ビットコイン相場と金融マーケット
25日の暗号資産(仮想通貨)市場。
ビットコイン価格は、前日比+7.04%の390万円(35,340ドル)と大きく続伸。35,000ドル台を回復した。
反騰する中、酒田五法のひとつで陽線が3本続く「赤三兵」の買いシグナルが確認された。日足陽線が3本続くのは、今年4月上旬以来2ヶ月半ぶり。
ビットコインは、直近安値の3万ドルを下抜けた後、28,800ドルで下げ止まると急反発。その後は下値を切り上げつつ上値更新しており、一定の信頼度が認められる。5月半ば以降、資金の抜け続けていたアルト市場にも強めの買い戻しが入っており、XRP(リップル)など下落率の高かった仮想通貨への押し目買い意欲も散見された。
本日17時には、デリバティブ大手DeribitのBTCオプションカットオフを。日本時間26日0時には、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)でビットコイン先物の「メジャーSQ」を控えており、相場のアク抜けとなるかどうかを含めて注目されそうだ。
ステーブルコイン考察
米ドルなどの法定通貨には規制問題があり、米ドルに裏付けられたステーブルコインの市場供給増加は、潜在的な購入圧力を示している。 仮想通貨取引所のステーブルコインの供給量は、過去最高値の170億ドルに達した。
Supply of stablecoins on exchanges reached new ATH of $17B.
— Lex Moskovski (@mskvsk) June 24, 2021
Plenty of dry powder to buy dips, no wonder #bitcoin below $30k was scooped so fast. pic.twitter.com/oHjykHxS1A
相場の調整局面では、テザー(USDT)などのステーブルコインに換えておき、反発局面で買い戻す事例も少なくない。バイナンスなど海外大手仮想通貨取引所では、BTC建てやUSDT建ての通貨ペアを提供するなど基軸採用されており、流動性も十分にある。
ステーブルコインとは
法定通貨の米ドルなどに価値を裏付けられた、安定性の高い仮想通貨のこと。主に、法定通貨で価値を担保するタイプと、供給量を調整することで価値を担保するタイプの2種類がある。その性質上、決済で利用されやすい。
CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは、「弱気バイアスはそう長くは続かないのではないか。需給面は、長期的には良好に見える」と指摘。
その根拠として、ステーブルコインの対米ドル比率と「Stablecoin Supply Rate」の推移を挙げた。
「Stablecoin Supply Rate」は、すべてのステーブルコインの時価総額の合計に対するBTC時価総額の比率を示したもので、数値の増加は売り圧力を示唆。値が低いと潜在的な強気感情を、値が高いと潜在的な弱気感情を意味する。
弱気相場におけるビットコインのドミナンス(市場占有率)上昇は、アルト市場からの避難先として機能している節がある。データ分析企業Santimentは、イーサリアムに対するTwitterの市場心理は、2018年6月以来の最低水準に達したことを報告した。
The perception toward #Ethereum here on #Twitter is at its lowest levels since June, 2018. Fear has gripped the #crypto markets clearly, and $BTC being viewed as the 'safe haven' as its dominance has grown could cause #altcoins to actually be sneaky good. https://t.co/v7moAptXDb pic.twitter.com/cjuseI3FGW
— Santiment (@santimentfeed) June 24, 2021
一方、オンチェーンアナリストのTemptingBeef氏は、23日にETH2.0のデポジットコントラクト預け入れられたイーサリアムの量が「10万ETH」の大台に到達したことを報告。ステーキングされた総量が、循環供給の5%を超えたことを指摘した。
公式のLaunchpadのデータによれば、すでに5,758,595 ETHが預け入れられており、期待の高さが伺える。
6月第3週におけるETH2.0のステーキング額の増加は25万ETHだった。
関連:下落ムードもビットコイン長期保有者は買い増し継続、イーサリアム2.0ステーキングは堅調
中国情勢と採掘速度
著名投資家ジム・クレイマーが、保有するビットコインをほぼ全て売却したことを明かした。中国の規制強化、及びハッシュレートの大幅下落など相場の不確実性を嫌気し、1BTC=1万ドルまで下落した時に買い戻すことを目論んでいるという。
採掘データを提供するBitinfoChartsの情報によれば、日次平均を示す「Average hashrate (hash/s) per day」は、前日比+2.92%の99.6Ehash/sと反発した。
中国国内の事業存続を断念したマイニング事業者は、空輸を急いで海外移転を推し進めており、すでに順次稼働再開していることからハッシュレート及び市場心理は改善に向かうものと考えられる。これまで中国に一極集中していた主要マイナー拠点の国際化、及びハッシュレート分散化によるチャイナリスクの後退はポジティブ要因と言えるだろう。