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仮想通貨先物市場で2億ドル相当がロスカット、ビットコイン反落

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マクロ経済と金融市場

前週末24日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比17.1ドル高の42,330ドル、ナスダック指数は69.5ポイント(0.38%)高の18,189で取引を終えた。

東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前日比561円(1.48%)高の38,471円と反発した。

前日は石破新総裁の掲げる金融・経済政策や金融所得への課税強化の警戒感などから、一時2000円以上下落するなど波乱の幕開けとなったが、石破氏が経済番組に緊急出演して日銀の独立性を重視するスタンスを打ち出したこともあり、一夜明けて落ち着きを取り戻した。

個別銘柄では、防衛相の経歴を持つ石破総裁の誕生や中東情勢の地政学リスクを受け、三菱重工業、IHI、東京計器などの防衛関連株が物色されている。日本経済の起爆剤に位置付ける地方創生関連銘柄も強い。

ビットコイン反落を受け、コインベースやマイクロストラテジーなど米国株式市場の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄は軒並み下落した。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比1.6%安の1BTC=63,280ドルに。

BTC/USD日足

暗号資産(仮想通貨)デリバティブ市場において2億ドル相当のロングポジションがロスカット(強制清算)された。CryptoQuantは、先物市場の過熱感を指摘の上、OI(未決済建玉)が190億ドルを超えているとしていた。

OIとは、先物市場で未決済の契約(ポジション)の総数を指し、トレーダーや投資家の市場に対する関与度や関心度を示すものだ。ビットコイン価格の上昇に伴い、新しいポジションが次々と開かれ、先物市場での取引が活発化していることを示している。

一方で、高値圏でのOI上昇は過剰なレバレッジをかけたハイリスクな取引増加を示唆するものであり、ひとたび下落に転じるとロスカットや投げ売りの連鎖による相場のボラティリティ(価格変動性)拡大を招きやすい。

このような状況や米国大統領選挙など相場の不確実性を踏まえ、年末にかけてビットコインのオプション取引が活発化しつつある。トレーダーの間でリスク志向が高まっていることを反映していると言える。

kaikoのデータによれば、10月末に満期を迎えるBTCオプションの取引量の急増が目立つ。

オプション取引の急増は、今月から始まった米連邦準備制度理事会による利下げサイクルの発表と一致しており、12月27日のオプション取引では権利行使価格1BTC=10万ドルを超える契約が大幅に増加した。

機関投資家の資金流入が増加

資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、先週の上場投資商品(ETP)への資金流入額は12億ドルに達し、過去2か月間で最大を記録した。

これは、米国の金融政策がハト派的であるとの期待が継続していることやそれに伴う市場価格の上昇が背景にある。米連邦公開市場委員会(FOMC)は年内にあと2回の開催を控えるが、ジェローム・パウエルFRB議長は利下げ幅について、市場が過剰な期待を織り込まないよう釘を刺している。

グローバルマクロインベスターの責任者であるジュリアン・ビッテル氏は、世界的なマネーサプライ(M2)が再び増加し始めていることに注目。ビットコインにとっては、歴史的に好ましい兆候であると指摘した。

M2は、世界経済に流通する現金や預金を含む通貨供給量の指標のこと。マネーサプライが増加すると、金融市場全体に流動性が供給され、その結果、ビットコインやその他のリスク資産にも資金が流入しやすくなるほか、M2の増加で米ドルなど法定通貨の価値が希薄化した場合は、インフレヘッジの文脈でも機能し得るからだ。

米国証券取引委員会(SEC)がブラックロックのビットコインETF(IBIT)に関連する現物決済型のオプションを承認したことも投資家心理の改善に寄与し、運用資産総額(AuM)は先週6.2%増加したが、取引量は前週比3.1%の微減にとどまったようだ。

過去5週間にわたり純流出の続いたイーサリアム投資商品も、先週分は打って変わって8,700万ドルの純流入に転じた。

関連:ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとのメリット比較や関連銘柄の買い方も紹介

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