はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FTXハッカーの売り圧力懸念強まり、ETHの下落率が顕著に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末18日の米NY株式市場では、ダウは前日比199ドル(0.6%)高で取引を終えた。半導体企業や小売企業などの決算内容が市場想定を上回った。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比3.9%高の16,007ドル。

BTC/USD週足

15,500ドルの年初来安値に再接近するなど、厳しい情勢にある。

ブロックチェーン分析企業Chainalysisは21日0時過ぎ、破綻したFTXの大規模ハッキング事件で不正流出した仮想通貨について、送金など新たな動きがあることを報告。取引所に対して追跡・凍結するよう警戒を呼びかけた。可能な限り多くの資産を債権者に戻すため、エコシステム全体で連携を図っているという。

破綻したFTXから不正に資産を抜き取ったハッカーは、推定6億ドルの228,523ETHを保有していたとみられる。通称”FTX Accounts Drainer”の保有量は世界30〜40位に相当する。

オンチェーンデータ分析によれば、ハッカーはDEX(分散型取引所)アグリゲーターの1inchを利用し、ETHをrenBTCにブリッジした。

わずか30分間で1,500万ドル相当のETHを売却したことなどが観測されると仮想通貨相場ではETH主導の下落が発生、市場の売り圧力につながったものと考えられる。ETH価格は、前日比8.00%安とBTCの2倍相当の下落率となった。

ETH/USD日足

renBTCは、ビットコイン価格と1:1になるようイーサリアム上で発行されるもの。セキュリティ企業PeckShieldなどの情報によれば、数千renBTCのブリッジは分散型クロスチェーン流動性プロトコルのRenを使っており、その後Wrapped Bitcoin(WBTC)に変換された可能性がある。

他の暗号資産への変換でブロックチェーン上の追跡を困難にするチェーン・ホッピングと呼ばれる手口を用いたマネーロンダリング(資金洗浄)を行なったとされる。この点について投資企業IBC groupのCEOは、「最も分散化されたBTCは、規制当局などから中央集権的に資産凍結される可能性が(暗号資産の中で)最も低い」と指摘した。

なお、RenProtocolは19日、資金難に陥っていることを発表している。

同プロトコルはアラメダ・リサーチに買収されており四半期ごとに開発資金の援助を受けていたが、FTXグループの破綻の影響で今年末までしか資金繰りが持たない状況にあるため、緊急の資金調達を行う必要性に迫られている。

関連:クロスチェーンプロトコルRen、アラメダ破綻後の独立化を表明

また渦中のFTXは19日、グループ企業が保有する資産調査の開始を発表した。グループ企業の中には支払能力を有するバランスシートが複数含まれており、日本法人であるFTX Japanなど債務者となる子会社の資産整理を進め、回収可能な資産価値の最大化を目指す。

関連:FTX、関連企業の資産保有状況を調査へ

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

さらなる波及懸念

直近では、グレースケール(Grayscale Investments)のビットコイン投資信託(GBTC)、および親会社デジタルカレンシーグループ(DCG)に対する影響の波及も懸念されている。

Cinneamhain VenturesのパートナーであるAdam Cochran氏は、DCGのポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)について考察した。

DCGの保有メディアである米Coindeskの関係者がポッドキャスト配信で語ったところによれば、DCGは、テラ(LUNA)崩壊の影響で破綻したベンチャーキャピタル「Three Arrows Capital(3AC)」の12億ドルの債権者でもあったとされる。

グレースケールの流動性プロバイダーとして機能する米Genesis Capital(ジェネシス)の苦境も影を落とす。機関投資家向けに仮想通貨レンディングサービスを提供するジェネシスは16日、償還(及び出金)とサービス停止を発表した。

ウォール・ストリートジャーナルの報道によれば、傘下の融資大手Genesis Global TradingはFTX崩壊を受けて10億ドルの融資を求めたものの、現時点で取引は成立していない。

関連:米Genesis Capital、償還とローン組成のサービスを停止

ジェネシスは今年6月時点で、マージンコールに応じなかったと思しき3ACなどの債務超過問題の影響を受け、数百億円(数億ドル)規模の損失を被った可能性が指摘されていた。

関連:融資大手ジェネシスに数百億円の損失か、仮想通貨業者の債務問題で

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/22 土曜日
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
16:03
ナッジ、ステーブルコイン決済・還元対応クレカ「HashPortカード」発行開始
HashPortとナッジが日本初となる後払い型クリプトクレジットカード「HashPortカード」を発行開始。ステーブルコインJPYCで決済・還元が可能で、利用額の0.3%をJPYCで還元。年会費無料、カード発行手数料2,500円。
15:44
金融庁が語る暗号資産規制改革の全貌──銀行参入、インサイダー規制、DEX対応の狙い|独占取材
金融庁独占取材。暗号資産規制の金商法移行について、銀行グループ子会社の参入、インサイダー取引規制導入、分散型取引所(DEX)対応の狙いを詳しく聞く。投資家保護と健全なイノベーション両立への取り組みを解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧