CoinPostで今最も読まれています

SECのルールから推測される、ビットコインETF再審査の意味とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECの再審査の意味合いとは
日本時間24日、米国証券取引委員会(SEC)から、日本時間23日に非承認した9つのビットコインETFを再審査(レビュー)する発表が出された。この再審査はどれほど変化をもたらすのか。

SECによる再審査について

昨日、SECの秘書長を務めるBrent Fields氏からの手紙によると、「委員会規定431に準拠し、当委員会は否決判断を再審査する」と記されています。

出典:SEC文書

しかしながら、「再審査」とは何か、そして、ビットコインETFにどのような影響をもたらすのかについて、考察します。

まず、SEC委員会のルールによると、委員会は既に出された判決に対する以下の権限を有しています。

出典:SEC

全部、もしくは部分的に

肯定

否定

修正

後回し

差し戻し

つまり、一度否決された9つのETFにおいて、まだ最終判断は事実上先延ばしされ、決定された訳ではない事を意味します。

CoinDeskの取材で、国際詐欺と不正行為に特化した法律事務所Kobre and Kim LLPの弁護士Jake Chervinsky氏は、ETFを申請した取引所CboeBZX(ProShares、GraniteShares)とNYSEアーカ(Direxion)からの再審査の申請が見られないため、恐らく、「一人のSECコミッショナーによるものだ」と明かしました。

再審査自体は、事実上コミッショナー1人でも要求した場合、実行されることになります。

さらに、Chervinsky氏は、今回行われる再審査に関する追加資料の収集及び可否の決定を担うのはJay Clayton委員長と3人のコミッショナー(ビットコイン肯定派のHester Pierceコミッショナー:通称クリプトママを含む)だと説明しました。

過去の再審査事例とは

投資家の中で、ETF関連で最も記憶に残っているのは、先月ウィンクルボス版ビットコインETFが非承認されたことでしょう。

実は、これも「再審査」にかけられたビットコインETFの事例とされています。

ウィンクルボス版ETFは昨年3月に否決され、申請側のCboeBZX取引所が再審査を申し出ている経緯があります。(SEC側のコミッショナーが主導となりビットコインETFが再審査となったのは、今回の9つのETFとなる。)

しかし、結果はご存知の通り否決、再審査は一年以上かかったものの、結果が変わらなかった様です。

理由は、今回の非承認と同様に、「申請側の取引所による申請は取引所法と委員会規定を満たしておらず、価格操作や詐欺の対策を十分に証明していない」というものです。

そして、当時、Pierce氏(クリプトママ)は、ウィンクルボス版ETFが再度否決になった際、

「SEC委員会の判断は、”本来の役割”の範疇を越えていると感じている。SECは、取引所が上場させようとする商品の基礎となる市場の質や特性ばかりに注視しているのではないか。 SECの役割は、投資家を保護して資本形成を促進し、公平で秩序があり、効率の良い市場を助長することであって、決してイノベーションの門番ではない。投資家保護に徹するべきだ。」

と、自身の見解を示しました。

今回、9つのETFが再審査される際にも、 彼女は前回同様、反対意見を強く論じると考えられます。

再審査にかかる時間とは

SECの規制では、再審査の申請が認められた場合、「SECは前の判断に関する支持もしくは非支持という判断を提出する期限を設けなくてはならない」と記されています。

出典:SEC

また、Chervinsky氏は、通常、SECの再審査は6~16ヵ月かかった場合も多くあったが、SECの規制では、期限の提出こそ義務付けられているものの、期限の最大日数は規定されていないため、具体的な日程の予想は極めて難しいとされています。

「しかし、つい先月ウィンクルボスの判決を下した例を考えれば、それほど長くかかるとは思わない」と見解を述べました。

更に、CoinDeskの取材にて、ビットコインETFの提供側の1社であるGraniteSharesのCEOを務めるWill Rhindは、

「再審査とはポジティブな展開だ。我々はSECに協力するつもりだ」

と、好感的な考えを示しました。を見せました。

参考記事:coindesk.com

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ビットコインETFの実現が2019年に持ち越される2つの理由|CNBC投資番組
SECは23日、計9つのビットコインETFを申請不許可としたが、その後再審査を発表した。これに対し、米投資会社BKCMの代表Kelly氏は、仮想通貨市場の不完全な監視、未熟な先物市場という2つの理由から、ビットコインETFの実現は早くても2019年2月ではないかと予想している。
ビットコインETFが直面する「相場操縦」という大きな壁
国際金融専門法律事務所の専門家は、「ビットコインETFを通す前に、米国仮想通貨業界における法規制問題を解消する必要がある」と指摘。そのほか、仮想通貨業界の有識者たちの見解をまとめている。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧