
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-0.47%の1BTC=93,211ドルに。
過度な警戒感が後退し、市場心理改善につながった背景としては、FRB(米連邦準備制度)への政治的圧力を強めていたトランプ大統領がパウエル議長の解任は求めてないと弁明したほか、ウォール・ストリート・ジャーナルが「トランプ政権は中国に対する関税の大幅引き下げを検討している」と報じたこと、米国の12州が「トランプ政権の関税政策の発動は、米連邦議会承認を得ておらず違法だ」として訴訟を起こしたことなどが挙げられる。
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4月22日、米国のビットコイン現物ETFは単日で9億3,643万ドル(約1,400億円)という巨額の資金流入を記録した。

これは2024年1月のETF上場以来の最大級の単日流入額の一つであり、市場動向の大きな転換点を示している。
この資金流入は、4月初旬から半ばにかけての連続的な資金流出からの反転を示すものだ。4月8日から11日にかけては計約6億ドルの資金が流出していたが、4月15日以降に潮目が変わり、特に21日の3億8,140万ドルに続く22日の9億3,643万ドルという大型流入は、機関投資家のビットコイン投資姿勢が積極化していることを明確に示している。
この資金流入はビットコイン価格にも影響を与えており、4月22日のビットコイン価格は91,414.79ドルに達し、前週比で約3.2%上昇した。注目すべきは、この大型資金流入により、ビットコイン現物ETFの純資産総額が1,033億ドル(約15.5兆円)という節目を突破したことだ。
この数字は、機関投資家がビットコインを単なる投機資産ではなく、ポートフォリオの基幹資産として認識し始めていることを示唆している。今回の大型資金流入の背景には、機関投資家やソブリン・ウェルス・ファンドによるインフレヘッジとしてのビットコイン採用が進んでいることが挙げられ、仮想通貨市場の成熟度が新たな段階に入ったことを示している。
データによると、4月17日から22日にかけて合計約14億ドル(約2,100億円)の資金が流入。特に22日単日の9億3,643万ドルは、ビットコインETF史上でも屈指の大型資金流入となった。これは、4月初旬から中旬にかけて続いていた資金流出傾向からの明確な反転を示している。
同期間中にビットコイン価格は88,000ドル台から91,400ドル台へと約3.7%上昇している。ETF純資産総額が1,000億ドルを突破したことは、ビットコインが機関投資家の間で主流の資産クラスとして定着しつつあることを示す新たな指標となったと言えそうだ。
コインベース有識者の見解は
また、Coinbase Institutionalの戦略責任者であるジョン・ダゴスティーノ氏が、CNBCの番組「Squawk Box」のインタビューにて、ビットコイン市場における注目すべき所有構造の変化を指摘した。
Coinbase Institutionalは、機関投資家向けに特化したサービスを提供するコインベース内の専門部署であり、機関投資家が暗号資産市場に参入する際の支援を行っている。
ジョン・ダゴスティーノ氏は、相場急変を招いたトランプ関税ショックのリスクオフ局面について分析。「個人投資家がビットコインETF(上場投資信託)や現物市場から撤退する一方、各国の政府系ファンドや機関投資家が積極的に参入しているという動きが顕著になっている」と指摘した。
ダゴスティーノ氏によると、ビットコインは「希少性、不変性、非主権資産のポータビリティ」という金(ゴールド)に似た特性を持つ数少ない資産として、米ドルなどの通貨のインフレやマクロ経済の不確実性に対するヘッジ手段として機関投資家から評価されている。
この傾向を象徴するように、エルサルバドルやブータンなどの国々は国家レベルでビットコイン準備金を導入し、米国内でも複数の地方自治体や州が同様の政策を検討している。
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企業レベルでは、マイケル・セイラー率いるストラテジー社が先駆的なビットコイン財務モデルを確立し、日本国内でもメタプラネットやリミックスポイントなど多くの企業がこれに追随している。セイラー氏によれば、同社の株式は現在1万3000以上の機関投資家が直接保有し、約5500万人が間接的なエクスポージャーを持っているとのことである。
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規制環境においても、前任のゲイリー・ゲンスラー氏とは対照的にビットコイン支持者として知られるポール・アトキンス氏のSEC委員長就任は、「合理的で一貫性があり、原則に基づいた」デジタル資産規制の確立を約束するものとして業界から歓迎されている。
こうした動向は、ビットコインが機関投資家や政府にも認められる本格的な金融資産へと進化しつつあることを示している。
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