CBDCの制度設計面を議論へ
日本銀行は、CBDC(中央銀行デジタル通貨)についての意見交換を目的としたフォーラムを開催すると発表した。オンラインでの開催を6月11日に予定し、6月4日まで傍聴希望者を募集している。
「決済の未来フォーラム デジタル通貨分科会:中央銀行デジタル通貨を支える技術」では、セキュリティ、ユニバーサルアクセス、情報技術の標準化という三つのテーマについて実務家を招き、意見交換を行う。
フォーラムの具体的なセッションは以下の通り。登壇者には、NECの金融システム本部、シニアエキスパートの宮川 晃一氏や、NTTドコモの金融ビジネス部、FinTech推進室長の江藤 俊弘氏らが予定されている。
- セッション1:CBDCに求められるセキュリティ
- セッション2:CBDCに求められるユニバーサルアクセス
- セッション3:デジタル通貨に関連する情報技術の標準化
傍聴に関しては「金融・決済サービスおよび関連するITサービスに関わる企業、研究機関等に所属されている方や学識経験者等」を対象としている。
日本銀行のデジタル通貨への取り組み
日銀は、昨年10月に「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」を発表した。
そして、今年4月からはCBDCの技術的な実現可能性を探る実証実験を開始している。日銀は実証実験と並行して「CBDCに関する制度設計面の検討も進めていく方針」であるとしており、フォーラムもその一環となる。
デジタル社会における決済プラットフォームとして機能するCBDCは、まさに「技術の束」であり、日本銀行としては、民間部門、とりわけ一般事業会社が有する最新の技術やノウハウについて学習し、今後の実証実験や制度設計に活かしていくことが大切と考えています。
こうした分科会は今後も複数回にわたって開催し、議論を深めていくとしている。
日本銀行は、現時点での、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する計画はないとしているが、日銀の黒田総裁は5月13日の財政金融委員会にてCBDCについて便利な決済手段になりうるとの見解を示している。
また、「ステーブルコインが、民間部門の”競争”だけでなく”協調”を促進する触媒機能を果たし得るのではないか」とし、民間の取り組みを後押しすることに意欲を示した。
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