中国でみる法的分岐点
「暗号資産ビットコインはバーチャル商品(コモディティ)であるため、地方法律の管轄に当てはまらず、保護される対象に該当しない」と、中国福建省の裁判所が判断を下したことがわかった。
この判決は、「ビットコインクラブ」という投資スキームを巡る訴訟で下されたもの。
投資スキームが謳うほどの高い利益が得られず、投資資金も返済されていないという原告側の主張に対して、裁判官はビットコインはバーチャルコモディティに属するため、現行法の保護対象にならないと、棄却の判断をした。
今回の裁判所の判断は、ビットコインの法的性質に関する過去の裁判(別の管轄区)の判断と異なるもので、異例とも言える。これまでは、「ビットコインが一般財産、あるいはデジタル財産として法律に守られる」とされていた。
中国では一部の地方法律や管轄権に分岐点がある。また、ビットコインを含むデジタル資産の法的性質が統一されていないことも、中国国内で異なる影響した事例とみられる。
民事裁判として、投資家が投資したビットコインの返還は行われなかったが、「ビットコインクラブ」は刑事事件として、経営者が詐欺罪の疑いで警察当局に調査されている。
参考:中国メディア報道