
休暇中の急騰はどう違ったのか?
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)が米国のイースター週末に87,000ドルを超える急騰を見せたことについて、シンガポールの仮想通貨取引会社QCPキャピタルが新たな分析ノートを発表した。同社は4月22日に公開したノートで、この上昇が単なる祝日相場以上の意味を持つ可能性があると指摘している。
QCPの分析によれば、先週の米国上場ビットコイン現物ETFへの資金純流入額で1,340万ドルとなり、前週の7億800万ドルの流出から劇的な反転を示した。この資金流入は米国のイースター休暇中のビットコイン価格の急騰と時期を同じくしている。最大の恩恵を受けたのはブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)で、1億8,650万ドルの資金を集めた。これにビットワイズのBITBが2,380万ドルで続いた。
「仮想通貨市場は流動性の低い週末の上昇には慣れているが、今回は異なっていた」とQCPのアナリストは指摘。「ビットコインは関税政策に関するトランプ大統領の『解放の日』発言によって引き起こされた最近の売り圧力の大部分を取り戻し、この動きは昨年12月のサンタラリーの停滞と鮮明な対照をなしている」と分析している。
注目すべきは、金価格が過去最高値を更新する一方で株式市場が後退したことで、金融市場全体でリスク回避センチメントが強まっている点だ。QCPはこの状況について、「ビットコインの安全資産または対インフレヘッジとしての特性が再び注目を集めているのでは」と述べ、「この動きが持続すれば、機関投資家のビットコイン配分に新たな追い風となる可能性がある」と予測している。
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一方、QCPは楽観論を示しつつも、持続的な強気トレンドを確認するには88,800ドルの抵抗線を突破する必要があると警告し「この重要なレベルを上回るまでは、確固たる結論を導き出すことに慎重な姿勢を維持する」と述べている。ビットコイン、金、株式市場の相関関係が短期的な注目されるポイントとなりそうだ。
なお、ビットコインは深夜88,000ドルを突破したものの、その後反落し一時87,000ドルを下回っていた。現在87,111ドルで取引されている。
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