
ロシア富裕層の御用達に
ロシア中央銀行と財務省が「高度な適格投資家」向け仮想通貨取引所を開設すると、現地報道機関インターファクスが23日に報じた。アントン・シルアノフ財務相は「これにより仮想通貨資産が合法化され、取引が表舞台に出ることになる。もちろん国内全体ではなく、実験的法的制度の下で許可された取引の一環として行われる」と述べた。
この動きはプーチン大統領の指示を受けたもので、富裕層による仮想通貨投資を実験的に3年間認める法案が政府に提出された経緯がある。同国の財務省は仮想通貨取引を「影から出す」ことで透明性を高める狙いがあると説明している。
取引所の利用対象には一般投資家は含まれず、適格投資家の資格は「証券や預金への投資額が1億ルーブル(約1.7億円)を超える個人、または前年の収入が5,000万ルーブルを超える個人」のみに付与される見込み。また、現行法の下で適格とみなされる企業についても、この実験への参加が提案されている。ロシア中央銀行は金融機関がリスクを適切に管理できるよう追加規則を定める予定だ。
なお、ロイター通信は3月、ロシアの石油会社が米国の経済制裁を回避するために、中国やインドとの石油取引をビットコインやイーサリアムを使用して行っていると報じた。「脱・米ドル」が進む中、このような状況下での仮想通貨取引所開設は、ロシアの国際決済における新たな選択肢として注目されている。
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