はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ロシアでスマートコントラクトを使用した初の商業用債券取引実行:最大手銀行も参加

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロシアでの新たな取り組み
ロシアで最大規模を誇るロシア貯蓄銀行及び、同国の大手通信会社であるMTSが、証券保管振替機関NSDのブロックチェーンプラットフォームを使用し、ロシアで初の試みとなるスマートコントラクトを使用した商業用債券取引を行いました。
ロシア各機関の前向きなコメント
ロシア貯蓄銀行、MTSなどの各機関の代表者のコメントでは、ブロックチェーン技術の有能性、そして、将来的な可能性も示唆されていることから、今後の取り組みにも期待が持てると言えます。
DVPとは
Delivery Versus Paymentの略で、証券の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)を相互に条件を付け、一方が行われない限り他方も行われないようにすることをいいます。これは、証券決済において、資金(または証券)を渡したにもかかわらず、取引相手からその対価となる証券(または資金)を受け取れないという「取りはぐれ」リスクを回避するための方法・仕組みです。

▶️ CoinPost:仮想通貨用語集

ロシアでの新たな取り組み

ブロックチェーン技術は、多くの金融機関によって採用されてきています。

そして、ロシアの投資、商業銀行分野において最大の規模を誇るロシア貯蓄銀行(Sberbank)及び、大手通信会社であるMTSが、商業用債権取引をブロックチェーン上で行ったことを発表しました。

その発表で、MTSは、ロシア最大の証券保管振替機関であるNational Settlement Depository(以下、NSD)によって提供されている独自のブロックチェーンプラットフォームのスマートコントラクト機能を使用して、約1200万ドル(約13.2億円)の商業用債権の購入を行ったとされています。

これは、ロシアで初の試みとなっています。

取引で使われた独自のブロックチェーンは、Hyperledger Fabric 1.1を元に開発されており、ロシア貯蓄銀行は、満期日が6ヶ月に設定されたMTS専用の債権を発行しました。

そのソースコードは、2016年から、ロシア貯蓄銀行が参画しているHyperledgerプロジェクトに則って、以下で公開されています。

▶️ nsd-commercial-paper

現時点で、その取引を行うために、発行元であるロシア貯蓄銀行、債権を購入したMTS、ブロックチェーンプラットフォームを提供したNSDの3機関に対して、ブロックチェーン台帳へのアクセスが許可されています。

各機関は、書類のオンライン上での取引や、リアルタイムでその取引の状況を確認することができ、一連のプロセスを「効率化させる」とロシア貯蓄銀行は主張しています。

この取引は、 証券の受け渡しと代金の支払いを同時に履行するDelivery versus Payment(DVP)という決済方法によって行われました。この取引フレームワークは、将来的に、より多様な投資家達の参加も検討しているようです。

ロシア各機関の前向きなコメント

ロシア貯蓄銀行のシニア・バイス・プレジデントを務めるIgor Bulantsev氏は、以下のように述べました。

ロシア貯蓄銀行は、ロシアの金融業界において、ハイテクやデジタル革命を採用するパイオニアです。このMTSへの債権発行は、証券を含む複雑な取引で、ブロックチェーンプラットフォームの信頼性、効率性、安全性を証明しただけでなく、ロシアのデジタル経済を発展させる可能性も示唆しました。

さらに、MTSで金融、投資、M&A分野のバイス・プレジデントを務めるAndrey Kamensky氏は「MTSは、透明性を高め、市場参加者に認められており、コスト削減効果もあるブロックチェーン技術を、金融分野全般においても採用していきたい。」と主張しました。

NSDの役員長を務めるEddie Astanin氏も、以下のように語っています。

NSDは、ロシアでブロックチェーン技術を最初に採用した企業の1つです。私達は、債券取引を目的としたプラットフォームのプロトタイプを2017年の第一四半期から開発し始めました。そして、ロシア貯蓄銀行及び、MTSが行った取引は革新的であり、証券分野においてブロックチェーンが、信頼性や、迅速さを高めることができると証明しました。

今回の成功により、ブロックチェーン技術が金融分野において有効な解決策であることが証明され、各機関の代表がさらなるブロックチェーン技術の採用に積極的なコメントを残したことからも、今後の取り組みにも期待が持てると言えるでしょう。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/28 金曜日
10:25
USDT発行のテザー、ウルグアイのBTCマイニング施設を閉鎖 高コストで採算合わず
ステーブルコインUSDT発行のテザー社がウルグアイでのBTCマイニング事業を停止した。電力コストが折り合わなかったことを理由としている。7月にはブラジルでの計画を発表していた。
09:45
ヴィタリック、計1億円超相当のETHをプライバシー領域のプロジェクトに寄付
仮想通貨イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏は、プライバシー機能を持つメッセージアプリSessionとSimpleXにそれぞれ6000万円相当のETHを寄付した。期待する点を説明している。
08:55
トランプ関連プロジェクトと提携のALT5シグマ、CEO解任 内部混乱が明らかに
ナスダック上場のALT5シグマが、トランプ前大統領の家族が支援するワールドリバティファイナンシャル(WLFI)との提携後、株価が80%下落し内部混乱に陥っている。CEOや複数の幹部が解任され、規制当局の調査やルワンダでのマネーロンダリング有罪判決も明らかになった。
07:40
ネイバーとアップビット親会社ドゥナム、AIとブロックチェーン融合で1兆円投資へ
ネイバーとアップビット運営のドゥナムが、AIとブロックチェーンを組み合わせた次世代金融インフラ構築に向け、今後5年間で1兆円超を投資する計画を発表した。韓国ウォン連動型ステーブルコイン発行も視野に入れている。
07:10
イーサリアム、ブロックのガスリミットを6000万ユニットに引き上げ
仮想通貨イーサリアムは、ブロックのガスリミットが6000万ユニットに引き上げられた。これにより、フサカアップグレードの前にトランザクション処理能力が向上した。
06:35
アップビットのハッキング後に一部のソラナ系銘柄で大幅なキムチプレミアム発生、Orcaは50%超の価格乖離
韓国のアップビットで27日にハッキングが発生し入出金が停止された後、ソラナ系トークンで大幅な価格乖離が発生した。オルカは国際価格と比較して51%のプレミアムを記録し、Meteoraも40%のプラス乖離を示している。
05:56
ビットワイズがアバランチETF申請を更新、最大70%のステーキング機能導入へ
ビットワイズが米証券取引委員会に提出したアバランチ現物ETFの申請書類を更新した。ティッカーはBAVAに変更され、保有AVAXの最大70%をステーキングできる仕組みを導入する。
05:40
ソラナミームコインBONKの現物ETP、スイス証券取引所に上場
ソラナミームコインBONKがスイスのSIX証券取引所で取引を開始した。ビットコイン・キャピタルが発行するETPにより、投資家は従来の証券口座を通じてBONKへのエクスポージャーを得られるようになった。
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
15:07
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、アブダビADGMが正式認定
中東での企業利用が加速へ リップル社は27日、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、アブダビ金融サービス規制庁(FSRA)により「法定通貨参照トークン」として正式…
14:02
Xapo Bank、ビットコイン信用ファンドの提供範囲を拡大
ジブラルタルのXapo Bankがビットコイン建て信用ファンドを全会員に拡大。初期段階で1億ドル調達。2022年の業界崩壊後、厳格なリスク管理で市場回復。長期BTC保有者向けに安定利回りを提供。
14:00
ビットコイン需要の低迷続く 市場は横ばいか=Glassnode分析
Glassnodeが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの需要低迷を指摘した。新たな資金流入が回復するまで市場は狭いレンジで推移する可能性が高いと分析している。
13:55
タイ当局、サム・アルトマンのワールドコインに120万件の虹彩データ削除を命令
タイ個人情報保護委員会が、生体認証プロジェクトWorldに対し、仮想通貨と引き換えに虹彩スキャンデータを収集した行為が個人情報保護法違反として、120万件のデータ削除と業務停止を命令。世界各国でも同様の規制措置が相次いでいる。
13:35
世界取引所連合が米SECに書簡、仮想通貨企業への免除措置見直しを要請 トークン化株式に懸念
世界取引所連合が米証券取引委員会にトークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置の見直しを求める書簡を送付した。ナスダックやCMEグループなどが加盟する同連合は、適切な規制遵守なしに仮想通貨プラットフォームが証券取引所の役割を果たすことへの懸念を表明。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧