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米議会閉鎖回避でビットコインや株などリスク資産上昇 主要アルト反発も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末9月29日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比158.8ドル(0.47%)安、ナスダック指数は13,219ポイント(0.14%)高で取引を終えた。

一方、週明けの東京株式市場の前場では、日経平均株価が前週末比448円(1.41%)高と反発した。

暫定予算が可決され懸念されていた米国の政府機関閉鎖が土壇場で回避されたことで、ムーディーズの米国債信用格付け低下リスクや米国経済への先行き不安が後退。市場心理が改善したことが背景にある。

今年8月には、格付け大手フィッチ・レーティングスが米議会の混乱や財政不安定化を背景に米国債格付けを最上位から引き下げ、金融市場の動揺を招いた。

関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」

仮想通貨市況

株指数好転を受け、暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコイン価格が前日比3.5%高と力強く反発。1BTC=28,000ドル(420万円)水準を回復した。

BTC/USD 週足

1BTC=25,000ドルのサポートを5週に渡って耐え切り3週前の上髭を週足陽線で包み込んだことから、足元では上昇圧力が強まり下落への優勢性が失われつつあることを示唆する。

暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産市場では、米議会閉鎖や米国債格下げの影響を懸念したリスク回避売りや保有ポジションの持高調整が進んでいた経緯があり、投資家心理の改善が波及したものと見られる。

関連:ビットコインFOMC後の下げ幅解消、来週は2.8万ドル試す展開も視野|bitbankアナリスト寄稿

仮想通貨時価総額2位のイーサリアム(ETH)は前日比3.12%高と反発。関連銘柄のポリゴン(MATIC)も、前日比6.2%高となった。

けん引するビットコイン(BTC)の連れ高のほか、資産運用会社のヴァルキリーによるイーサリアムの先物上場投資信託(ETF)上場承認が米証券取引委員会(SEC)に承認されたことが背景にある。既存のビットコイン先物ETFに組み入れる形で、「Bitcoin and Ether Strategy ETF」として提供する。

米資産管理大手VanEckもイーサリアム先物ETF(VanEck Ethereum Strategy ETF:$EFUT)の提供に向けたアナウンスを発表している。

関連:米SECがイーサリアム先物ETF初承認、米政府閉鎖前に連続で認可するとの見方も

直近では、DeFi(分散型金融)プロトコルへのTotal Value Locked(TVL)低下およびNFT(非代替性トークン)市場の沈静化のほか、大型アップグレードThe Merge(ザ・マージ)以来めぼしい材料不足でイーサリアムへの市場の関心は低下傾向にあり、資産運用会社CoinSharesの週次レポートでも機関投資家の資金フローは純流出が続いていた。

最大手資産運用会社であるブラックロックなどの「ビットコインETF」申請や4年に1度の「半減期」サイクルを翌年に控えるビットコインのドミナンス(市場占有率)が上昇基調にある一方、ビットコイン建ての「ETH/BTC」は、22年9月以来上値を切り下げ続けてきた。

ETH/BTCが抵抗線をブレイクしBTCドミナンスが低下するようであれば、長引く弱気相場で売り先行の続いていたアルトコイン相場全体の底打ちを示唆することになるだろう。

とはいえ、現時点の小幅反発でトレンド転換を期待するには時期尚早であり、当面の間はCPI(米消費者物価指数)などの経済指標や株指数などを含め、欧米中の金融相場に左右されやすい展開が続くとの見方は根強い。

ETH/BTC 週足

一方、FTX破綻の混乱に乗じてFTXウォレットから大量の暗号資産(仮想通貨)を盗難したハッカーが、2500ETH(60億円相当)を2つの取引所に送金した疑いが指摘された。

およそ10ヶ月前のハッキング事件以来初めての資金移動とされ、売却目的であれば相応の売り圧力が発生することになる。

関連:FTXハッカーの売り圧力懸念強まり、ETHの下落率が顕著に

SOL反発

その他、主要アルトではソラナ(SOL)が前日比13.5%高と一際目立つ。

昨年11月に破綻したFTXおよびアラメダ・リサーチショックの影響を最も受けた銘柄の一つであるが、FTXから切り離されてブロックチェーンの存続の掛かる中、エコシステムは想像以上の堅牢さで底堅く、投資家および開発者の支持を受け直しているようにも見受けられる。

1SOL=30ドル弱のレジスタンスライン(①)を抜けることができれば、復活シナリオも考えられるか。

SOL/USD 週足

一部でゲームチェンジャーとして期待のかかるSolanaブロックチェーンの次世代バリデータークライアント「Firedancer」を巡る思惑もあるようだ。

Firedancerクライアントは、C++ プログラミング言語基盤で、ネットワークのスループット(処理能力)、攻撃や障害に対するレジリエンス(回復力)、効率性の向上、および分散化促進を目指す。

Firedancerは、Web3インフラストラクチャを開発するJump Cryptoが、非営利組織Solana Foundationと提携して構築した2ndクライアントであり、Rustプログラミング言語基盤で構築されたSolana Labsによる既存のバリデータ・クライアントとの共存共栄を掲げている。

Solana Labsの共同設立者であるtoly氏は、テストネット安定化まで半年ほどを要する可能性があるとの見立てを示した。

なお、10月30日~11月3日にかけて、オランダの首都アムステルダムで大型カンファレンス「Solana Breakpoint 2023」が開催される。

ELSOUL LABO B.V.のプレスリリースによれば、昨年の「Solana Breakpoint 2022」はポルトガルの首都リスボンにて開催され、4日間のイベントで13,000人を超える参加者を動員した。

サプライズとして、Google CloudやMeta(旧Facebook)とのパートナー締結、近日グローバルで発売予定のWeb3スマートフォンの「Solana Saga Phone」の発表が行われ、市場参加者らの関心を集めた。

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