はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「SEC訴訟でXRP市場参加者に計り知れない影響」米リップル社が20年Q4レポート公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リップル社、2020年Q4レポート公開

米リップル社は6日、2020年Q4(第4四半期)におけるXRPマーケットレポートを公開した。デリバティブ商品領域における急成長や米SEC(証券取引委員会)からの訴訟などを取り上げ、激動の一年を総括している。

レポート内では四半期(3ヶ月)毎にリップル社が公開する報告は「透明性を強調するために自発的に公開」している点を強調し、業界の健全性を向上するために模範を示すために行なっていると説明した。

米SEC訴訟について

20年12月22日に明らかとなった米SEC(証券取引委員会)のリップル社や企業関係者に対する提訴については、「SECの取り締まりは、米国内の不透明性を増長させたとして、XRPの市場参加者に計り知れない影響を与えた」とコメント。SECの発表は報道各社やアナリスト、業界関係者などからさまざまな憶測や誤情報が流れるきっかけとなったと批判した。

一方、訴訟が発表された後も約90%に相当する米国外の市場参加者はXRP関連の事業を継続している点を強調し、「米国が国際的に遅れをとっている状況を物語っている」と指摘している。

訴訟の影響

リップル社の調査によると、SECの提訴を受け33の市場参加者がXRPに対する何らかの制限を表明。大半は完全な上場廃止ではなく一部活動を制限するものだという。

一例として、米国のコインベースでは1月中旬よりXRPの取引が一時停止されているが、XRPウォレットへの入出金はまだ可能である点を挙げた。

さらに制限をとった取引所は米国または欧州地域が大半で、米国市民を顧客と対象とする取引所が多かったと説明した。アジア太平洋地域では、香港の機関投資家向けの取引所「OSL取引所」のみがXRPの取引などを停止している。

リップル社に限らず、一般市場において150億ドル(1.5兆円)にあたるXRPの価値が損なわれたとする推定結果を明かした。XRPの総取引量の約12%に影響が及んだと試算した。

訴訟の経緯

昨年12月、米SECは未登録の有価証券を販売したとして、リップル社とBrad Garlinghouse CEOと共同設立者のChris Larsen氏を相手方に訴訟した。リップル社が「XRPを広範囲で配布するために、XRPを労働力やマーケットメイキングサービスなど、現金でない報酬に交換していた」と指摘した。

リップル社は、発表から1週間後「訴訟に関する声明」を公開。提訴により本来はSECが「SECが保護するべき対象である市場コミュニティに大きな損害を与えた」として、訴訟が米国における暗号資産(仮想通貨)業界のイノベーションを阻害するとして、全面的に争う姿勢を示した。

関連:SECに提訴されたリップル社が「市場参加者」について新たな声明、2〜3週間以内に反論提出の意向示す

その後リップル社は21年1月29日、正式な反論文書(イニシャルレスポンス)を裁判所に提出。XRPが有価証券には該当せず、「価値の保存手段」、「価値の交換手段」、「価値の尺度」という通貨の機能を持っていることを裏付けているなどと主張した。

関連:リップル社、米SECの提訴に対する反論文書を提出

また25日に、米情報自由法(FOIA)に基づき、SECがどのようにイーサリアムが有価証券に該当しないか決断した要因などの明確化を求める文書をSEC側に提出していたことを明かした。

その上で、今回の訴訟を受け、米国内の仮想通貨規制に対する不透明性が混乱へ発展し、リップル社と関係の無い一般投資家にまで影響を及ぼしたと非難した。

今後の予定としてはSEC側とリップル社が2月15日までの書簡(Joint Letter)提出が予定されており、2月22日には裁判の前段階となる初の審理前会議が予定されている。

  • 原告および被告の事実および法的根拠を含む事件の簡単な説明
  • 考えられる動議
  • 和解への見通し

Q4の総括

Ripple社はQ4(20年10月〜12月)の総括として、ビットコインが過去最高値を3年ぶりに更新、仮想通貨の需要が大きく向上したと振り返った。

XRPの売却においては、Q4は7627万ドル(約80億円)を記録し、第3四半期の3584万ドル(約38億円)から倍増した。その反面、CryptoCompareの統計によれば、Q4の売却額はXRPの総取引量の0.05%に相当し、前四半期には同数値は0.1%だった。

またXRP日間取引量もQ4は平均で16.1億ドル(約1700億円)を記録。第3四半期の日間取引量の平均額だった4億ドル(426億円)から約4倍も増加した。

仮想通貨XRP(リップル)の取引量は11月中旬頃に急増しており、出来高が全四半期から大幅に増加した要因として、リップル社は12月12日に行われたFlareのSparkトークン(FLR)のスナップショットを挙げた。

一方でQ4は、XRPのボラティリティ(価格変動率)も9.6%と大きく上昇し、ビットコイン(BTC)やイーサリアムの価格変動率(BTC:5.8%、ETH:7.2%)をそれぞれ超えていた。XRPの第3四半期と第2四半期におけるボラティリティは3%台だったと為、Q4の乱高下が垣間見える。

大きな導入事例

また仮想通貨XRP(リップル)が機関投資家向けに導入された事例として以下の例を挙げた。

南アジアにおいて最大級の銀行DBSはで12月、機関投資家や適格投資家にデジタルアセットへの投資を可能とする仮想通貨取引所のローンチを発表。シンガポールドル、香港ドル、日本円、米ドルの法定通貨に対応するほか、BTC、ETH、BCH、XRPの4つの仮想通貨銘柄の取り扱いを表明していた。

また同月、英スタンダードチャータード銀行も大手資産運用会社のノーザントラストと機関投資家向けの仮想通貨カストディソリューション「Zodia」を発表。英FCA(金融行動監視機構)の認可を得た後、BTC、ETH、XRP、LTC、BCHの5名柄を対象にサービス提供を開始する方針を明らかにしていた。

リップル社は、年間で見て2020年は飛躍した年でもあったと振り返っている。ODLでは、2020年全体では前年比の12倍の成長と15の新規顧客が見られたことなどがその理由だ。

さらにXRPレジャーとInterledgerプロトコルの総利用者数は、1200万ユーザーを超えたという。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
18:00
JPYC株式会社、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
JPYC株式会社が、2026年2月27日に東京都内で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など「通貨の進化と社会実装」をテーマに、産官学のリーダーが議論を行う。
17:48
仮想通貨のインサイダー規制導入、市場成熟へ IEO投資上限も提案|金融審議会
2025年12月10日公表の最新の金融審議会報告書で暗号資産(仮想通貨)が金商法の規制対象になることが明記された。IEO投資上限のほか、コード監査義務化、インサイダー取引規制など投資家保護を抜本強化する。交換業者への影響と今後の展望を詳解
17:11
シルクロード関連ウォレット、10年ぶりに突如活動 4.7億円相当のビットコイン送金
10年以上休眠していたシルクロード関連の仮想通貨ウォレット約312個が突如活動を再開し、約4.7億円相当のビットコインを送金。今年は5月にも大規模な移動が確認されている。米政府は押収資産を戦略準備金として保有する方針を示すも、売却疑惑も浮上。
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧