
再び延期
米国証券取引委員会(SEC)は15日、グレースケール・イーサリアム・トラストETFのイーサリアムステーキング許可申請と、ウィズダムツリーのビットコインETF、バンエックのビットコインETFおよびイーサリアムETF向けの現物による設定・償還申請に関する審査期間を延長すると発表した。新たな決定期限は2025年6月1日および6月3日に設定された。
今回延期された最初の決定は、グレースケールが運用する2つのイーサリアム関連ETFに関するものだ。2月14日、ニューヨーク証券取引所傘下のデリバティブ取引所アーカは、両トラストが保有するイーサリアムのステーキングを許可する規則変更を申請した。SECは当初4月17日までに決定を下す予定だったが、15日に提出された文書によると6月1日まで延期された。
さらにCboe BZX取引所は、バンエックのビットコインETFとイーサリアムETF、およびウィズダムツリーのビットコインETFに対して「現物による設定・償還」を許可する規則変更を申請していた。現物による設定・償還とは、投資家が現金ではなく原資産(この場合はBTCやETH)を使用して、投信の株式を設定または償還するプロセスを指す。SECはこれらの申請についても審査期間を6月3日まで延長することを決定した。
今回の延長はSECが仮想通貨規制の包括的な枠組みを検討するために設置した特別タスクフォースが、長期的かつ総合的なデジタル資産規制の実装方法を模索している最中の判断だ。同タスクフォースは業界向けの合理的なガイドラインと政策の策定を加速させる目的で結成され、これまでに多数の業界関係者と面会して提言を収集してきた。また、バイデン前政権下で仮想通貨企業に対して行われた多くの執行措置を撤回している。
関連:トランプ関税が招く人民元安、ヘイズ氏が「ビットコインの起爆剤に」と予測
関連:Glassnodeが読み解く仮想通貨市場の構造変化 ビットコインとイーサリアムに広がる格差