はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨Steemを巡り敵対的ハードフォークが計画か 通貨分裂の可能性も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

敵対的ハードフォークを計画

Steemコミュニティが新たに敵対的ハードフォークを計画していることが報じられた。SteemコミュニティはTRONの創業者であるJustin Sun氏がSteemを大量に保有したことを端緒とし、その非中央集権的な仕組みが損なわれる懸念から、チェーンの主導権を巡って対立している。

Blocktradesの設立者で、Steemの委任者の一人でもあるDan Notestein氏が、ハードフォークの計画を分散型メディアプラットフォームのSteemit上で発表し、一部のコミュニティ側から賛同する声が相次いでいる。

Steemitは広告がなく、広告主の影響力を排したメディアプラットフォームであることを特徴としており、記事を投稿すると、投稿者はSteemを報酬として受け取ることができる。

また、読者も記事を評価するといった形でエコシステムに関わることでインセンティブが得られる。似たような仕組みを持つプロジェクトとしては日本ではALISなどが有名だ。

Steem自体はDPoS(Delegated Proof of Stake)というコンセンサスアルゴリズムを採用しており、基本的にはPoSと同じで、通貨を多く保有している人が、コミュニティの方向性を決める投票で影響力を持つ。

DPoSではさらに、Steemの保有者は委任者(Witnessesと呼ばれる)を選出することで、委任者がノードを運用、ブロックを生成する。これによって、少数の信頼できる人によって短い時間でブロックが生成されるという、安定性と実用性を兼ね備えた仕組みを目指している。

Steemのこれまでの経緯とは

この非中央集権的な性質を持つSteemitの開発企業をJustin Sun氏が買収、会社が開発資金として保有していた大量のSteemを手に入れ、Steemコミュニティに対し影響力を持ったことで今回の問題が勃発した。

この資産はコミュニティでの投票などに使われないことがSteemitによりプロジェクトのロードマップなどで宣言されていた。

しかし、新たにJustin Sun氏が保有したことでその宣言が守られるかが不明となり、コミュニティ側はJustin氏が手に入れた資産を投票に使われないことを確実とするためソフトフォークを行なった。

これに対し、justin側は取引所のバイナンス、HuobiGlobal、Poloniexと協力、取引所が顧客から預かっていたと思われるSteemを投票に使用し、委任者(Witness)をバイナンスとJustin Sun氏の認める代表者に置き換える措置をとり、チェーンの実質的な乗っ取りを行なった。

これによってSteemの非中央集権的な性質が損なわれたことになり、DPoSの仕組み自体にも懸念が及ぶことになった。なお、すでにバイナンスなどはこの行動が間違いであったと謝罪・対応を発表し、中立的な立場を守るとしている。

そして今回、Notestein氏は新しいチェーン「Hive」へSteemを移行する計画を発表したのがこれまでの経緯となる。

Notestein氏はSteemの価値の根源はコミュニティにあるとし、ハードフォークが行われれば現行のSteemの価値はなくなるだろうとしている。同氏も委任者であるため、大量のSteemを保有しているが、徐々に手放していく考えを示した。

以下に簡単な経緯をまとめた。

  1. トロン財団(Justin氏)がSteemit社を買収したことで、Steemを大量に入手
  2. Justin氏の保有するSteemが投票に使用されないようにするため、ソフトフォークが実施される
  3. Justin氏側はバイナンスら取引所とともにSteemブロックチェーンを実質的に掌握
  4. コミュニティ側(Blocktrades)は敵対的ハードフォークを計画

ハードフォークで何が起こるのか

ハードフォークとは、仮想通貨がブロックチェーンのアップデートにより、互換性のない二つの仮想通貨に分岐することを指す。ソフトフォークは分岐後も二つの仮想通貨に互換性がある場合を指す。

コミュニティ総意のもと行われたハードフォークでは、分岐した内の片方は放棄され実質的に消滅するが、コミュニティの意見が対立した場合には、しばしば敵対的ハードフォークとなり、二つの通貨がそれぞれ支持されたまま並存することになる。

このハードフォークによってSteemitが保有するSteemトークンのみ、新しいチェーン「Hive」へ引き継がれないよう計画されており、その他のSteem保有者は新しいチェーン上で保有量に応じた通貨を与えられる見込みだ。

また、これまでのSteemit上の記事(ブロックチェーン上に記録)も引き継がれるという。また、Steemit以外のSteem上のdAppsは、いくつかのプロジェクトはハードフォーク後、事態が落ち着いて、新しいチェーンの安定性が確認できたのちに移行する考えを示している。

敵対的なハードフォークでは、これまでビットコインなどでも例があるが、新しく生まれた側(今回はHive)が元の通貨の価値を上回ったことはほとんどない。

参考:Steemit

CoinPostの注目記事

大手ブロックチェーンSNS「Steemit」 トロン財団に事実上の売却
仮想通貨TRXのトロン財団とSteemit社が戦略的パートナシップを結んだ。これによりソーシャルメディア・プラットフォームSteemitはTronブロックチェーンに統合されることになる。
米下院、仮想通貨エアドロップ・ハードフォーク税制の明確化を国税庁に要求
米下院議員らは再びハードフォークに関する納税基準の明確化などを求める書簡をIRSに提出。 仮想通貨エコシステムが拡大しつつあるため、現行の基準は適しないと指摘。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/26 水曜日
16:30
MEXC、毎月の準備金監査を導入 Hackenを独立監査人に任命
暗号資産取引所MEXCがブロックチェーンセキュリティ企業Hackenを独立監査人に任命し、毎月の準備金監査を導入。初回報告は11月末に公開予定。マークルツリー方式による検証の仕組みも解説。
15:35
ロビンフッド、予測市場向けデリバティブ取引所を新設 2026年運営開始
ロビンフッドがサスケハナと提携し、CFTC認可の先物取引所を買収。予測市場事業を強化し、2026年の独自取引所運営を目指す。市場規模は2035年までに955億ドルに達する見込み。
14:50
日本の暗号資産規制、具体的な方向性は?──金融審議会WG
金融審議会WGが暗号資産規制の報告書案を取りまとめ。資金決済法から金商法へ移管し、インサイダー取引規制や課徴金制度を新設する。銀行子会社の参入も解禁。座長は「お墨付きを与えるものではない」と強調した。
14:12
仮想通貨企業のベンチャー投資、価格上昇でも活動は低調=レポート
仮想通貨金融大手ギャラクシーデジタルは、2025年第3四半期(Q3)の仮想通貨ベンチャーキャピタル(の現状について、市場心理は改善し活動も増加しているものの、以前の強気相場の水準には大きく及ばないと指摘した。
13:35
F・テンプルトン、ソラナETFの最終上場手続きを完了 まもなく取引開始へ
運用資産255兆円を誇るフランクリン・テンプルトンがソラナETFのForm 8-Aを提出。取引開始が目前に迫る中、既存のソラナETFは20日連続で純流入を記録し、累計858億円の資金が流入している。
13:10
米CFTC、民間企業CEOにイノベーション評議会への参加を呼びかけ 仮想通貨にも対処 
米CFTCのファム代理委員長が「CEOイノベーション・カウンシル」参加者の候補者推薦を呼びかけた。仮想通貨や予測市場の規制策定に向け、業界リーダーを募集している。
11:15
VanEck、BNB現物ETFのステーキング計画を撤回 方針転換に
VanEckが米SECに提出したBNB現物ETFの修正届出書で、当初予定していたステーキング機能を撤回。BNBの有価証券分類をめぐる規制リスクが背景にあるとみられる。
11:05
米上場のリライアンス社、デジタル資産トレジャリーをジーキャッシュ(ZEC)に一本化
ナスダック上場のリライアンス・グローバル・グループがデジタル資産トレジャリーを仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)に統合した。プライバシー機能を持つ仮想通貨への需要が高まる中、サイファーパンク・テクノロジーズも追加購入を発表している。
10:25
予測市場ポリマーケット、CFTC承認受け米国市場に正式復帰
予測市場大手ポリマーケットが米CFTCの承認を受け、3年ぶりに米国市場に正式復帰。2022年の罰金処分後、QCX買収とICEからの投資を経て、完全規制下での事業再開へ。
10:10
スタンダードチャータード銀行、21Sharesの仮想通貨カストディアンに選定
スタンダードチャータード銀行が21Sharesの仮想通貨カストディアンに選定された。機関投資家の需要に対応し安全な保管サービスを提供。様々な仮想通貨企業とも提携を進めている。
10:05
「仮想通貨交換業者の販売所誘導に懸念の声」金融庁の作業部会
金融庁は、仮想通貨制度に関する作業部会の報告書案を公開。報告書案には、仮想通貨交換業者の販売所誘導に対する懸念が指摘されているとも記載されている。
07:35
仮想通貨支持派のホワイトハウス経済顧問ハセット氏、次期FRB議長の最有力候補に浮上
ホワイトハウス国家経済会議のケビン・ハセット委員長が次期FRB議長の最有力候補として浮上。トランプ大統領の信頼が厚く金利引き下げ方針に賛同する人物で、デジタル資産市場作業部会で中心的役割を果たしコインベース株も保有。
06:58
米銀大手USバンコープ、ステラで独自ステーブルコインをテスト
米国第5位の銀行USバンコープがステラブロックチェーン上で独自のステーブルコインをテストしている。資産凍結機能などのセキュリティを評価し、バンク・オブ・アメリカやシティに続いてデジタル資産への取り組みを拡大。
06:40
メタプラネット、ビットコイン担保に約200億円を借入れ
メタプラネットは、約203億円の借入れを行ったことを発表。調達した資金は、ビットコインの追加取得やビットコインインカム事業、市場環境に応じては自己株式の取得に充当する予定だと説明した。
06:30
ビットワイズのドージコインETFも承認、水曜日にも取引開始見込み
ニューヨーク証券取引所がビットワイズのドージコインETFの上場を承認した。水曜日にも取引が開始される見込みで、グレースケールとREX-オスプレイに続く3番目のドージコインETFとなる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧