
インフレ抑制の新たな提案
仮想通貨調査機関Galaxy Researchは18日、ソラナ(SOL)の将来的なトークン発行曲線を決定するための新たな「市場主導型」投票アプローチを提案した。「Multiple Election Stake-Weight Aggregation(MESA)」と名付けられたこの提案は、3月に失敗に終わったソラナのインフレーション問題調整の試みを受けて発表されたもので、より柔軟な合意形成プロセスの確立を目指している。
MESAの核心は、バリデーターが従来の賛成・反対・棄権という単純な選択ではなく、複数の選択肢から異なるレベルのデフレ率に対する支持を示す仕組みだ。投票結果が必要条件を満たした場合、異なるタイプの「賛成」票に紐づけられた様々なレートの加重平均に基づいて最終的な結果が決定される。Galaxy Researchは「コミュニティが個別の提案に満足するまで闇雲に試みるより、各参加者が望むものを単純に尋ね、その総意に落ち着くほうが効率的」と説明している。
この新提案は、記録的な投票率にもかかわらず意見の二極化により否決された「SIMD-228」への対応策と見られる。SIMD-228はステーキング参加率に基づいてトークン発行を調整する動的なデフレモデルを導入する内容だった。Galaxy Researchによれば、二者択一の投票システムではSOLのインフレ率と安全性の過剰支払いを一定レベルで削減すべきというコミュニティの総意を適切に反映できなかったという。
SIMD-228と異なり、MESAは時間の経過とともに調整される既存の緩やかなディスインフレ曲線を維持し、毎エポックごとに予定された年間削減率を適用する方針だ。ソラナコンパスのデータによると、ソラナは現在8%の初期インフレ率を設定し、毎年15%ずつ削減して最終的に1.5%の目標率を目指している。現在のインフレ率は4.6%で、総供給量の約65%がステーキングされている状況だ。
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