
2つの蓄積ゾーンを突破
ブロックチェーン分析企業Glassnodeは16日、ビットコイン(BTC)の市場分析レポート発表。 オンチェーン指標と過去のデータから、価格はさらに上昇する可能性があり、13万ドル(約1,930万円)が次の重要な抵抗線となると予測した。
ビットコインは10万〜11万ドルのレンジに数週間停滞後、上昇の勢いを取り戻し、14日に12万2,838ドルで史上最高値を更新した。
CBD(Cost Basis Distribution)ヒートマップによると、9万3,000~9万7,000ドルと10万4,000ドルから11万ドルで大量の買いが発生(蓄積ゾーンの形成)。これは市場の大きな動きを示しており、その次に強い上昇モメンタムが続く傾向があるとレポートは指摘した。実際、ビットコインは両ゾーンを突破し、過去最高値に達した。なお、これらのゾーンは価格下落時に、強力なサポートとして機能する可能性が高いという。

価格発見のフェーズに突入
レポートによると、現在、ビットコインは新たな「価格発見」の局面に突入しており、市場の95%以上のコインが含み益状態にある。これは長期平均の88%よりも高い水準であり、95%を超える急激な上昇は、多くの保有者による利確を促進する。
2025年5月初旬以降、ビットコインはこの閾値を3回上回ったが、これは市場が「過熱した状態」にあることを示している。このような過熱ゾーンに突入すると、売り圧が強まり、市場の天井形成につながる傾向がある。
特に短期保有者は価格変動に迅速に反応する傾向があるため、需要が枯渇する早期の兆候を見つける鍵となるという。
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今後の見通し
ビットコイン価格は史上最高値に達した後、11万5,900ドルまで下落したが、これは売り圧の高まりと一致している。短期保有者のコストベース+1標準偏差である12万ドルを上回ったのちに、大量の売却が発生した。
この水準は歴史的に、投機筋の勢いが高まっている時期に自然な抵抗線として機能することが多いとレポートは指摘。このような市場の天井は、持続的な利確の波が複数回続いたのちに形成される傾向があるという。
現在は「第一波」が観測された段階であり、更なる上昇余地があるとGlassnodeは見ている。ビットコイン需要が底堅く、強気トレンドが継続した場合、次の重要なターゲットは短期保有者のコストベース+2標準偏差(約13.6万ドル)に近い13万ドル(約1,930万円)付近となると予測した。
ただし、市場の過熱感も指摘されているため、特に短期保有者の含み益率や実現損益率などの動向を注視して、短期的にはより慎重な対応が必要だと注意を促した。
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