はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

新型コロナで仮想通貨企業の過半数が存続危機 政府に追加支援要請へ:スイス「クリプトバレー」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーン企業支援の基金設立を協議

新型コロナウィルスの感染拡大で、800社以上の仮想通貨及びブロックチェーン新興企業が集まるスイス・ツーク州の「クリプトバレー」が深刻な経済的打撃を受けている中、同州がスイス連邦政府と1億スイスフラン(約110億円)規模のファンド設立の協議に入っていることがわかった。地元紙SonntagsZeitungのインタビューを引用し、ブルームバーグが報道した。

ツーク州の財務局長Heinz Tännler氏が語ったところによると、このファンドは、地方自治体の拠出金と民間投資、並びに連邦政府の保証で構成されるという。なお、同氏は官民連携でスイスのブロックチェーン業界の競争力拡大促進に取り組む、スイス・ブロックチェーン連盟(SBF)の会長も務める。

倒産の危機に瀕する多数のスタートアップ

スイス政府は新興企業向けの緊急援助として、1億5400万フラン(約170億円)の信用保証を提供することを表明しているが、Tännler氏は、スタートアップの苦境を救うためには、この金額では十分ではないと述べている。

SBFが、3月31日から4月2日にかけてスタートアップを対象に実施した調査では、経済的苦境に陥った企業の深刻な現状が明らかになった。(203社が回答)

・88.2% 政府の援助なしにはコロナ危機を乗り越えられない
・79.8% 今後6ヶ月で倒産する可能性(80%以上の確率)が高い 
・56.9% すでに従業員を解雇
・90.7% 将来、従業員を解雇する必要がある

また、投資資金によって経営が成り立っているスタートアップ独特の経営環境も、事態を悪化させているようだ。政府支援による融資は企業の売上高と賃金に基づき決定されるため、申請しても受給できない企業が68.3%に上っている。

さらに資金調達ラウンドにあるスタートアップでは、コロナ危機により投資家が激減し、新しい資本を調達できないという悪循環に陥っているという。SBFは、コロナ危機によりスイスの新興企業が失う投資資金を10億フラン(約1100億円)と見積もっているが、厳格な審査に基づき、有望企業へ支給する相当額のイノベーション投資ファンド設立を求めている。

スタートアップ支援の重要性

一般的に、スタートアップが革新的な製品を生み出し、販売することで収入を得ることができるまでには3年から5年がかかると言われている。 それぞれのスタートアップが立たされている状況は、開発のどの段階にあるかによって異なるが、コロナ危機により、市場参入のチャンスも延期を余儀なくされていると、あるスタートアップ設立者は述べている。

そして、Tännler氏は、単なる「つなぎ融資」だけではスタートアップが財政的な窮地に陥ってしまうと警告している。

スタートアップからは、ツークバレーが「Death Valley=死の谷」となってしまうと恐れる声も聞かれているようだ。 一方、ドイツ政府はスタートアップのために20億ユーロ(約2327億円)の拠出を表明しているという。

スイスがどれほどの気概を持って、ブロックチェーン技術を支援していくのかが、今、試されている。

出典:Bloomberg

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
14:00
ステーブルコインとは|市場規模・取引量・主要銘柄と規制の行方
ステーブルコインとは、価格が安定するよう設計されたデジタル通貨。本記事では仕組み・種類(USDT/USDC/JPYC等)・市場規模・リスク・将来性・国内での買い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
13:50
フィリピン当局、未登録取引所への取り締まり強化 コインベースなどアクセス遮断
フィリピン規制当局が無登録の海外仮想通貨取引所50社へのインターネットアクセス遮断を命じた。コインベースやジェミニも対象になっている。
13:20
ST市場効率化目指す、SBI新生銀行ら6社が新たな決済実証を開始 預金のトークン化で
SBI証券、大和証券、SBI新生銀行ら6社がトークン化預金DCJPYを利用したセキュリティトークンのDVP決済の実証に関する協業を開始した。
13:00
イオレ、仮想通貨レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約開始
東証グロース上場のイオレが暗号資産レンディング「らくらくちょコイン」の事前予約を開始。年利8%〜、約1万円から利用可能。2026年1月下旬の正式リリースを予定し、事前登録者には4月まで13%の特別料率を適用する。
12:50
クシム、社名を「HODL 1」に変更 Web3・仮想通貨トレジャリー事業へ転換
東証スタンダード市場上場のクシムが社名を「HODL 1」に変更すると発表した。Web3・仮想通貨トレジャリー事業を中核とする企業へ転換。
12:25
国内衣料上場企業ANAP、15億円で109BTC追加購入
衣料品販売のANAPホールディングスが15億円で仮想通貨ビットコインを追加購入し、総保有量が1346BTCに達したと発表した。
11:37
中国環境省、環境管理にブロックチェーンなど先端技術を導入
中国生態環境部が12月25日、ブロックチェーン、AI、ビッグデータを環境管理に統合する方針を発表。全国炭素排出権取引市場ではデータ改ざん防止に既に活用。中国は仮想通貨を規制する一方、ブロックチェーン技術応用は国家レベルで積極推進。
10:36
パンテラ専門家の2026年仮想通貨12大予測 DAT企業統合や量子パニックなど
パンテラ・キャピタルのジェイ・ユー氏が2026年の仮想通貨業界12大予測を発表。AI技術の浸透、DAT企業の統合、トークン化ゴールドのRWA主役化、ステーブルコイン決済の拡大、量子コンピューターによるBTC懸念など、注目のトレンドを解説。
10:02
2025年仮想通貨デリバティブ市場レポート、取引高1300兆円突破=コイングラス
コイングラスが2025年の仮想通貨デリバティブ市場に関するレポートを公開。ETFやDAT企業などへの機関投資家による投資が加速したと分析している。
08:54
ビットコインの買い方をやさしく解説|初心者の不安を解消【図解】
ビットコインは500円から購入可能。スマホと本人確認書類があれば最短当日から取引開始できます。口座開設の手順、おすすめ取引所の比較、初心者が押さえるべき投資の心構えまで図解でわかりやすく解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧