無担保で借りることも可能に
レンディングプロトコルのAaveは新たな貸出サービスを発表、担保を預け入れなくても借入が可能な分散型金融の仕組みを構築した。
Aaveはイーサリアムベースのレンディングプロトコルで、Compoundなどと同様に仮想通貨を預けて金利収入を得たり、仮想通貨を借りることができる。
新たなサービスとなる信用委任(Credit Delegation(CD)では、Aaveに仮想通貨を預けている人は、自身の与信枠を他の人に委任することができる。
AaveのCEOであるStani Kulechov氏はツイッターでサービスを説明、それによると例えばAさんがテザー(USDT)をAaveに預け、与信枠をBさんに委任すると、Bさんはイーサリアム(ETH)などをAaveから引き出すことができる。
P2Pレンディングサービスは、個人対個人がお金を気軽に貸し借りできることで、人気を集めてきた。一方で課題となっているのが、借りた側の支払い延滞だ。
Aaveでは、信用の委任プロセスで、信用を貸す側と借りる側で利率や期限について契約を結ぶが、ここでOpenLawというサービスを使用し契約の強制力を持たせる仕組みを取り入れた。
Aaveと提携したこのOpenLawはイーサリアムの開発を行うConsenSysが支援しており、従来の契約プロセスをスマートコントラクトを利用してブロックチェーン上でよりセキュアかつ迅速に行うことを可能にするプロジェクトとなっている。
従来のDeFiレンディングプロトコルでは、ユーザーは借りる額以上の資産を預けることが必要だが、Aaveはその制約を取り払うことで、マーケットの流動性を向上させる可能性がある。
また、AaveのKulechov氏は、信用委任者にはDeFiファンド、借りる側には仮想通貨取引所やマーケットメイカー、政府や金融機関などもあり得るとしている。