と判断し、ノーアクションレターを発行。DePIN分野の規制明確化が進む中、市場規模は190億ドル(約2.9兆円)に達し、前年比270%の急成長を記録。
13:54
「プレミアムで取引されるデジタル資産トレジャリー企業は少数に」ビットワイズ見解
ビットワイズCIOがビットコインなどを保有するDAT企業の今後を分析した。プレミアムを維持できるのは一部のみで、多くはディスカウント価格で取引されると予想している。
12:13
中国、ビットコインマイニング世界3位に復活か シェアの14%を占める=ロイター
ロイター通信によると、中国のビットコインマイニングシェアが2021年の全面禁止後に約14%まで回復し、世界第3位に返り咲いた。新疆や四川で余剰電力を活用した地下採掘活動が活発化。
12:01
JPモルガン、仮想通貨企業CEOの口座閉鎖か 「チョークポイント2.0」と波紋を呼ぶ
ビットコイン決済アプリStrikeのCEOがJPモルガンの口座を閉鎖されたと訴えている。仮想通貨業界への銀行サービス拒否が続いている可能性が浮上し波紋を呼んでいる。
11:44
グレイスケール、XRP・ドージコインETFを上場開始 管理手数料は初期免除
グレイスケールがXRP・ドージコイン現物ETFを11月24日にNYSE Arcaで上場開始。管理手数料0.35%、初回3カ月間または10億ドル到達まで無料。米国初の純粋なドージコイン現物ETFとして、キャナリー・キャピタル、ビットワイズに続く市場参入。アルトコインETF市場が急拡大中。
11:35
米ビットコイン現物ETF、4週連続で資金が純流出
米上場の仮想通貨ビットコインの現物ETFは、先週の資金フローが約1,914億円の純流出だった。これで週次としては4週間連続で純流出となったが、ポジティブな見方も上がっている。
06:50
金融庁、仮想通貨交換業者の責任準備金積立を義務化へ
金融庁は仮想通貨交換業者に対し、不正流出などの事案に備えて責任準備金の積み立てを義務付けることがわかった。金商法適用の議論が進む中、投資家保護を強化する。
11/24 月曜日
17:50
ブラックロック、ビットコイン投資の本質は「デジタルゴールド」 機関投資家が重視する“真の価値”とは?
世界最大の資産運用会社ブラックロックのデジタル資産部門責任者が、機関投資家がビットコインに投資する理由を解説した。「デジタルゴールド」としての価値保存機能が重視される一方、決済手段としての利用は依然投機的との見方を示した。
11:47
ソラナのインフレ率を下げる改善提案 今後6年で2,230万SOLの発行量削減見込む
仮想通貨ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開した。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みだ。
10:25
「仮想通貨市場の弱体化、背景にマーケットメーカーの機能不全」トム・リーが指摘
ビットマイン会長が仮想通貨市場の下落が続いている要因を分析した。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示している。
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧