資金調達方法を模索中
クロスチェーンプロトコル「Ren」は19日、FTXとアラメダリサーチの破綻を受けて、今後の対応を発表した。追加資金の獲得と「Ren2.0」への移行を当初の想定よりも早く行う計画を明かした。
アラメダリサーチは2021年にRenを買収して、四半期ごとに9800万円(70万ドル)の開発資金を援助してきた。しかし、大手暗号資産(仮想通貨)取引所のFTXとともに今月経営破綻したことで、同社からの資金提供が見込めなくなったとRen Protocolは説明。現在、Ren開発チームには第4四半期(10~12月)末までの資金しか残されていない状況となる。
Renは以前より、完全分散型でコミュニティ主導のクロスチェーンネットワークを目指すRen2.0のリリースが目標だった。
しかし、達成に向けた資金はアラメダに頼っていたため、今後の資金調達を検討していく必要がある。投資家との話し合いが進んだ段階で、Renコミュニティにとって最も恩恵をもたらしそうな提案を、今後コミュニティと共有する予定だ。
その後、Renコミュニティと共に議論を行い、準備が整い次第、正式なガバナンス提案を提出。承認されれば資金調達を進め、却下された場合は、最終的な決定がなされるまで、コミュニティ内で議論を続ける計画を共有した。
過去には共同でマルチチェーンプロジェクトの取り組みを行ってきた経緯がある。
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Ren2.0への移行を前倒し
Renは、当初の予定では時間をかけて2.0に移行していく計画だったが、このプロセスを早める方針だ。理由としては、現行のRen1.0が、破産手続き中のアラメダリサーチのリーダーシップの下で運営されていたことを挙げた。
Renは次のように述べている。
エコシステムの安全性などを確保するため、当初の予定よりも早くRen1.0を廃止してRen2.0を立ち上げることが最善と考えている。
Ren1.0のネットワークは現在も安全な形で運営されているが、Ren1.0を終了させることにより、アラメダがプロジェクトへ関わりを持たなくなったことを示し、Renエコシステムの評判や健全性、ひいては長期的な展望を守っていくことができる。
Renは、Ren2.0への移行のためのステップも提案した。まずRen 1.0によるミンティングを無効にする。この際、バーン(トークン焼却)は有効にしておき、ブリッジ資産は常に1対1でバックアップされるとしている。30日後にRen 1.0をシャットダウンすることも提言した。
さらに、このプロセスと並行してRen2.0をテストネットに実装。コミュニティと一緒にテストを行い、その後メインネットに展開することを提案している。
Renは、アラメダリサーチが所有していたドメイン(renproject.io)からプロジェクトを移すことも予定していると述べた。ドメインの管理はRenDAOに移行されるとしている。
Renは、Renのコミュニティに対して、Ren2.0への移行と資金調達についての議論に参加するよう呼びかけた。
Ren2.0は、EVMをサポートした新しいマルチチェーンアプリケーションの開発を可能にできるものとなる見込みだ。分散化やセキュリティ、MPC(マルチパーティ計算)アルゴリズムなど様々な面で1.0から改良が行われる。
EVMとは
イーサリアム仮想マシンの略。スマートコントラクトを実行するための「翻訳機」として機能する。イーサリアムクライアントのネットワークに保持されるステートマシン(入力条件と現在の状態によって次の状態が決まる論理回路)であり、ブロック生成の度にトランザクションやスマートコントラクトを実行してネットワークの状態を計算する役割を担う。
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