
資金調達を通じたビットコイン戦略の強化
米ナスダック上場の医療技術・ソフトウェア企業セムラー・サイエンティフィック(Semler Scientific)が4月16日、米証券取引委員会(SEC)に最大5億ドルの証券発行枠を申請した。
これらの資金用途は、ビットコイン(BTC)購入を含むがこれに限定されない、一般的な企業目的に充てられる見込みだ。
セムラーは2024年5月、継続保有する主要な財務準備資産としてビットコイン財務戦略を採用。この戦略は、運転資本要件を超える営業キャッシュフローをビットコイン取得に充て、市場状況に応じて株式や債券発行などの資金調達を行うものだ。セムラーの本業は慢性疾患の評価と治療をサポートする医療技術製品・サービスの開発・販売。
セムラーは2024年下半期に株式発行プログラムを開始し、2025年1月には転換社債を発行。これらの資本市場取引による収益はビットコインの追加取得に充てられている。2025年1月23日、同社は2030年満期の転換社債(シニア・ノート)により7,500万ドルを調達する計画を発表。1月24日には、オファリングを8,500万ドルに増額して価格を決定した。
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セムラ―社のBTC購入状況
2024年5月に初めて581BTCを取得したセムラ―社は、12月4日時点で1,873BTCを保有していた。2025年1月13日には237BTCを追加取得。2025年3月31日時点で、同社は総額2億8,040万ドル(平均購入価格8万7,854ドル/BTC)で3,192BTCを保有している。現在のビットコイン価格(約1,192万円)で換算すると、評価額は約380億円に達している。
同社はビットコインを長期保有資産と位置づけ、蓄積を継続する方針だ。「当社はビットコインを信頼性の高い価値の貯蔵手段であり、魅力的な投資対象と捉えている」と説明する。
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