BNBトークンをエアドロップ
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは12日、モロッコの大地震で被害を被った地域のユーザーに、最大約4.4億円(300万ドル)のBNBトークンをエアドロップすると発表した。
2023年9月9日までに完了した住所証明手続きに基づいて配布を行ない、最も大きな影響を受けたマラケシュのサフィ地方に住むユーザーのバイナンスアカウントに、それぞれ約15,000円(100ドル)相当のBNBを寄付する格好だ。
まだ証明手続きを完了していないユーザーを考慮して、バイナンスに既に登録しているユーザーで9月30日までに住所証明を完了した場合は、約3,700円(25ドル)相当のBNBをバイナンスのアカウントに付与するとしている。
さらに、地震の影響を受けていない地域についても、モロッコ全土のアクティブユーザーに対して、それぞれ約1,500円(10ドル)相当のBNBをエアドロップする。
バイナンスによれば、これらのエアドロップは12日に開始され、モロッコに住む約7万人のバイナンスユーザーが対象となる見込みだ。
エアドロップとは
仮想通貨(トークン)を無料配布すること。仮想通貨の認知度向上など、マーケティングを目的としているケースが多い。ブロックチェーンがハードフォークして、新しい仮想通貨が生まれた場合にもエアドロップを行う場合がある。
▶️仮想通貨用語集
バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは、次のようにコメントした。
地震はモロッコの人々に壊滅的な影響を与えた。被災した人々を少しでも支援できればと思う。
寄付を受け取った人の中で、特に地震の影響は受けていない場合には、最も困っている人たちに今回の分を渡してほしい。
一般からの寄付も募集
エアドロップと同時に、バイナンスの慈善・寄付部門であるバイナンス・チャリティー財団は誰でもモロッコへ寄付できる仮想通貨アドレスも公開した。
このアドレスで受け取った全額を、モロッコ現地の人々を支援するNGOに寄付するとしている。寄付先の団体に関しては、近日中にその名前を発表する予定だ。寄付は、BNBの他、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、またUSDC、USDT、BUSDといったステーブルコインで受け付けている。
バイナンスは、仮想通貨による送金は、高速、低コスト、ボーダーレスかつ透明性が高いというメリットがあり、災害被災者を援助するために利用されることも多くなっていると指摘した。
ウクライナ侵攻や西日本豪雨で支援も
バイナンスは過去にも、災害などに対して寄付キャンペーンを開催してきた。
2022年にロシアがウクライナ侵攻を開始した際には、人道支援のために11億円相当をユニセフなどに寄付している。この際には、仮想通貨を寄付できるクラウドファンディング基金も開設し、ウクライナでの物資支給や避難民のビザ確保などを助けた。
2018年に日本で発生した「西日本豪雨」の時にも、バイナンス・チャリティーを通じて総額5,700万円の寄付を集めている。
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