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スクウェア・エニックス「ブロックチェーン技術の応用」に高い関心|大手メーカーのdAppsゲーム参入が実現した場合、仮想通貨業界にも追い風

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スクウェア・エニックス、「ブロックチェーン技術の応用」に高い関心
国内最大手ゲームメーカーがブロックチェーンに高い関心を示していることがわかった。ブロックチェーンゲーム参入が実現すれば、dApps領域と親和性の高い通貨に巨大な実需が生まれるため、日本の仮想通貨市場にとって大きな追い風となるだろう。
dAppsとは

Decentralized Applications(分散型アプリケーション)の略。 従来のアプリケーションをオープンソースの「ブロックチェーンベース」で構築していく仕組みのことで、イーサリアムブロックチェーンを用いるdAppsゲームが、投資家の人気を集めている。

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スクウェア・エニックス、「ブロックチェーン技術の応用」に高い関心

国民的RPGのドラゴンクエストやファイナルファンタジーシリーズでおなじみ、最大手ゲームメーカーの「スクウェア・エニックス」が、ブロックチェーンに高い関心を示していることがわかった。

スクエニの松田洋祐社長は投資家向けの年頭所感で、「2018年は、新しいテクノロジーがいよいよ本格的にビジネス実践段階に向けて着実に進んでいる」として上で、【技術普及と応用、新サービス創出への可能性】の題目の中で、次のように述べた。

ブロックチェーン技術も、一時の仮想通貨バブルから落ち着き、仮想通貨のみならず様々な分野に展開をみせている。

ゲーム分野においても、ブロックチェーン技術を用いたゲームや、ゲームプラットフォームサービス等の興味深い動きが出てきており、私たちも、今後のデジタルコンテンツ分野におけるブロックチェーン技術の応用に非常に関心をもっている。

2018年以降は、仮想通貨ビットコインやイーサリアムの価格推移を含め、市場全体は大きく低迷したものの、一方でブロックチェーン(dApps)ゲーム領域では、新しい投資先としても市場規模が急拡大しつつある。

ブロックチェーンを利用したブロックチェーンゲームには、イーサリアムブロックチェーンのスケーラビティ問題など様々な課題があり、ゲーム性やUI/UXでは、ソニーのプレイステーション4や任天堂Switchなどの家庭用機で販売されているゲームやスマートフォンでプレイできるソーシャルゲームには遠く及ばないものの、黎明期ならではの「シンプルイズベスト」な奥深さや、ブロックチェーンゲームならではの「コレクティブル要素」が受け、発展してゆくゲーム史を業界とともに歩んできたファミコン・スーパーファミコン世代を中心に好評を博している。

ブロックチェーンゲームの特徴として、ゲーム内で入手した高性能なキャラクターや武器・防具などの装備品、レアカードなどのゲーム内アイテムを「ERC-721トークン」化することで、自己所有資産「デジタルアセット」としてゲーム外に持ち出し可能なほか、システム的にゲーム専用通貨などでも売買できる仕様のため、トレードによって利益を生み出すこともできるのも、ゲーム好きの投資家にとって大きな魅力だ。

新たな投資先、ブロックチェーンゲーム

ブロックチェーンゲームの代表例としては2017年末、「CryptoKitties」が、イーサリアムブロックチェーンを使用したdAppsで世界的人気を博し、その後、最も希少価値の高いレアアイテムが、オークションで約1,500万円で取引されるなどして大きな反響を呼んだ。

仮想通貨投資を促すデジタルの招き猫:世界最大ブロックチェーンゲーム「クリプトキティーズ」
2017年11月にリリースされ、瞬く間にNo.1ブロックチェーンゲームの座に昇り詰めた「クリプト・キティーズ」は、イーサリアムブロックチェーン上で電子猫を売買したり、収集して遊ぶクリプト・コレクタブル・ゲームです。今回、CoinPostでメイン開発者の一人であるBenny Giang氏にインタビューを行うことができました。

また、現在ETHブロックチェーンゲームNo.1の国産dAppsである「マイクリプトヒーローズ」の開発会社double jump.tokyoが、上場企業のDLEやgumiと資本・業務提携を行ったほか、年末年始からテレビCMを打ち出すなど一般認知度も広げ始めており、ETHベースのDAUで全アプリの中で世界一を達成。プレセール及びクラウドセールで限定販売した上級アセットが10倍以上に高騰するなど人気化している。

さらに、海外カードゲーム「Gods Unchained」は、米大手仮想通貨取引所関連の「米Coinbase Ventures」などが出資しており、オークションでは、最高レアリティ「ミシック(mythic)」のカードに、140ETH(当時の時価700万円相当)が入札されるなど、早くも過熱しつつある。

実際に、外部プラットフォーム「OpenSea」などで一部レアカードが高値で頻繁に売買されるなど、BTCFXにおけるショートポジション(空売り)以外の選択肢で仮想通貨投資の利益を出すことが難しい市況が長引く中、ブロックチェーンゲームは”新たな投資先”として投資家の関心を集めていると言えるだろう。

スクエニが関心を示すことの意義

今回、日本を代表するゲームメーカーである「スクウェア・エニックス」の社長が、ブロックチェーン技術等に高い関心を示していることを公表したことは、他の大手ゲームメーカーにも刺激を与えることは必至で、大きな意義を持つことになると思われる。

ガラケー時代のブラウザゲームで栄華を極めた「グリー・DeNA」の時代から、2012年以降に市場規模を急拡大させたソシャゲ業界であるが、AppStoreなどのプラットフォームでも、国内外の大手メーカーの競合が急増したことにより、飽和状態でパイを奪い合う形で煮詰まってきているからだ。

開発費も初期の頃の数倍以上に高騰しており、ゲームメーカーの決算など業績に直結するため、栄枯盛衰で生き残りをかけたメーカー同士による、熾烈を極める競争原理が働く中、VR・AR技術等を含めた新しいコンテンツ探しに躍起になっている現状がある。

そのような状況にある中、仮に今後、ドラクエのモンスターなどが、新しいテクノロジーを使用した「ブロックチェーンゲーム」としてリリースされた場合、ブロックチェーン(dApps)領域の研究・開発スピードや市場規模が劇的に進化・発展する可能性も考えられるため、現時点では関心を示していることを公表したのみであるものの、今後の展開には目が離せない。

スクエニのような大手メーカーからdAppsゲーム市場での成功事例が生まれた場合、スマートフォンでiPhone4が流行った時期にいち早く研究・開発に着手し、ソシャゲ領域を席巻した「モンスターストライク」のミクシィや「パズドラ」のガンホー、「黒猫・白猫」のコロプラなどフットワークの軽いメーカーを始め、かつて一斉を風靡したカードゲーム「遊戯王」などの有力IPを持つコナミ、「グランブルーファンタジー」や「シャドウバース」で有名なCygamesなどの大手が追従する可能性もあり得る。

この先、ブロックチェーンゲーム市場に大手ゲームメーカーが参入するようなことがあれば、イーサリアムやトロンなどdApps領域と親和性の高い通貨に巨大な実需が生まれることになるため、日本の仮想通貨市場にとっても大きな追い風となるだろう。

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