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新興国で金融包摂 グーグルやゲイツ財団参加の「モジャループ」が始動

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融サービスの相互接続を目指す

金融包摂を目指した団体、モジャループ財団(Mojaloop Foundation)が正式に立ち上がった。グーグル、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ロックフェラー財団などが、初期スポンサーメンバーとして参加。

アフリカなど所得が低く銀行口座を開設できない人々が多い地域で、誰もが金融サービスを受けられる状況の実現を目指している。

特に、異なるシステム同士の相互運用性を実現することに重きを置いている。

世界銀行のグローバルインデックスによると、現在すでに100国近くでモバイルマネーサービスが出現しているが、いまだ17億人がデジタル金融サービスにアクセスできない状況だという。

「モジャ」とはスワヒリ語で「一つ」という意味で、「モジャループ」は「一つの輪」を意味している。

現在までは、モバイルマネーサービスが相互に接続されていない場合、他のシステムとやり取りする際に高額な手数料が発生するという課題があった。同じプロバイダーを使う携帯電話同士の通話は安くなっても、他の会社やシステムとの通信ではコストが高くなってしまう場合と同じである。

モジャループによる包括的な決済システムは、様々なデジタルウォレット、従来型銀行口座、ウエスタンユニオンなどの送金サービスとシームレスに接続することを目指す。

2016年のマッキンゼーの調査によれば、相互運用可能なデジタル金融サービスが実現すれば、金融ツールへのアクセスをより多くの人々に提供し、2025年までに新興国のGDPに3.7兆ドル(約395兆円)の増加をもたらすことができるという。

モジャループの仕組み

財団の公式ホームページによると、モジャループの基本的なコンセプトはデジタル金融サービスを相互につなぐことで、貧しい人々が低料金または無料で金融サービスにアクセスできるようにすることだ。包括的なシステムといっても、その地域のすべての決済管理を独占したり、新しいプレーヤーを締め出すようなシステムは望んでいないという。

図の中央にあるようにモジャループのシステムは、1つのデジタル金融サービスプロバイダー(DFSP)から別のDFSPに資金が流れるハブとして機能する。

モジャループ・ハブの中では、台帳、IDチェック、不正防止を行い、共通ルールを執行。
また、DFSPがこのシステムに接続するために実装するインターフェースや、システムの使用方法を示すサンプルコードも用意されている。

資金を送金する側と受け取る側、両方のプロバイダーでシステムの実装が可能になるよう、オープンソースとなっている。

モジャループのコードはGitHubに公開されており、ルーティングシステムの一部は、リップルによって開発されたInterledgerと呼ばれるテクノロジーを採用している。

金融包摂を目指すプロジェクト

近年、ブロックチェーンやステーブルコインで金融包摂を目指すプロジェクトが次々と始動している。

話題になったところではフェイスブックの主導するステーブルコイン「リブラ」も、まずは途上国で銀行口座へのアクセスを持たない人々の金融包摂を行うことを構想していた。ただ、リブラは各国政府機関などの批判を受け、複数通貨を裏付けとする『バスケット型リブラ』については計画を棚上げ、当面は法定通貨とペッグする『単一型リブラ』のモデルに変更する、と2020年4月に発表している。

また、米シリコンバレーで「セロ」プロジェクトが立ち上がった。スマートフォンから電話番号のみで簡単にお金をやり取りすることを可能にするサービスで、送金、人道支援、マイクロレンディングなどのユースケースを探求する。

こちらも、最初は新興国の人々を対象にするという。「セロ」にはTwitter社CEOのジャック・ドーシー氏も出資、また参加企業にはコインベース・ベンチャーズ、Polychain、ウォレットメーカーのLedger、仮想通貨カストディアン企業アンカレッジなど仮想通貨やブロックチェーン関連企業が多く集まった。

複数のプロジェクトが、新興国を中心とした金融包摂に向けて動き始めた段階であるが、これらはライバルとなるのか、ある部分で協働していくこともあるのか、今後の展開を見守りたい。

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