はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム、クジラの大量売却が相次ぐ ETHの将来性と課題は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

クジラによるETH売却、再び

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のクジラ(大口保有者)が17日、3,000ETH(6.7億円相当)を売却した。大口投資家の売却が相次いで報告される中、フィデリティがイーサリアムの今後の展望を分析している。

このクジラは、ICO販売で76,000ETHを受け取っていた。休眠状態だったが、今回3年ぶりの活動を行った形だ。同日に、6,000ETHを新しいアドレスに送金したところで、残りの半分(3,000ETH)も売却するとみられている。

この投資家は、かつてイーサリアムがわずか0.3109ドルだった時に購入していた。

イーサリアムの大口投資家による売却は、この頃相次いで観測されているところだ。14日には、別のクジラがクラーケンに2万ETH(時価47億円相当)を送金している。

一方で、この局面でイーサリアムを購入する大口投資家も報告されている。lookonchainによると、949日間休眠状態だった2つのウォレットが18日に動き出し、1,237万ドルのDAIを使って、7,738ETH(時価17億円相当)を購入した。

関連:イーサリアムのクジラ投資家、取引所に47億円相当のETHを送金 再び売却か

仮想通貨マーケットメイカー大手Wintermute(ウィンターミュート)は先日、市場下落局面におけるビットコイン(BTC)の回復力が高まっており、イーサリアムの好材料がなければパフォーマンスで上回る状況は続くだろうと分析した。

材料の例としては、次期アップグレード「Pectra(ペクトラ)」実装やイーサリアム現物ETF(上場投資信託)のステーキング要素承認などを挙げている。

関連:ビットコイン、回復力向上でイーサリアムをアウトパフォーム|Wintermuteレポート分析

フィデリティがイーサリアムの今後を展望

イーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者は1月、長期的なイーサリアムのスケーリング(規模拡張)能力の可能性について論じた。

スケーリング技術「PeerDAS」によって、大規模データ転送を実現するデータパケット「BLOB(ブロブ)」の、容量が2~4倍に増加し、最終目標として1スロット(ブロックが生成される時間枠)あたり128 BLOBを達成すると予測している。

金融大手フィデリティのデジタル資産子会社「フィデリティ・デジタルアセッツ」は14日、これについて、トランザクションサイズを150バイトと仮定した場合、1日あたり86億トランザクションを処理できることになると分析した。

こうした展望は、すべてのイーサリアム投資家とユーザーにとって明るいものだと続けている。このシナリオでは、ユーザーに低料金のトランザクションを提供しつつ、ブロブ空間から年間3億3,000万ドルから33億ドル(約470~4,700億円)の手数料を生み出す可能性があると続けた。

ただし、イーサリアムのノードがこの量のデータを管理できるようになるには数年かかる可能性が高く、こうした道が開けるにはユーザーからの需要が長期にわたって指数関数的に増加する必要もあると述べる。少額の手数料を多くのユーザーが支払えば大きな数字になるとする格好だ。

さらに、イーサリアムは、ネットワークの健全性(セキュリティ)なども優先していると指摘した。イーサリアムは安全性や分散化にも力を入れてきており、これまでスケーラビリティの進歩がトレードオフになってきた面もあると論じる。

フィデリティによると、多くの他のL1チェーンは、トランザクション処理のスピードや低い手数料といった特定のストーリー(投資家による期待)に特化している。このことが収益向上などに寄与するものの、中央集権化やセキュリティといった問題が発生した場合の対応を遅らせる可能性もある。

一方で、取引スピードやコスト面ですぐれたブロックチェーンを好むユーザーも多く、ソラナ(SOL)やスイ(SUI)などの競合チェーンが、今後もユーザー数や価値を獲得していく可能性は高いとの見解を示した。

イーサリアムは、十分な時間があればスケーラビリティを向上させ、大規模な普及シナリオに対応できる可能性があるが、もし仮に、これを達成するのに時間がかかりすぎた場合、競合プロジェクトに遅れをとる可能性はあると分析している。

今後数年間で、イーサリアムの独自の強みと潜在的な逆風の両方について、動向に注意していく可能性があると結論した。

関連:Glassnodeが読み解く仮想通貨市場の構造変化 ビットコインとイーサリアムに広がる格差

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08:20
ビットコイン、年末サンタ・ラリーの可能性低下 FRB利下げ後=アナリスト分析
FRBが25ベーシスポイントの利下げを実施した後、ビットコインが約9万ドルまで下落した。アナリストは年末のサンタ・ラリーが起こりにくいと分析しており、強気の確信は2026年初頭に先送りされている。
07:35
ステート・ストリートとギャラクシー、トークン化キャッシュ運用ファンドをローンチへ
ステート・ストリートとギャラクシーは、トークン化したキャッシュ運用ファンドのローンチ計画を発表。まずは仮想通貨ソラナのブロックチェーンに対応し、将来的にはステラやイーサリアムなどにも拡大するとした。
06:55
米大手銀バンク・オブ・アメリカ、ビットコイン担保融資の準備進める=報道
資産規模1.7兆ドルのバンク・オブ・アメリカがビットコイン担保融資商品の準備を進めていると報じられた。主要米銀行による仮想通貨担保融資の提供は、仮想通貨と伝統金融の統合における重要な一歩となる。
06:15
英上場企業サツマ・テクノロジー、保有BTCの約半数を売却 社債返済目的で
英国のビットコイン関連技術企業サツマ・テクノロジーが11日、保有する1199BTCのうち579BTCを売却し、約4000万ポンドの純収入を得たと発表した。売却後も620BTCを保有し現金約9000万ポンドを確保している。
05:55
21シェアーズがXRP現物ETFを上場、「TOXR」で取引開始
スイスの資産運用会社21シェアーズが11日、XRP現物ETFを米CBOE取引所に上場した。コインベース、アンカレッジ・デジタル・バンク、ビットゴーがカストディアンを務める。
05:35
JPモルガンがソラナ上で初の債券発行を実施、77億円相当のコマーシャルペーパー
JPモルガン・チェースが11日、ギャラクシー・デジタル向けに5000万ドルのコマーシャルペーパーを初めてソラナブロックチェーン上で発行したと発表した。
12/11 木曜日
18:32
NYSE、サトシ・ナカモト像を設置 ウォール街の変化示す
ニューヨーク証券取引所がビットコイン創始者サトシ・ナカモトの像を設置。設置者のトゥエンティワン・キャピタルは約4万BTC保有で世界3位。伝統的金融が仮想通貨を受け入れる象徴的出来事に。
17:56
テザーとHoneyCoinが提携、アフリカでUSDT決済を拡大
テザーはHoneyCoinと戦略的提携を発表し、アフリカでのUSDT決済拡大を目指す。HoneyCoinはQRコードや専用端末に対応したPOSネットワークを導入し、加盟店が直接USDTを受け取れる仕組みを構築。まずケニアでサービスを開始し、他市場へ展開予定。現地通貨の変動リスクを避けたいユーザーの需要に応え、アフリカにおけるステーブルコイン普及を加速させる。
17:15
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始。販売所・取引所・つみたてに対応し、1万円購入で抽選1万円分のSOLが当たるキャンペーンも実施中。
16:47
ブータン都市GMC、金裏付けトークン「TER」発行へ ソラナ活用
ブータンの特別都市GMCが、金を裏付け資産とする国家支援型トークン「TER」をソラナ基盤で発行。DK Bankが販売・保管を担い、同国のデジタル経済戦略を加速させる取り組みとなる。
16:33
仮想通貨取引所ジェミニ、CFTC承認で予測市場参入へ
仮想通貨取引所ジェミニがCFTCから予測市場運営の承認を取得。関連会社ジェミニ・タイタンを通じて二者択一式イベント契約を提供する。カルシとポリマーケットが急成長する予測市場で、競争が激化している。
14:58
仮想通貨業界トップ、米CFTC新設諮問会議に参加へ
米CFTCが「CEOイノベーション評議会」を設立し、クラーケンやジェミナイなど仮想通貨業界トップが参加。デリバティブ市場の構造変化やトークン化について議論。仮想通貨担保のパイロットプログラムも開始。
14:06
レイヤーゼロ(ZRO)とは?スターゲートの使い方・バイバックの仕組みを解説
レイヤーゼロ(LayerZero)の仕組みやZROトークンのバイバック、スターゲートを使ったブリッジ方法を初心者向けに解説。Stargate買収の背景やリスクまでわかりやすく紹介します。
12:05
イーロンのスペースX、146億円相当のビットコイン移動 IPO関連か?
イーロン・マスク氏率いるスペースXが約146億円相当のビットコインを移動した。10月から毎週大規模な送金を継続しており、IPO計画との関連が注目されている。
11:49
トム・リー氏、「イーサリアムは既に底打ち」 先週690億円相当を購入
ビットマイン会長トム·リー氏が、イーサリアムは既に底入れしたと発言。同社は先週、約4億6,000万ドル相当のETHを購入し、10月以来最大規模の買い増しを実施。今後10~15年間、ビットコインよりもイーサリアムの将来性に期待を寄せている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧