CoinPostで今最も読まれています

テザーの裏付け資金を証明する文書が公開|仮想通貨業界で募る不信感の払拭なるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

TetherとDeltec
米ドルに裏付けられたUSDTを発行するTether社が70年以上の歴史を持つバハマの銀行Deltecに口座を開いたことが明らかになった。今回Deltecは様々な側面からTether社を精査し、疑惑の目が向けられる裏付けテザー社資金保有していることを証明する公式文書を発行した。
Tetherの懸念
Tether社は、流通させているUSDTを裏付ける米ドルを保有していないのではないかという噂が流れていた。その懸念が完全に払拭されたわけではないが、今回の発表によって、今後のさらなる透明性の確保が期待されている。

TetherとDeltec

アメリカドルに裏付けられたペッグ通貨USDTを発行するTether社が、バハマ基盤で70年以上の歴史を持つ銀行Deltecと提携したことが明らかになった。

Tether社の公式ブログによると、同社はDeltecによるデューディリジェンスが行われ、コンプライアンス、政策、手順に則っているか、その株主や最終受益者、役員の身元調査やUSDに裏付けられたUSDTが財務管理政策を含め、今後維持していけるかが精査されたと記述された。

さらに、同ブログでは、Tether社がアメリカ合衆国財務省の金融犯罪捜査網(FinCEN)に登録されており、アンチ資金洗浄(AML)やテロ資金供与対策(CFT)に対し高い基準で順守していると主張され、以下のように記述された。

「このデューディリジェンスは数ヶ月間に渡って行われ、肯定的な結果が出たため、Deltecに銀行口座を開くことができたのだ。Deltecによる調査は今回の一回限りではなく、定期的に行われる。」

担保金を証明する文書を公開

結果的にDeltecはTether社が10月31日時点で1,831,322,828ドル(約2060億円)を保有していることを証明する公式文書を発行した。これは、現在市場に流通されているとされる1,776,421,736 USDT(CoinMarketCap参照)を1ドル換算で計算した1,776,421,736ドル(約2000億円)よりも5000万ドル(約56億円)以上多い額であるとされている。

出典:/tether.to

しかし、コミュニティ内では、未だ公式な監査が行われていなく、そのDeltecからの文書内に銀行責任者などの名前が記述されていないこと、公式スタンプ(印鑑)が押されていないこと、10月31日時点での残高しか記述されていないなど依然問題視する声も多く、未だTetherへの懸念は払拭できていないと考えられており、TwitterでBitfinex’ed(@Bitfinexed)は以下のようにツイートしている。

「Tether社が先月10億USDT以上の総供給量を減らした前の口座残高も不明である。 これでは、その総供給量を減らした意図が、現在の銀行残高に合わせるためであったと疑われても仕方のないことだ。 よって、現在の残高だけでなく、過去数ヶ月の残高も公開すべきであると言える。」

【追記】

文面や口座の残高がCoinMarketCapの市場流通量と一致しない点や署名等、疑問点が多く残っていた今回の公式文書だが、11月6日に公開されたCoindeskの記事Deltec銀行の会長であるJean Chalopin氏が文書の信憑性を保証していた事が明らかになった。

Tetherの懸念

Tetherは、”その発行量に対して、実際に裏付けられているアメリカドルがTether社によって保有されていないのではないか”という不安が長らく噂されてきた。

今年3月21日にはTether社がたった1日で300億円以上のUSDTが発行し、5月18日には275億円相当、8月には550億円相当のUSDTがそれぞれ大量に発行されている。

ビットコイン価格への直接的な影響があると断言することはできないが、その発行が行われた時期と同時期に取引量が増加し、価格も上昇するなど、価格操作という面でもTether社は疑いの目を向けられていた経緯がある。

6月には、法律会社Freeh Sporkin & SullivanがTether社の銀行残高を確認し、6月1日において、その裏付けられている米ドルが供給されているUSDTよりも多かったことを確認している。

しかし、今回のDeltecの証明も含め、いずれもある1日における残高であり、Freeh Sporkin & Sullivanの調査では”この結果は何かを保証するものではない”と言及されていた。

このように多くの疑惑を完全に払拭したとは言えないTether社ではあるが、今回のDeltecとの提携で”定期的な調査が行われる”と示唆されたことから、今後さらなる透明性が確保されることが期待されている。

仮想通貨相場の大きな懸念材料であるこの問題の早期解決は、最も市場から望まれている点であると言えるだろう。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ビットコイン急騰時に急落した「USDT」が18カ月ぶりの最低水準を記録|テザー疑惑を振り返る
15日、ビットコインの急騰と逆相関を示すような形で、テザーが急落して異常値を付けた。発行会社を運営するビットフィネックスで価格乖離が生じたことから、相場操縦疑惑も再浮上している。
イーサリアム共同設立者、価格操作疑惑の絶えないTether社と仮想通貨USDTを擁護
イーサリアムの共同設立者の一人で、イーサリアム上のプロジェクトを促進するフィンテック企業Consensysの創設者であるJoseph Lubin氏が、Yahoo Financeのインタビューに応じ、テザーは相場操縦に関連してないと言及した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/12 火曜日
11:30
2024年バイナンス新規上場のミームコイン銘柄、8割が大幅上昇 NEIROは76倍に
2024年にバイナンスに上場したミームコイン銘柄の大半が大幅上昇している。NEIROが76倍、11月新規上場のACTが12倍になった。
10:55
「ビットコインを保有しないことは経済的リスクに」NYDIGレポート
NYDIGが、トランプ新政権下での仮想通貨規制を展望。FIT21など法案の行方やSEC方針転換の可能性を解説している。
10:00
ブータン、保有するビットコインの価値が10億ドル超に
ブロックチェーン分析企業Arkhamは、ブータンが保有する仮想通貨ビットコインの価値が10億ドルに達したことを報告。米大統領選におけるトランプ氏の勝利が主導する相場の上昇が大きな要因である。
08:15
バーンスタイン、早期の仮想通貨投資を顧客に推奨
バーンスタインのアナリストは顧客に対し、早期に仮想通貨業界へのエクスポージャーを増やすように推奨。ビットコインの25年のターゲット価格は現在でも20万ドルだと述べた。
08:10
バイナンス、AIミームコイン新規上場 価格20倍暴騰
仮想通貨取引所バイナンスは11日、2つのソラナミームコイン銘柄の現物新規上場を発表した。そのうちの1つは20倍も暴騰している。
07:02
ビットコインが年内10万ドル到達の可能性、予測市場で6割超え予測
仮想通貨ビットコインが新たな最高値を更新する中、ポリマーケット予測市場における「ビットコインが今年中に10万ドルを突破するか」という予測の確率は急上昇中。
06:20
米マイクロストラテジー、過去最大規模のビットコイン追加購入
米マイクロストラテジーは11日夜、仮想通貨ビットコインを再び追加購入したことを発表した。今回の購入額は同社最大規模となる。
06:02
ビットコインが初めて89000ドル突破、仮想通貨関連株も高騰
仮想通貨ビットコインは、日本時間の12日午前5時頃に史上最高値となる87,000ドル(約1,337万円)を初めて記録。仮想通貨関連株も大幅に上昇した。
11/11 月曜日
12:21
米下院選も共和党リードで現実味を帯びる「トリプルレッド」 仮想通貨支持派の当選相次ぐ
米下院選の開票が行われており、共和党が過半数を超えるとトリプルレッドが実現する。大統領選と同時に行われた選挙では、仮想通貨支持派の議員が多数当選しており、規制緩和への期待が高まっている。
11:32
ビットコイン大統領選後も上昇止まらず1250万円に 主要アルトはETH、SOL、DOGEが高騰
米大統領選のトランプ再選を受け、ビットコインが8万ドルの大台を突破した。アルト市場の主要銘柄はイーサリアム、ソラナ、ドージコインが高騰、前週比でビットコインを大きくアウトパフォームしている。
10:40
ビットコイン8万ドル突破、米大統領選後の相場をプロが解説
クリプトアナリストの仮想NISHIが米大統領選直後のビットコイン相場を解説。BTCはトランプ氏優勢とFOMCの利下げを受けて史上最高値を更新した。デリバティブ市場の分析から、現物主導の健全な上昇相場が継続する可能性を示唆する。
09:40
ドージコイン(DOGE)が3年ぶり高値まで上昇 米大統領選とイーロンマスクの動向背景に
仮想通貨ドージコイン(DOGE)が急騰し、2021年のバブル以来3年ぶりの高値水準を記録した。トランプ氏の米大統領再選とイーロン・マスク氏の動向が背景にある。
11/10 日曜日
22:56
米国の現物ビットコインETFは過去最高の純流入、相場の先高観は維持を想定|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが、米大統領選挙後に高騰したビットコイン(BTC)相場を分析。ビットコインETFの過去最高の流入増などから今後の展望を解説した。
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ ビットコインATH更新やミームコイン考察レポートなど
暗号資産(仮想通貨)の材料まとめ 前週比の騰落率(11/3〜11/9) ビットコイン(BTC):76,614ドル +10.8% イーサリアム(ETH):2,934ドル +16….
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米大統領選後のBTC相場分析に高い関心
今週は、米大統領選に関連した仮想通貨ビットコインの相場分析、ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利、同氏勝利後のビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧