デジタル人民元の実用
中国でテスト運用が開始されている中央銀行発行のデジタル通貨、デジタル人民元(DC/EP)について、東南部の蘇州市の公務員が給与の一部でデジタル元が支給されたことがわかった。地元紙「温州晩報」が報じた。
4月の報道では、デジタル人民元に対応するウォレットの整備・開発が完了し、翌月(5月)にも蘇州市の公務員が受け取る手当の一部(交通費手当)をデジタル元で支給する試運転を開始すると報じられたが、実際に給与が支払われる事例が報告されたこととなる。
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当時の報道によると、デジタル人民元のテスト運用対象地域にあたる「国家級新区(国家の重大発展と改革開放戦略の任務を受け持つ総合機能区)」の雄安新区では、マクドナルドやスターバックス、サブウェイなど19の小売企業の店舗でもデジタル元が用いられる。
店舗での利用テストに関しては、現時点で進捗等の続報はないものの、デジタル元運用の面で進捗がみられたことで、こうした様な決済分野での試運転結果の発表も徐々に開示される可能性がある。
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デジタル元の試運転に関しては中国人民銀行(中央銀行)が、まずは少額の小売トランザクションのテストが成功してから、段階的に規模の大きいトランザクションのテストに移すと公表。具体的なデジタル元の正式ローンチ日程目標には触れずに、幅広いリテール決済をカバーする仕組みを整える試運転の規模拡大を目指すステータスにある。
参考:温州晩報記載