はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

規制の影響受け、仮想通貨取引所2社が閉鎖 ビットコイン取引量南米1位のブラジルで

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

税制が小規模の取引所に打撃

南米一のビットコイン取引量とトレーダー数を誇るブラジルで、政府が発効した仮想通貨取引に係る規制施行の影響を受け、二つの取引所が閉鎖の窮地に追い込まれた。

新しい税務ルールにより取引量が減少する一方で、コンプライアンス費用が増大し、取引所経営を圧迫したと、閉鎖するAcesso Bitcoin取引所のPedro Nunes共同設立者は述べた。 現在同取引所は、取引所が保管している仮想通貨や法定通貨レアルを引き出すよう、ユーザーにアドバイスしている。

 

また、閉鎖が決定したもう一つの取引所、Latoexも新しい税務要件を満たすことが困難なため、資産を売却し、ユーザーへ資金を返却する手続きを進めているという。

ブラジルの暫定的な仮想通貨規制

ブラジルでは、三つの仮想通貨関連法案が国会に提出されてはいるものの、包括的な仮想通貨規制は存在していない。 その代わりに、仮想通貨規制の役割を果たしているのは、ブラジルの国税庁にあたる連邦歳入局(RFB)が管轄となる税制であり、2016年から仮想通貨は金融資産とみなされ「その他の資産」として所得税申告が個人にも義務付けられている。

特定の月に売却された仮想通貨の合計額が35000リアル(約89万4000円)を超えた場合、そこから生じた資産売却益に対し、所得税を払う義務が生じるという。(税率は15%から22.5%)

取引所の経営を直撃したのは、月間30000レアル(約76万6000円)を超える仮想通貨取引を行う企業や個人に対し、毎月の報告を義務付ける「規範命令1888/1889」だ。 昨年5月に制定され、8月1日に発効となったこの税務規制は、取引所に対しては、さらに厳しいルールを課すものとなっており、取引所は、その取引高に関わらず毎月全ての取引を報告する義務がある。

また、毎月の報告義務に加え、取引所には毎年、RFBに顧客の取引に関する次のような報告を行う義務も課せられている。

1.所有する仮想通貨額(ブラジルレアル建)

2.所有する各仮想通貨の量

3.所有する各仮想通貨のコスト(ブラジルレアル建)

個人、企業そして取引所が上記の義務を怠った場合、例えば、全く報告をしなかった場合には、報告が遅延した月ごとに100から1500レアルの罰金が科され、報告が不完全であったり、誤りがあった場合には、取引額の1.5%から3%の罰金が科せられるという。

銀行による取引所口座の閉鎖

ブラジルの取引所の苦難は、税制による影響だけではない。ブラジルの大手商業銀行Banco Bradescoは、現地の仮想通貨取引所が開設した銀行口座を閉鎖する構えを見せている。

ブラジルの経済防衛評議会(CADE)は、昨年12月に、銀行が仮想通貨取引所へ対するサービス提供を拒否することは、独占禁止法には当たず、違法ではないという声明を発表。 取引所における顧客確認の遵守が不十分でマネーロンダリングのリスクがあることをその理由として挙げているが、Banco Bradescoも同様の主張により、取引所口座停止の判断の裏付けとしているようだ。

ブラジルの暗号通貨・ブロックチェーン協会(ABCB)は、このような銀行側の対応を強く非難し、6つの銀行を提訴していた。

ブラジルの取引所と銀行の抗争が続く一方で、米リップル社は昨年6月、サンパウロに新たな支社を設立、前出のBradesco銀行をはじめ、大手Santander銀行などにもRippleNetの提供を通して、積極的に提携を進めているようだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/24 水曜日
17:57
2025年の調整局面 過去サイクルの「仮想通貨の冬」との違いは?
2025年後半、仮想通貨市場は調整局面を迎えている。しかし過去2度の「冬」とは決定的に異なることがある。トランプ政権の支援、ETF普及、規制整備が同時進行。従来の4年サイクルが崩れる可能性も。2026年の市場展望を専門家の見解とともに解説する。
16:51
ガーナで仮想通貨取引が合法化、2024年取引高は4700億円規模
アフリカのガーナ議会が仮想資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する仮想通貨取引を正式に合法化。中央銀行がライセンス発行・監督を担当し、2024年の取引高は4,700億円規模。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みを解説。
14:17
ビットコインとイーサリアムに資金集中 仮想通貨市場は年末調整局面へ=Wintermute分析
大手マーケットメーカーWintermuteの分析によると、仮想通貨市場ではビットコインとイーサリアムへの資金集中が加速。機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインから主要通貨へローテーションを開始している。
13:25
取引所クリプトドットコム、スポーツ予測市場でトレーダー募集 利益相反の懸念も
仮想通貨取引所クリプトドットコムがスポーツ予測市場のトレーダーを募集している。流動性提供を担当する職務内容だが、利益相反に当たるとの議論も浮上している。
10:20
ブラックロック、ビットコインETFを「今年の3つの投資テーマ」に選出
最大手資産運用会社ブラックロックが、仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」を2025年の上位3つの投資テーマに選出した。米国債などと並ぶ投資先として位置づけている。
09:46
コインベースがベース経由でSOL入出金に対応
コインベース取引所が23日、ベースネットワーク経由でのSOL入出金機能を開始。チェーンリンクとの協力により、外部ブリッジを使わずソラナとベース間の直接送金が可能に。ただし日本を含む一部地域では利用制限あり。
09:45
IMF「エルサルバドルのBTCプロジェクトに関する議論は継続中」
IMFは、エルサルバドルに関する職員の報告を公開。報告は40カ月間の中期融資制度のレビューに関する内容で、同国の仮想通貨ビットコインのプロジェクトにも言及している。
08:30
米Amplify ETFs、ステーブルコインとトークン化特化の新ETFを上場
米Amplify ETFsがステーブルコイン技術とトークン化技術に投資する2つの新ETFを発表した。ステーブルコイン市場は2030年に3兆7000億ドル、トークン化資産は3兆6000億ドルへの成長が見込まれている。
07:20
ロシア中銀、適格投資家以外の仮想通貨購入の認可を政府に提案
ロシア中銀は、仮想通貨規制のコンセプトを考案して政府に対して法改正の提案を行ったと発表。提案の内容や今後の計画を説明している。
06:55
ソラナ特化型ウペクシ社、シェルフ登録で柔軟な資金調達体制を構築
米上場のソラナ特化型企業ウペクシが米SECにシェルフ登録届出書を提出し、未使用のエクイティラインを解約する計画を発表した。資本調達の効率性向上とコスト削減を目指す動きとなる。
06:20
ビットコイン、金・銀と乖離し上昇に遅れ 大口売り圧力が要因に
仮想通貨ビットコインは金や銀と異なり最高値から30%下落したまま推移。8月以降ナスダックとの相関が乖離し、大口プレイヤーからの売り圧力が上昇を阻んでいると分析された。
05:35
米アリゾナ州、仮想通貨免税法案を提出
米国アリゾナ州で仮想通貨を州税から免除する法案が提出された。連邦レベルでは200ドル未満のステーブルコイン取引を非課税とする超党派法案の草案が発表された。
12/23 火曜日
18:30
CircleのStableFXとは?外国為替をステーブルコインで効率化する戦略を読み解く
1日1,400兆円超のFX市場に、Circle社がステーブルコインで挑む。StableFXの仕組み・強み・日本円ステーブルコインJPYC採択の背景まで、戦略を読み解きます。
18:16
ビットコイン、インフレ調整後の購買力ベースでは10万ドル突破せず=Galaxy分析
ギャラクシー・デジタルの研究者がインフレ調整後、ビットコインは「真の10万ドル」に未達と指摘。しかし日本の投資家は円安効果により米国投資家を大きく上回る実質リターンを獲得。円キャリートレードの典型例を分析。
18:00
edgeX(エッジエックス)とは?エアドロップ情報・使い方を解説
edgeX(エッジエックス)は累計取引高5,900億ドル超の永久先物DEX。独自トークンの発行やエアドロップも予定されています。本記事では特徴や使い方、流動性提供の方法、手数料・リスクまでわかりやすく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧