- リブラのホワイトペーパーに既視感
- 金融のイノベーションを学ぶ学生から、フェイスブック主導の仮想通貨リブラのホワイトペーパーに既視感を覚えるという声があがっている。昨年発表されたデジタルコインとリブラに複数の類似点が見つかった。
リブラと共通点が多いデジタルコイン
金融のイノベーションを学ぶ学生から、フェイスブックが主導する仮想通貨リブラのホワイトペーパー(事業計画書)に既視感を覚えるという声があがっている。
その既視感の正体として、世界最古の科学機関『The Royal Society』が昨年の7月18日に発表したデジタルトレードコイン(DTC)があるという。DTCも分散型台帳上の通貨であり、昨年発表されたレポートでは、「資産に裏付けられた通貨について200年以上研究を重ねてきた」と書かれており、この点が法定通貨など複数資産のバスケットで価値の裏付けがされているリブラと類似しているとした。
他の類似点として挙げられるのは、決済大手のVisaやMastercardなどの企業から支援されることを予定する、リブラの運営や管理を担うリブラ協会の存在だ。DTCにもスポンサーのようなグループを設けるという考えがあり、DTCを支えるグループも既存の資産を提供してコインを購入するなど、その役割にも類似点が見られたと指摘した。
そして、自国内や国家間での決済を効率化する目的や、銀行を持たない人々のためにエコシステムを構築するという狙いも類似している。
DTCのレポートを作成したマサチューセッツ工科大学(MIT)の専門機関に所属するAlex Lipton氏は、仮想通貨メディアCoinDeskに対し、「不快感はないが、リブラの構造はDTCに非常に似ている」と説明。DTCのレポートは無料で読めるように公表されている点には補足したという。
一方で相違点も確認されている。まず中央銀行に対する認識だ。フェイスブックは中央銀行の役割を担うことを明確に否定しているが、DTCのレポートでは、中央銀行が発行する通貨に対し、DTCの優位点を明示している。また、DTCの裏付け資産に石油や穀物などの資産が含まれている点もリブラとの相違点だ。
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— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2019年7月18日
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