
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(7/19 AM8時)
今週の仮想通貨市場は、米下院で開催された「仮想通貨週間」において、ビットコインが史上最高値となる12万ドルを超える展開となった。これは、当初予定されていた3法案、ジーニアス法案(ステーブルコイン規制)、クリアリティー法案(仮想通貨規制の明確化)、および反CBDC監視法案がいずれも可決されたことによるものである。加えて、米規制当局による銀行の仮想通貨保有に関する規制緩和、ホワイトハウスによる仮想通貨少額決済の非課税方針の表明、さらには年金基金への仮想通貨投資解禁に向けた準備が進められているとの報道(FT)など、相次ぐ政策的前進が市場を押し上げる要因となった。

出典:
アルトコイン市場においても大幅な上昇が見られた。とりわけ、ジーニアス法案の可決・成立により、ステーブルコイン発行体がEVM互換チェーンの活用を加速させるとの観測が強まり、多くのEVM互換型通貨が急伸した。また、クリアリティー法案と反CBDC監視法案の成立を受け、訴訟リスクの低下およびCBDCの代替手段としての機能が期待されるXRP、カルダノ(ADA)、ステラルーメン(XLM)なども大きく値を上げた。
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7月18〜19日相場状況
現物市場の成行注文状況を見ると、法案成立を受けた「事実確定売り」とみられる下落が観測され、現物を中心とした断続的な売りが続いた(下画像赤枠)。

一方で、オプション市場の動向は対照的である。現値より高いの14万ドルにおいて建玉の増加が見られ最大建玉となっており、さらにPCR(プット・コールレシオ)は大きく低下している(下画像黄矢印)。このことから、多くの市場参加者が短中期的に強気の姿勢を維持していることが読み取れる。

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現状分析(7/19日 AM8時)
今回の「仮想通貨週間」は、当初の予想を上回る成果をもって終了した。この結果、今後の仮想通貨市場においては、強気のムードが一層強まることが予想される。特に、トランプ政権が仮想通貨政策に対して強いコミットメントを示した点は注目に値する。これにより、米連邦政府および各州における準備金制度の法案推進にも弾みがつくことが見込まれる。
仮想通貨の制度整備が進むことで、ビットコインおよび主要アルトコインは、これまで以上にグローバル資産としての地位を強めていくことになると予測される。
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