
イーサリアムの現物ETFの市況
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の現物ETFにおけるAUM(運用資産残高)は、減少基調にある。
「SoSoValue」のデータによれば、米国のイーサリアム現物ETFのAUMは17日時点(18日は休場)で、およそ53億ドル(約7,420億円)。資金フローは8週連続で純流出が続いている。

出典:SoSoValue
以下の画像はSoSoValueと数字に少し違いはあるが、「The Block」が公開しているチャート。このチャートは、イーサリアムの現物ETFにおけるAUMの推移を示しており、17日時点で過去最低水準まで減少してきていることがわかる。
資金流出の要因
商品を個別に見ると、資金の流出が目立つのはグレースケール社の「ETHE」。最近の仮想通貨相場やイーサリアム価格の低迷も影響している可能性はあるが、現物ETFへの変換が許可される前から取引されていたETHEは他の現物ETFと比べると手数料が2.5%と割高であるため、現在も資金の移動が行われていると見られる。
なお、以下の画像はThe Blockが提供している、ビットコイン現物ETFにおけるAUMの推移データ。ピーク時よりは減少しているが、イーサリアム現物ETFのように過去最低水準までは減少していない。
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また、今後について、他のアルトコインの現物ETFが承認されてローンチされていけば、投資家の資金が分散されていく可能性が指摘されている。
米国ではXRPやソラナなどの現物ETFが申請されており、商品の多様化がイーサリアムETFからの資金流出を招きうるという。
一方、イーサリアムがこれからアップグレードなどを通して、現物価格が上昇していけば、AUMが増加基調に転じる可能性もある。また、イーサリアムについては、ステーキングETFの審査にも注目が集まっている。
ステーキングETFが承認されれば、ETFの運用資金をステーキングできるため、その報酬が投資家に分配されるメリットが生まれる。
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