仮想通貨投資の研究チームを解散
カナダ最大の年金基金CPPインベストメンツは、暗号資産(仮想通貨)への投資を検討する取り組みを終了していた。ロイター通信が8日、関係筋の情報として報じた。
CPPインベストメンツの新興投資動向を調査する部門である「アルファ・ジェネレーション・ラボ」が、2021年初めに3人のチームを結成。将来的にエクスポージャー(資産の一部が価格変動の影響を受けること)を取ることも念頭に置きながら、仮想通貨やブロックチェーンを調査していた。
しかし、同社は今年このチームを解散した。情報筋の1人は、今年7月の時点ではまだ投資機会を評価していたと述べたが、2番目の情報筋は、それよりも早くに作業を終了したと述べており、いつ調査が終わったのかは不明確だ。
CPPインベストメンツは、仮想通貨投資検討を終了した理由を明かしていないが、今年に仮想通貨市場で起きた債務不履行の連鎖が影響を与えた可能性もある。なお、CPPインベストメンツは、これまで仮想通貨への直接投資は行っていないとコメントしている。
CPPインベストメンツのJohn Graham CEOは6月時点で、仮想通貨投資について以下のように述べていた。
これらの資産の本質的な価値が何であるかを見極めてから、ポートフォリオを構築したい。そのため当社は仮想通貨について調べ、理解しようとしているが、まだ投資はしていない。
CPPインベストメンツは、カナダで約2,000万人の年金顧客を擁しており、約53兆円(5,290億カナダドル)の資産を管理している。
痛手を被った年金基金
カナダの年金基金の一部は、今年の旧テラエコシステム崩壊やFTX破綻による悪影響から痛手を被った。
カナダのオンタリオ州教員年金基金は、FTXの株式を購入していたことで約130億円を損失計上している。傘下のTeachers’ Venture Growth(TVG)から、FTXに130億円規模の出資を行っていたが、FTXが経営破綻したことで、関連の株式評価額をゼロにする減損処理を強いられる形だ。
純資産総額に占める投資規模の大きさなどを考慮すれば、基金に与える影響は「限定的」だとしつつ「すべての損失を真剣に受け止め、この経験を活かしていく」と説明している。
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また、カナダの大手年金基金CDPQは、セルシウスネットワーク破綻の影響を被った。8月に、セルシウスへ出資した約200億円が回収困難であると判断している。
セルシウスネットワークは今年7月、FTXは11月に米国でチャプターイレブンにより破産申請した。
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米国での議論
米国では、投資大手フィデリティが4月に401k口座で、確定拠出年金口座の一部をビットコイン(BTC)購入に充てる新プランを発表。このことに米労働省が懸念を表明し、議論を呼んでいる。
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