CoinPostで今最も読まれています

リキッドステーキング(LSD)がDeFi市場でトップに、ETHステーキング需要の増加

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リキッドステーキングの躍進

DeFi(分散型金融)市場の勢力図が変化しつつある。2日時点、ロックアップされた総資産価値(TVL)のカテゴリー別ランキングで、DEX(分散型取引所)やレンディング(融資)を抑えてリキッドステーキング(LSD)がトップとなっている。

リキッドステーキング(LSD)とは、仮想通貨のステーキング報酬を受け取りながら、スマートコントラクトを通じて1:1で発行されたデリバティブトークン(LSD)を受け取り、DeFiで運用できるメカニズム。LSDはPoS(プルーフオブステーク)を採用するブロックチェーンで採用されているが、特にイーサリアム上で発展している。

LSDカテゴリーのTVLは、4月13日から5月1日までに380億円(2.8億ドル)増加して2.4兆円(174億ドル)に到達した。TVLランキングでカテゴリー2位の分散型取引所(DEX)の合計TVLは、同期間中に2,280億円(16億6,000万ドル)減少しており、現在は2,360億円(171.8億ドル)。3位の融資カテゴリーの総TVLは4月13日の150億ドルから、現在は140億ドルへと推移している。

TVLの増加は上海アップグレード後に出金された暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)が、LSDプロトコルでの再ステーキングに回されたものと推測される。

Token.Unlocksによると、日本時間4月13日7時に実行された上海アップグレード後、197万 ETHが出金されたが、158万 ETHが新規にステーキングされた。米クラーケン取引所のステーキングサービス停止の影響を初め、より高い利回りを求めるユーザーがLSDへ鞍替えを行ったと考えられる。

DefiLlamaの5月2日のデータによると、主要なLSDプロトコルでは過去1か月間でTVLに以下の変化が見られた。

プロトコル名 TVl 増加率 増加額 推定APR
Lido 115億ドル +6.30% 8.2億ドル相当 8.2億ドル相当
Rocket Pool 14.6億ドル +25.49% 3.7億ドル相当 4.85%
Frax Ether 3.1億ドル +33.53% 1.02億ドル相当 6.53%

LSDでシェアトップのLidoは、ステーブルコイン「Makerプロトコル」やレンディングプロトコルAaveを抑えてTVLの点でDeFi市場の単独トップとなっている。Rocket Poolは誰でもノードオペレーターになれる点でLidoよりも分散型なスキームを採用、23年にTVLが急増している。Frax Etherはステーブルコインの主要なDEXであるCurve(CRV)や、Curveの金利獲得に最適化されたConvex(CVX)」で得たプロトコル報酬を金利に上乗せしている。

関連:イーサリアムをステーキングしながら運用可能にする「LSD(リキッドステーキングデリバティブ)」を解説

ETHステーキングの展望

仮想通貨イーサリアム(ETH)の供給量に占めるステーキング率は14.8%と、他のL1チェーンと比べて低い。しかし、LSDカテゴリーはAPR約4.8%前後のリターンを提供しており、投資家にとって魅力的な選択肢となっている。

リキッドステーキング(LSD)は、イーサリアムのエコシステムにおいてますます重要性を増している。経済的自由を求める投資家にとって魅力的なリスクとリターンのバランスを提供すると同時に、ネットワークの分散化と全体的な健全性に貢献する。

上海アップグレードにより出金機能が付加されたことを考慮すると、より多くのETHがLSDでステーキングされることになると期待されている。

関連:ETH「上海」アップグレードとは? ステーキング解除とETH売り圧に関する各社見解まとめ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア