はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ゲンスラーSEC委員長、リップル裁判の判決に初コメント

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

満足と落胆

米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は17日、米ヤフー・ファイナンスの独占インタビューで、暗号資産(仮想通貨)XRPの証券性に対する判決に対して、一部には「満足」だが、同時に「落胆(失望)」も感じていると述べた。

米地裁(ニューヨーク南部地方裁判所)のアナリサ・トーレス判事は13日、リップル社による機関投資家へのXRPの販売方法は米国証券法に違反しているが、仮想通貨取引所を介した一般投資家への販売は、証券の販売にあたらないという判決を下した。

リップル社に対するSECの訴訟は約2年半に及んだが、この判決で一つの区切りを迎えた形となった。

この判決を受け、米大手取引所コインベースやクラーケンが即座にXRPの再上場を決定。仮想通貨業界にとっての「勝利(大きな前進)」と受け止められ、XRPの価格は一時前日比2倍以上に急騰した。

関連:「仮想通貨XRP自体は有価証券ではない」米地裁、裁判で判決下す

ゲンスラー氏は、機関投資家に販売されたトークンが証券であるという判決の部分には「満足しているが、個人投資家に関する解釈にはがっかりした」と述べ、「この決定に関しては、(控訴の可能性を含め)精査・検討中だ」と付け加えた。委員長は同日に行われたナショナル・プレス・クラブのイベントでも、同様のコメントをした。

他の訴訟への影響

ニューヨーク地裁の判断が、現在進行中の他の訴訟の前例となる可能性はあるかとの質問に対し、ゲンスラー氏は直接の回答は避け、次のように述べた。

これらの仮想通貨プラットフォームでは、顧客を相手にした取引や、我々の資本市場の他のどの部分でも許可しないような幾つものサービスをひとまとめにしたようなサービスを混在させている。

また、市場では規制に対する混乱が生じているが、仮想通貨に特化した新たなルールの作成について考え直す可能性はあるのかとの質問に対して、ゲンスラー氏は「判決から日が浅く、SECが結論を急ぐには時期尚早である」としながらも、現在すでに明確な規制があるとこれまでの主張を繰り返しつつ、検討はしていくと述べた。

さらに、共和党の下院金融サービス委員会による新たな規制の枠組みづくり、中でもトークンの「分散化テスト」に対する意見を求められると、ゲンスラー氏は、議員に直接回答すると答えるに留めた。

一方、分散化については、仮想通貨業界も、金融は中央集権化する傾向があるという金融経済学からの影響を免れることはできず、実際、多くのトークンが中央集権的なグループによって運営されるなど「中央集権的」であるとの考えを示した。

AIがもたらすリスク

ゲンスラー氏は、人工知能(AI)がもたらすリスクについても発言。金融市場向けに、大手テクノロジー企業が開発を独占した場合、AIが世界経済を不安定化させる可能性があると警告した。

AIは、一つのベースモデルやデータ収集プログラムから同じシグナルを得ているため、個々の当事者が同様の意思決定を行う集合体の形成を助長する可能性があり、金融の脆弱性を高める恐れも考えられる。また、グローバルな金融システムに内在するネットワークの相互接続性を悪化させる可能性もある。

ゲンスラー氏は、金融安定性に関するAIの課題の多くは、規制介入に関する新たな考え方を必要とすると主張。リスク管理ガイダンスの更新が必要であり、現在の形では十分ではないと述べた。

もし取引プラットフォームのAIシステムが、プラットフォームとその顧客の両方の利益を考慮するならば、「利益相反につながる可能性がある」と同氏は指摘している。具体的な例として、仲介業者が投資家の利益よりも、己の利益を優先させるためにAIを最適化する可能性について言及。そのような事態に対処する最善の方法について、検討するための規制案を提案するよう、SEC職員に要請したという。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。
10:15
FTX、債権者に7300億円規模の二回目返済開始へ
破綻した仮想通貨取引所FTXが5月30日から二回目の返済を開始する。米ドルで総額50億ドル規模が分配される予定だ。一部の債権者がこの資金で仮想通貨を買い戻す可能性も指摘される。
10:00
CoinMarketCap、独自ローンチパッド「CMC Launch」をリリース
仮想通貨取引所バイナンス傘下のCoinMarketCapが、ローンチパッドCMC Launchをリリースした。最初のプロジェクトに採用された永久先物のDEXのAsterがエアドロップを行う予定。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧