はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ペッグ通貨の競争が激化:米サークル社のステーブルコイン「USDコイン」取引開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインの需要拡大
現金やクレカの代替手段としても期待されるステーブルコイン。USDCは分散型オープンソースCENTRE基準を満たすことで、政府金融当局規制に準拠する銀行等、他金融機関でも発行可能とされている。

ステーブルコインの需要拡大

今月に入り、法定通貨と連動したペッグ通貨である、「ステーブルコイン」の取引開始が相次いでいます。 

9月10日には、ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所Gemini発行の Gemini Dollarと、信託会社Paxos Trustが発行するPaxos Standard stable coinの二つのステーブルコインの取引が開始されていますが、9月26日、仮想通貨大手のサークル社が、その輪に加わりました。

サークル社の発行する「USDコイン=USDC」は、サークル社が今年買収した仮想通貨取引所、米国大手取引所のPoloniexをはじめ、Huobi、OKEx、 DigiFinex、 CoinEx、 KuCoin、 Coinplug、ならびに XDAEXで取引することができます。  

また、BitGo、CoboやCoinbase Walletをはじめとする、多くの仮想通貨ウォレットサービスもUSDCのサポートを提供するとしています。

さらに、サークル社によると、USDCは通常の仮想通貨取引所での取り扱いだけに止まらず、Kyber NetworkやIDEXをはじめとする分散型取引所とプロトコルレベルでの提携を行ったり、仮想通貨融資のDharmaやBlockFi、シェアリングエコノミーのOrigin、支払いサービスのBitPayなどから採用されるなど、既に、仮想通貨エコシステムから幅広い支持を獲得しているようです。

短期間でのネットワーク構築に成功

5月にステーブルコイン開発プロジェクト始動の旨を発表してから、4ヶ月という短期間でこのような幅広いネットワーク形成に成功した背景には、マイニング大手のBitmainと戦略的パートナーシップを結び、分散型オープンソースの「CENTRE」というコンソーシアムを立ち上げ、ステーブルコインの基準ならびにポリシーを定義し、コイン発行に関するガバナンスを強化できるシステムを作り上げてきたことにあると言えるでしょう。

USDCはこのCENTREが開発した、法定通貨である米ドルと連動したステーブルコインで、サークル社が最初の発行者となりますが、CENTREの基準を満たすことで、既に政府金融当局の規制に準拠している銀行や信託会社など他の金融機関でも発行が可能です。

そしてCENTREは、ユーザーが銀行口座から入金した法定通貨を、USDCトークンに変換し、またUSDCトークンから法定通貨へ変換し、所定の銀行口座へと振り込む機能を提供するためのプラットフォームとして機能します。

現在のところ、CENTREはサークル社の傘下にありますが、今後は独立組織としての運営に移行する予定だとのことです。

サークル社によると、USDCの透明性を保ち、担保されている米ドルの保証を示すため、毎月、監査報告を行うとし、現在最も普及しているものの、疑惑が払拭されていないステーブルコイン、テザー(USDT) の差別化を図るようです。

サークル社は、仮想通貨とブロックチェーン技術の普及によって、すべての価値あるものがトークン化される社会を目指しており、その実現のために不可欠な要素が、法定通貨自体のトークン化であると述べており、USDCの発行はその第一歩となります。

サークル社の共同設立者であるSean Neville氏とJeremy Allaire氏は、公式ブログで次のように述べています。

公開されたブロックチェーン及びスマートコントラクト内で、安全性かつ透明性を保ちながら、法定通貨を取り扱える信頼できるレイヤーは、広範でより革新的な仮想通貨に支えられた世界経済の可能性のための、必要とされる前提条件である。

USDCは、このニーズを満たすことを目指している。

ステーブルコイン開発には、アメリカのベンチャーキャピタル企業Andreessen Horowitz社が、MakerDAOプロジェクトへの巨額の投資を行ったり、IT産業の重鎮であるIBMも開発に参入するなど、ますます関心が集まってきているようです。

このように、熱を帯びてきたステーブルコインに対する注目の背景には、ステーブルコインが、現金やクレジットカードに代わる決済や海外送金の手段として利用できる可能性もあり、その新しい金融サービスを作り出す革新的な潜在性を見通しているからかもしれません。

CoinPostの関連記事

テザー財政審査結果『流通量を上回る裏付け資金』と公表|正式な監査は依然として必要
6月20日、テザー社 (Tether Limited) は、ついに第三者による、USDTの米ドルによる裏付けに関する報告書を発表しました。「透明性の最新情報」と題し、テザー社の一連の疑惑に対する弁明と同社の立場を表明した声明の中に含まれています。
ニューヨーク規制許可を得たペッグ通貨「Paxos Standard Token(PAX) 」がBinance上場
Binanceは、GUSDと同時にブロックチェーンスタートアップ企業によって開発されたペッグ通貨"Paxos Standard Token (PAX)" の上場発表した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/23 木曜日
20:48
野村系レーザーデジタル、投資ファンドをSeiブロックチェーンでトークン化 
野村傘下レーザーデジタルのファンドがセイ上でトークン化。カイオ経由でブラックロックやブレバン・ハワードなどグローバル大手と並ぶ機関投資家向けRWA商品として展開。
16:54
クオンタムソリューションズ、イーサリアム保有量で国内上場企業トップ
東京上場のクオンタムソリューションズが7日間で2365ETHを取得した。アーク・インベスト創業者ウッド氏も支持を表明。
15:32
ポリマーケット、米大手スポーツベッティングと提携 予測市場インフラ提供へ
予測市場大手ポリマーケットが米スポーツベッティング大手ドラフトキングスの清算機関に指定。競合カルシとの競争激化の中、B2C市場に加えB2B事業で新たな収益源を確保。NY証取の親会社から20億ドルの投資も受け事業拡大を加速。
15:17
アーサーヘイズのビットコイン100万ドル予想、高市政権の積極財政は市場の起爆剤になり得るか?
BitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏が、高市新政権の物価高対策によりビットコイン価格が100万ドル(約1.5億円)に達すると予測した。同氏は景気刺激策の推進が、日銀の量的緩和(QE)への転換につながると見ている。
15:11
ルミス米上院議員、仮想通貨アプリを後押しするオープンバンキング規則設立求める
米ルミス上院議員がCFPBにオープンバンキング規則の策定を要請した。銀行口座と仮想通貨取引所を接続するAPI活用で迅速な送金を目指す。大手銀行の反対姿勢も指摘した。
14:50
リミックスポイント、株式希薄化を伴わない仮想通貨購入方針を決議
株式会社リミックスポイントは10月23日、2026年6月まで株式発行による暗号資産購入を行わない方針を決議。今後は手元資金等を活用し、既存株主への希薄化を回避する。
11:57
ビットコインは弱含みで推移、米コインベースとロビンフッドにBNB上場へ
ビットコインは10万8000ドル台で弱含みの推移。米大手取引所CoinbaseとRobinhoodが相次いでBNB上場を発表し、規制環境の変化を示す歴史的な動きとして注目を集めている。一方、トランプ関税ショックで巨額利益を上げた大口投資家が再び大規模なショートポジションを構築しており、市場は警戒感を強めている。
11:15
米民主党議員ら、トランプ政権中東特使に仮想通貨開示要求 利益相反を指摘
米民主党議員らがウィトコフ中東特使に保有する仮想通貨などについて情報提供を求めた。トランプ一族のWLFI関連で利益相反の可能性を指摘している。
10:45
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約1500億円調達をSECに提出 HYPEトークン購入含む
ナスダック上場のハイパーリキッド・ストラテジーズが最大10億ドル(約1,500億円)の資金調達を目指すS-1をSECに提出した。HYPEトークン購入を含む。7月設立後、早くも大規模増資計画。
10:30
計2600億円超相当のBTC、LuBian関連のウォレットから移動
計2600億円超相当の仮想通貨ビットコインが、マイニングプールLuBianに関連するウォレットから移動。トランザクションは4つに分けられて別々のアドレスに送金されている。
10:16
「ビットコインにとって2025年のゴールド高騰は好材料」Bitwise
Bitwiseは、ゴールドの価格上昇は仮想通貨ビットコインにとって好材料であるとの見方を示した。ゴールドの価格上昇の要因や市況を分析した上で、ビットコインにも同様のことが起きうると予測している。
10/22 水曜日
20:18
ソラナ(SOL)現物ETF、香港で初承認 10月27日取引開始
香港証券監督委員会がアジア初となるソラナ現物ETFを承認。ChinaAMC運用(香港)で10月27日取引開始。ビットコイン、イーサリアムに続く3番目の仮想通貨ETFとして、米国市場に先駆けた上場となる。
16:39
仮想通貨取引、米国で前年比50%増 トランプ効果鮮明に=2025上半期報告
TRMラボの最新報告書によると、トランプ政権下で米国の仮想通貨取引高が50%増の1兆ドル超に。日本は普及ランキング9位に上昇。ステーブルコインは前年比83%増で過去最高を記録。
16:30
注目の仮想通貨AI関連銘柄10選を網羅的に解説【2025年最新】
2024年注目のAI関連仮想通貨を10銘柄、時価総額・価格・年初来高騰率とともに解説。SUI、NEAR、TAOなど、AIとブロックチェーンを融合した主要プロジェクトの特徴について網羅的に紹介。
15:50
金融審議会、暗号資産のインサイダー取引規制と銀行の取扱要件が焦点に
金融審議会が暗号資産のインサイダー取引規制案を提示。DEX・P2P取引も対象に。銀行本体の取扱いは慎重に検討する一方、子会社には門戸を開く方針。無登録業者への罰則も強化へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧