はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ビットコインは「デフレの救世主」となるか、経済減退需要を専門家が考察

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

経済デフレとビットコインの上昇

これまで、アルゼンチンやベネズエラ、ジンバブエなどの自国経済が不安な国々では「ハイパーインフレ」が進行しているために、本国におけるビットコインの出来高が上昇し、いわゆる「プレミアム価格」を付けてきた。

しかし、今後ビットコインの価格上昇の火付け役になるのは、その逆の「デフレ危機」だという見解が見られた。著名アナリストBrendan Bernstein氏は「デフレ危機の崖縁に立たされているがゆえ、BTC市場は強気になる」として、その根拠を示した。

まずは、信用市場(クレジット市場)の負債のターニングポイントがある。現在の米国信用市場の負債は、すでにピークを通り越し段階的に緩和する傾向になると指摘。「投資家は債務返済を行うために、レバレッジを解消している。結果、インフレを抑えることになる」と説明した。

*「クレジット市場」とは、「信用リスク(資金の借り手の信用度が変化するリスク)」を内包する商品(クレジット商品)を取引する市場の総称=日銀。

米連銀(およびNY)は経済的減速を懸念し、昨年複数回の利下げおよびリポを行い、バランスシートは一時約4.5兆ドルまで膨張した。しかし、「この規模の資金流入があっても消費者物価指数は、ほぼ反応しない」と、Bernstein氏は見解を示している。したがって、実体経済(グッズ&サービス)に資金の流れが細くなり、インフレ解消からデフレ発生を誘発し得る要因とされる。

経済成長に影響する労働年齢

次に、米国の労働年齢人口の減退を取り上げている。人口の推移も経済成長の指標だ。

データによると、現在の米人口ではいわゆる「ブーマー世代(55〜75歳)」が最大のシェアを占めているが、今後5年間、退職者が集中的に増加する見込みだ。

高齢化と少子化のため、「過去100年、労働人口は5倍と成長してきたが、これから100年は20%しか増加しないだろう」とした上で、つまり今後、生産性の弱体化により、GDP(国内総生産)が直接経済的打撃を受けてしまうわけだ。

この問題は米国にとどまらず、世界人口データを見ても2100年までの増加率は減少していくと試算されている。これまでの傾向では、人口の増加に伴い、物価や株価があがりながら、購買力もともに強くなっていたため、インフレに繋がっていた。つまり、資本主義における「消費主義」のピークを迎え、デフレに転落する恐れがあるとのことだ。

さらに、これまで経済の追い風となっていたブーマーたちは退職後、RMD(最低限の引き出し額)という法律で、”リタイヤメント資金”を株市場から引き出さければならず、試算によれば今後「10兆ドル相当」の巨額マネーが株市場から流出すると見込まれている。

Bernstein氏は、結果的には、株市場の廃退は国の経済に深刻な打撃を及ぼすとし、「将来使えるお金がだんだんと減っていく可能性が高い」と見ている。

ビットコインは経済の救世主になるか

Bernsteinの見解では、「多くの人は、ビットコインの価格上昇がジンバブエなど新興国経済をハイパーインフレから救い出せると見ている が、本当はその逆で、デフレの危機から救い出すものだ」と指摘。具体的には、上記の人口増加率の減少や債務返済の関係性で極端な経済減退(日本の高齢化による経済減退に類似)およびマイナス金利は、デフレを引き起こす。

ここでは、ビットコインの価格推移が似たゴールドの歴史的推移を取り上げで、ゴールドの価格を決めるのは、「米ドルの価値でも、インフレでもなく、国債の実質金利(実質利回りとも)だ」と論じている。

過去、ゴールド価格は実質金利とは逆の相関性推移を示している。

デフレを懸念する連銀がいずれQEなどの方策によって実質金利を抑え、より多くの米ドルを市場に流通させることになる。よって実質金利を得られなくなる状況になれば、価値の保存として、ゴールドやビットコインのような有限アセットに資金を移す投資家は今後増えていくと、分析している。

価値の保存および投資的需要は、長期に渡って高まっているとしている。

CoinPostの注目記事

シンガポール中銀・元バンカー「ビットコインは超担保金資産になる」
シンガポール中銀の元銀行員でBTCOTCデスクを運営するAaron氏がBTCの優位性を分析し、「スーパーコラテラル(担保金)になっていく。」「銀行が担保金としてビットコインを受け入れるのは時間の問題」などと指摘した。
仮想通貨市場に影響を及ぼす「重要ファンダ」一覧表|ビットコイン、リップルなど【3/7更新】
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)など、仮想通貨市場に影響を与え得る重要ファンダ一覧はこちら。あらかじめイベントをチェックしておくことで、トレードの投資判断に役立てることができる。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/12 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH1万ドル到達の可能性やBNBの過去最高値更新など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、BNB、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
IG証券のビットコインETF「IBIT」CFD取引の始め方|税制・手数料・リスクを徹底解説
IG証券のビットコインETF「IBIT」CFD取引を徹底解説。申告分離課税適用で税率20.315%の可能性、24時間365日取引、レバレッジ5倍など特徴を詳しく紹介。口座開設から注文方法、手数料、ファンディングコスト、リスク管理まで初心者にもわかりやすく説明します。
11:30
高値圏での日柄調整が続く可能性、半減期サイクルの節目に警戒感|bitbankアナリスト寄稿
BTC円は1900万円トライに失敗し1860万円台で推移。米政府閉鎖による指標発表延期で方向感欠く展開が続く中、10月18日に半減期サイクルの重要な節目を迎える。過去のサイクルを意識した売り圧力とETF資金流入の綱引きに注目。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ関税によるBTC暴落に高い関心
今週はメタプラネットの仮想通貨ビットコインの含み益、休眠クジラの6000億円BTC移動やトランプ関税などによるビットコイン急落、Binance JapanとPayPayの提携に関する記事が関心を集めた。
10/11 土曜日
14:30
13:20
ビットコインの年間の実現純利益が継続的上昇、今後の動向は=CryptoQuant
CryptoQuantが週間レポートで仮想通貨ビットコインの利確の動きは低調であるとして今後も上昇継続の可能性を予想した。一方、市場はトランプ関税発言で急落したところだ。
12:00
ケニア最大級のスラム街でビットコインが広がる理由|Afribit創業者インタビュー
ケニアの貧困地域で広がるビットコイン活用。なぜ使われ、どんな課題があるのか。現地取材による5つの質問と回答で、仮想通貨の実態をわかりやすく紹介。
10:45
「トランプ・ショック」でアルト市場に異常値 ATOMが一時0.001ドルまで暴落
トランプ大統領の対中関税警告で一部アルトコインがバイナンスなどで異常急落。ATOMは0.001ドルまで暴落しSUIは85%下落。過去24時間の清算総額は約3兆円に達した。
10:00
ノーベル平和賞めぐる情報漏洩か、ノルウェー当局が米賭けサイトのトレーダーに関する調査=報道
ノルウェー当局が2025年ノーベル平和賞の結果についてポリマーケットでの情報漏洩を調査している。受賞者マチャド氏は仮想通貨ビットコインの支持者として知られている。
09:45
米賭けサイト「カルシ」、3億ドル調達で評価額50億ドルに 140カ国展開へ
米予測市場カルシが3億ドルの資金調達を完了し評価額50億ドルに到達。セコイアやアンドリーセン・ホロウィッツが参加し事業を140カ国に拡大する計画を発表した。
08:10
世界大手銀行10行、G7通貨のステーブルコイン発行を共同検討
バンカメやゴールドマン・サックスなど世界大手銀行10行がG7通貨連動ステーブルコイン発行の共同検討を開始とBNPパリバが発表した。
07:30
32億円相当の仮想通貨を盗難か Hyperliquidのユーザーが被害者に
Peckshieldは、Hyperliquidのユーザーが32億円相当の仮想通貨を盗難されたことを報告。原因は秘密鍵の漏洩であると分析している。
07:00
キャナリー、XRPとソラナETFの申請を更新も長引く政府閉鎖が影響
米キャナリー・キャピタルがXRPとソラナETFの登録届出書を更新し手数料を0.50%に設定。SEC承認に向け前進するも政府閉鎖で承認プロセスが不透明な状況にとどまる。
06:30
モルガン・スタンレー、仮想通貨ファンドの顧客制限を撤廃=報道
モルガン・スタンレーが仮想通貨ファンドへのアクセス制限を撤廃し全顧客が投資可能にとCNBCが報道。10月15日から退職金口座を含むあらゆる口座で利用可能になる。
06:13
バイナンス創設者CZ氏への恩赦検討が進展 ホワイトハウス内で協議=報道
バイナンス創設者CZ氏への恩赦に関するホワイトハウス内の協議が進展していると報道された。トランプ大統領は恩赦に前向きだが体裁を懸念する声も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧