暗号資産市場の分析ツール
エコシステムの発展と拡大により、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン産業の全体像を把握することはますます難しくなっている。
資産運用大手のフィデリティ・インベストメンツは29日、デジタル資産のデータ分析ツール「SherlockSM(シャーロック)」を発表した。機関投資家向けのサービスとなっており、デジタル資産市場における直感的かつ包括的な分析ツールだとしている。
Blockchain Capital LLC.のシニアアソシエイト、Kinjal Shah氏はリリースで「今日の暗号資産市場を調査する上での主な課題は、無数とあるリソースから情報をまとめ上げることだ」と語った。
シャーロックは、この急速なペースの市場で重要となるタイムリーで包括的なデータへのアクセスを提供しており、より効率よくリサーチを行うことが可能になる。ーKinjal Shah氏
プレスリリースによると、シャーロックはデジタル資産のネットワークの活動や開発状況、取引やソーシャルメディア上での活動、ニュースといったデータに加え、デジタル資産に関する独自の分析を含めたリサーチを提供する。
シャーロックを開発したフィデリティ応用技術センター(FCAT)の製品管理担当バイスプレジデントであるKevinVora氏は、シャーロックが「ロバストで洞察に満ちたデータと非常に直感的なツール」を提供し、「顧客がデータに基づいたデジタル資産への投資を可能にする」とした。
フィデリティは3月、ビットコインのETF(上場投資信託)の目論見書をSECに提出した。大手金融機関によるビットコインETFの申請として注目されている。
また、子会社のFidelity Digital Assetsはビットコインを含めた暗号資産のカストディサービスを提供するなど、デジタル資産分野への進出に積極的だ。