CoinPostで今最も読まれています

『コインチェック再開に十分な手応え』マネックス2Q決算説明会で語る、仮想通貨事業の将来性とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マネックス決算説明会の内容
マネックスのオンライン決算説明会にて、コインチェックの現状や海外の顧客基盤など仮想通貨事業の将来性について、松本CEOの発言要旨を詳しくまとめた。金融庁に認可された場合、広報活動を積極的にしていきたい等と言及した。

マネックスオンライン決算説明会

マネックスのオンライン決算説明会の模様を掲載。

2018年4月に完全子会社化した仮想通貨取引所「コインチェック」と、「クリプトアセット事業」に関する言及をまとめている。

マネックスグループ(8698)は、前場引けに第2四半期決算を発表。

仮想通貨などに関する「クリプトアセット事業」は、営業収益12億円となったものの、サービス全面再開に向けた経営・管理体制の強化及びセキュリティ対策費用など先行投資のみが嵩んだ結果、税引き前損益8.47億円の赤字となっていた。

松本CEOは、決算の業績について、「四半期の数字は振るわなかったが、(様々な施策が打たれ、準備が進んでいる所なので)屈伸で言うところの屈んでいる所だ。」と強調。

以下の、3つの視点で金融を再定義するとした。

  • 第二の創業
  • 証券問題などが燻る仮想通貨の「ICO(Initial coin offering)」とは異なり、金融商品に関するトークン規制に予め基づいて発行する、「STO(Security Token Offering)」など、仮想通貨を活用した新たなサービスの創造や、人工知能を使用した様々なマーケティング施策で、ミレニアル世代向けのサービスを提供する。

  • 一歩先の未来の金融
  • 日本において、仮想通貨交換業での確固たる地位の確立を目指す。

    日本とは異なる形で発展しているアメリカ市場でも、米国子会社のトレードステーションが、仮想通貨などのトレーディングビジネスの確立を目指す。

  • オンライン証券の成長

海外事業が順調に拡大

アメリカ事業は、顧客基盤が拡大 。収益全体の31%を占め、過去最高の4億円に到達した。米国株取引では、取扱銘柄数などの規模で日本最大となり、取引件数および取引口座数は、それぞれ前年同期比45%増、26%増している。

米国に関しては、短期金利上昇のシナリオの中で、オートマチックに黒字拡大する公算の高い、利益拡大の追い風が吹いている状況だと考えている。

また、アジアパシフィック部門では、香港、中国本土は安定して成長中だが、投資フェーズであるオーストラリアにおけるオンライン証券事業が立ち上がっている。

コインチェックの海外進出

また一部報道機関によると、2011年に傘下に収めた子会社の米国トレードステーショングループを通じて、米国で仮想通貨事業に参入する検討に入っているとされており、コインチェックのサービスをローカライズ(英語化+α)するなどノウハウを活用する方向で検討していると報じられている。

また、主要子会社にトレードステーション証券を擁しており、自社の先物取引顧客がビットコイン先物取引を利用できるようにするなど、仮想通貨関連の領域に力を入れるとされている。

業績について

出典:マネックス決算資料

コインチェックが営業停止状態のこともあり、営業収益は1Qよりも減少しているが、広告宣伝費などマーケティングの最適化により、販管費も1.4億円ほど削減できている。

セグメント損失6億円に関しては、世界水準で見た時にも強固な基盤になるよう、「サイバーセキュリティ及び内部・管理体制」の管理強化に充てた、グループ入りしてから半年間の先行投資だと説明した。

コインチェックの再開時期と顧客基盤

コインチェックの認可登録時期について松本CEOは、「完全な事業再開に至っていないため、収益が細り赤字の状態だが、業登録が済んで完全再開となれば、コインチェックの顧客基盤を考えると早期に黒字化させ、大きく伸ばしていけるだろう。」と強調。

最近、金融庁で「仮想通貨交換業の登録審査について」というページが公開されたが、マネックスグループとして、コインチェックに関する経営管理体制など継続的にバージョンアップしており、よりハードルの高い”新しいガイドライン”を踏まえてもしっかり対応出来ているはずだ。」と確信を覗かせた。

出典:マネックス決算資料

また、顧客基盤については、マネックス証券とコインチェックでオーバーラップがなく、顧客基盤では500万人という数字も視野に入ってくる。

また、現時点の仮想通貨事業は、参入障壁が極めて高い「高度技術集積産業」となっており、コインチェックの再開に漕ぎ着ける事ができれば、マネックスグループの金融ノウハウを最大限活かしていけるとした。

資産クラスとしての仮想通貨

出典:マネックス決算資料

トレーディングビジネスだけでも相当の収益を見込めると考えているが、これは一部に過ぎない。

コインチェックなど仮想通貨交換業における「トレーディング事業」に限らない、ポイントに変わる国際決済や、ステーブルコインを使用した法定通貨に近いようなサービスなどのビジネスを作り、グローバルに展開していくことも検討している。

さらに、農産物のバリューチェーンをブロックチェーンで確認することも可能であり、厚生労働省もデジタル通貨での給与支払いを認めるなど、今後は4層でのビジネスを考えており、大きな成長余地がある。

3Q以降は、屈伸の”伸”の部分で、しっかりとした業績をお見せできるのではないかと考えている。

質疑応答の内容

以下は、オンライン決算説明会に参加した投資家の質問に対し、松本社長の回答をまとめたものになる。

認可が想定より遅れている理由はなぜか

当社としては準備は完了できていると考えているが、最終的に「当局の判断」を待つのみの状態だ。目処に関しては答えようがない部分があるが、感触としてはもう間も無くではないかという手応えはある。

コインチェックだけではなく、どうしても外部環境にも左右される。

(編集部補足:おそらく、認可済み交換業者への業務改善命令の件や、Zaifによる不正流出の件などを指すものと思われる)

世界的に仮想通貨への興味は薄れているのではないか
相場観としてはそうは考えておらず、取捨選択が行われているが、仮想通貨全体は成長の途上にある。ブロックチェーンを使用した様々なサービスもある。
コインチェックがサービス停止する中、顧客は他社に移っているのでは
細かく見ていくと大口は残っている。アルトコインのサービスがほぼ止まった状態だが、再開すれば預かり資産に関しても増えてくるだろう。
自社株買いについて
コインチェックの業再開についての憶測について、自社株が乱高下する中で、内部の準備状況に関してよく周知している中で、このタイミングでは控えたい。このような状況がクリアになれば、自社株買いは積極的に検討していきたい。
スプレッドに関してどうか
スプレッドを縮小し、大幅に良いスワップレートになっており、トレーディング派にもアピールしていきたい。
業務改善命令について、すでに改善内容は完了しているのか
すでに全て完了しており、報告済み。継続確認が必要なものは継続して報告している。
仮想通貨トークンに関するICOやSTO、あるいはコインチェック社のIPO(新規公開株)も検討しているのか

セキュリティトークンオファー(STO)、及びICOなどの展開に関しては、証券という扱いで「金商法の商品」なので考案している。

コインチェックのIPOについては、永久資本が必要なビジネスなので、長い目で見て検討している。

ただし、まずはコインチェックにおける業再開を最優先して、仮想通貨事業に関する全てのリソースを集中させた上、次なるクリプトビジネス展開を考えていきたい。

免責事項

以下、オンライン上で行われた一般投資家と、マネックスグループCEO「松本大」氏との質疑応答内容をまとめたものです。

当ページに記載されている内容については、リアルタイムの視聴に基づくため、ニュアンスの誤りなど聞き違いが含まれている可能性があります。

投資を行う場合、ご自身で情報を精査の上、自己責任でお願いいたします。

CoinPostの関連記事

マネックスグループ決算説明資料|コインチェックに関する言及、仮想通貨活用サービス創造にも着手か
コインチェック社の買収を行なったマネックスグループ(8698)は本日、11時40分から2019年3月期第2四半期決算説明を行い、説明資料が公開された。その内容にて、期待感が高まっている仮想通貨事業展開について触れた。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧