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史上最大フラッシュクラッシュ後の仮想通貨市場、トランプ大統領の発言受け乱高下続く

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-1.14%の1BTC=114,130ドルに。

BTC/USD週足

週明けにかけて、10日に発生した過去最大級のフラッシュクラッシュから大幅に回復しつつある。

ドナルド・トランプ米大統領が10月10日に発表した中国製品への100%関税措置は、市場の意表を突くネガティブサプライズとなり、仮想通貨市場に過去最大級のロスカット(強制清算)をもたらした。

関連:ビットコイン200万円幅急落、トランプ関税発言でロスカット3兆円と史上最大規模に|仮想NISHI

この突然の政策発表を受けて投資家のパニック売りが連鎖的に広がり、わずか24時間でレバレッジをかけた仮想通貨ポジション190億ドル以上が強制的に解消される事態となった。Coinglassのデータによれば、160万人を超えるトレーダーが清算の対象となった。

coinglass

この暴落局面ではビットコインの急落に伴い、-50%以上暴落したアルトコイン銘柄も相次いだ。ロスカット(強制清算)および入金や建玉決済を求める自動マージンコール(追い証)によって、売りが売りの連鎖を呼ぶ展開となったとみられる。

清算の多くはバイナンス、OKX、Bybitといった大手デリバティブ取引所で発生し、先物契約の強制決済によって流動性が急速に枯渇した。

下落率では2022年のFTX破綻ショックや2020年のコロナ・ショックには及ばないものの、デリバティブ市場の清算額としては過去最大規模となった。その背景には、仮想通貨の市場価格が当時よりも大幅に上昇していることに加え、永久先物市場が近年急成長したことが挙げられる。

一方、過剰なレバレッジポジションなど足元の需給が劇的に改善された。ビットコイン先物市場のOI(未決済建玉)は大幅減少し、レバレッジ水準は今年5月以来の低さにまで落ち込んだ。アナリストらは、9月からの上昇局面で積み上がっていた過剰なポジションを一掃する効果もあったと分析している。

10日の中国製品への100%関税発表後に市場が大混乱に陥った状況を受けて、13日未明Truth Socialに投稿された声明では、一転して融和的なトーンで語った。

これを受け、ビットコインは直近安値から12%近く回復し、114,000ドルを突破した。イーサリアムも4100ドル前後まで値を戻している。

この回復を支えたのは、ビットコインETFへの4億2000万ドルの資金流入だった。機関投資家による押し目買いと、広範な清算後の流動性回復を狙った自動マーケットメーカーの動きが価格の底打ちに貢献したとみられている。

ただし、中国によるレアアース輸出規制や米中貿易摩擦の激化など、マクロ経済は依然として不確実性の高い状況にあり、市場の緊張は完全には解けていない。ビットコインオプションのインプライド・ボラティリティは50%を超える高水準で推移し、先物スプレッドも縮小したままだ。

業界関係者の間では、連鎖的な破綻を防ぐための証拠金規制強化や清算メカニズムの透明化を求める声が上がっている。一方で、今回の出来事を市場の自己修正、つまり数カ月にわたって膨張し続けたレバレッジを解消するための必要なプロセスだったと評価する見方もある。

関連:IG証券のビットコインETF「IBIT」CFD取引の始め方|税制・手数料・リスクを徹底解説

Baseがトークン発行を検討

イーサリアムL2のBaseが、独自トークンの発行を検討していることが明らかになった。

Base創設者のジェシー・ポラック氏は、TheStreet Roundtableとのインタビューで、Baseが実験的なインフラから業界最大級のアプリケーションプラットフォームへと急速に進化していると述べた。

ポラック氏はBaseアプリの責任者も務めており、トークン発行は次の成長段階における重要な一手となる可能性を示唆している。

Baseは2023年に米最大手の仮想通貨取引所コインベースが立ち上げたレイヤー2ソリューションで、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決しながら、低コストで高速な取引環境を提供してきた。

すでに多くの分散型アプリケーションが展開されており、DeFiプロトコルやNFTマーケットプレイス、ソーシャルアプリなど幅広い用途で利用されている。独自トークンの発行は、エコシステムのガバナンスやインセンティブ設計をさらに強化し、開発者とユーザーのコミュニティをより深く結びつける狙いがあると見られる。

ポラック氏は、仮想通貨業界が明確な転換点を迎えていると指摘した。初期段階ではビットコインをはじめとする資産の取引と投機が中心だったが、現在は実際のビジネスアプリケーションの構築に重点が移っている。開発者たちは商取引、決済、取引、さらにはソーシャルメディアといった実社会の課題に対応するサービスを、ブロックチェーン上で展開し始めている。

「Baseは次の段階を可能にするオープンスタックである。イーサリアム上に構築されているが、本質的には人々が貢献するグローバル経済の基盤レイヤーだ」とポラック氏は説明した。

この発言は、Baseが単なる技術インフラではなく、新しい経済圏の土台として機能することを目指していることを示している。投機的な取引だけでなく、実際の経済活動を支えるプラットフォームへの進化が、業界全体のトレンドとして加速している。

Baseは戦略の一環として、初の消費者向け製品「Baseアプリ」を先日リリースした。

このアプリは、ユーザーがあらゆる新興アプリケーションにアクセスするための玄関口として設計されており、技術的な知識がない一般ユーザーでも簡単にオンチェーンサービスを利用できる環境を提供する。これまで仮想通貨の利用には一定の技術的ハードルがあったが、Baseアプリはそうした障壁を取り除き、より広範な層への普及を目指している。

業界全体が投機から実用へとシフトする中で、ユーザーエクスペリエンスの向上は最重要課題となっている。

Baseアプリは、複雑なウォレット管理やガス代の計算といった煩雑な作業を背後に隠し、直感的なインターフェースで各種サービスへのアクセスを可能にする。トークン発行と消費者向けアプリの組み合わせにより、Baseは技術者コミュニティだけでなく、一般消費者も巻き込んだエコシステムの拡大を図っている。

これが成功すれば、ブロックチェーンアプリケーションの大衆化における重要なマイルストーンとなるだろう。

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