UAEで10億ドルのクリプト基金
アラブ首長国連邦(UAE)で規制されたVenomブロックチェーンの開発を支援するVenom Foundationと、同国で認可された投資会社Iceberg Capitalは11日、共同でWeb3ファンドを立ち上げたことを発表した。
We are pleased to announce the launch of the $1 Billion @VenomVentures fund. The fund will invest in innovative #Web3 companies solving real-world problems using #blockchain technology.
— Venom Foundation (@VenomFoundation) January 11, 2023
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約1,300億円(10億ドル)規模のファンド「Venom Ventures Fund(VVF)」は特定のブロックチェーンに拘らず、DeFi(分散型金融)、資産管理、ペイメント、GameFi(ゲーム+金融)など、広範囲なWeb3(分散型ウェブ)プロジェクトに投資していく方針。
2021年に中東で設立された投資会社Iceberg Capitalのネットワークを活かしたインキュベーションプログラムが組まれ、技術・マーケティング支援、上場や規制対策などで助言を行う。
VVFを率いるのは、世界大手資産運用会社BlackRockの元CIO(最高投資責任者)で、Venom Foundationの会長を努めるPeter Knez氏。及び、中東・北アフリカ地域(MENA)の金融企業で取締役を努めた経歴を有し、現在はIceberg CapitalのCEOを務めるMustafa Kheriba氏。
現地の金融センター、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)で認可された2つの組織(Venom Foundation、Iceberg Capital)により設立されたVVFは、透明性の維持と規制を遵守する。
VVFは現在最初の投資先としてVRメタバース「Nümi Metaverse」の約26億円(2,000万ドル)の資金調達ラウンドをリードしている。Nümi Metaverseは2023年内に「Visual Novel」を立ち上げ、インセンティブ付きの体験版ゲームを提供する予定。
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中東の仮想通貨投資
2022年にThree Arrows Capital(3AC)やFTXなど大手仮想通貨企業の連鎖的な破綻が続いた結果、同年後半にかけて暗号資産(仮想通貨)分野の投資規模は縮小。仮想通貨投資会社Galaxy Digitalによると、第4四半期には投資契約件数及び投資額は過去2年間で最低となった。
こうした環境下でVenom Ventures Fund(VVF)は、主にVenom Foundationとその創設者、現地の機関投資家や個人投資家から資金を調達したという。Kheriba氏は以下のように述べている。
ブロックチェーン業界は市場が急激な調整を迎えているが、開発者の構築と革新は継続されていると信じている。
Venomブロックチェーンは世界初の規制準拠型ブロックチェーンとされ、Venom Foundationはユーティリティトークンの発行ライセンスを取得し、22年10月にクリプト財団としてアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)に世界で始めて登録された。
ADGMは、2018年から包括的な仮想資産規制フレームワークを導入しており、中東・北アフリカ(MENA)地域で最大の仮想通貨の規制管轄当局である。「アブダビを仮想通貨取引の世界的な中心地にする」として、仮想通貨事業を行う環境の構築に注力している。
VenomはADGMにより、構築、革新、スケーリングの自由が認められており、ウォレット、DeFi、クロスチェーンブリッジ、NFT(非代替性トークン)、DEX(分散型取引所)などあらゆるエコシステムを有する分散型ネットワークが構築される計画だ。
アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)とは
アラブ首長国連邦の首都アブダビに位置する、国際金融センター。金融サービス規制当局、登録局、ADGM裁判所という3つの当局から構成されており、仮想通貨取引の規制も管轄下に置く。
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