- 米CFTC、新会長が就任
- 米CFTCに7月15日より新たな会長が就任する。「クリプトダッド」とも称された仮想通貨肯定派の前会長の姿勢を引き継ぐのか、ブロックチェーンや仮想通貨に対するスタンスに業界の注目が集まっている。
米CFTC、新会長が就任
米CFTCは今月から新たな会長を迎え入れる。新CFTC会長に任命されたHeath Tarbert氏(以下、Tarbert氏)は、米国時間7月15日より任期をスタートする。
仮想通貨業界に対する前向きな姿勢で知られる前会長Giancarlo氏(仮想通貨の父(Crypto Dad)とも称さている)が任期を満了したことで、後任のTarbert氏の方針にコミュニティや市場からの注目が集まっている。
新会長への影響で注目されるのは、以下の2点
- 新会長の仮想通貨へのスタンス
- 会長引き継ぎタイミングに伴い一時的に停止が強いられていた企業関連の認可(先物などを含め)
Tarbert氏は、米大統領トランプ氏の指名によって、2017年4月から財務次官補(国際市場担当)を務めていた人物だ。
2018年には世界銀行グループの理事会で米国のエグゼクティブディレクターを務め、世界的な制度改革を交渉。また財務省の任期中に、金融安定理事会など、金融市場規制分野における主要な国際機関で米国代表として活躍した経験を持つ。国際金融規制に非常に精通した人物であることが伺える。
なお前会長Giancarlo氏の任期は2019年4月に失効しているが、移行期間の7月中旬までは当局の新指導者を監督することとなっている。
仮想通貨への見解は
業界から注目されるTarbert氏の仮想通貨に対するスタンスは、本人による言及はまだないものの、これまでのCFTCの姿勢を引き継ぐ形であることが予想されている。これまでCFTCは、イノベーションを阻害しない適切な規制が必要であるとする見解を示してきた。
また、Giancarlo氏が任期満了に伴う会長交代に関して、「私の任期期間中の最優先事項は、CFTCを今日のデジタル市場にふさわしい、21世紀の規制機関に変革することだった。Tarbert博士が承認されたことでその変革の歩みをCFTCが継続して行くことは安泰となったと確信している。」と発言(声明)していることも、方針継続を裏付ける理由にある。
仮想通貨に対して寛容な姿勢を示すのはGiancarlo氏のみではなく、CFTCが抱える計3人のコミッショナーにも否定派を押し出す人物は少ない。トランプ氏による任命を受けた人物Dan Berkovitz氏もその一人であり、過去に海外仮想通貨メディアBLOCKTVのインタビューで次のように発言している。
CFTCはイノベーション賛成派だ。仮想通貨やブロックチェーンに対して否定的な姿勢は取っていない。
我々は、新たな技術を阻めようとしているのではなく、不正を行う犯罪者を捕らえようとしている。
しかし、トランプ米大統領は先日、自身のツイッターで仮想通貨に対して厳しい見解を示している。新会長を迎えるタイミングでもある7月に、規制当局のスタンスが問われる。